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23価肺炎球菌ワクチン2回接種OKへ

 インフルエンザ感染などの際に肺炎合併を起こして重篤化する危険性を下げてくれるとして高齢者に接種が推奨されている23価肺炎球菌ワクチン(ロハス・メディカル誌08年4月号参照)について、現在は禁忌となっている2回接種が近い将来に認められることになりそうだ。厚生労働省のインフルエンザワクチン需要検討会委員長も務める神谷齊・国立病院機構三重病院名誉院長が5日、都内で開かれた小児用ワクチンに関するプレスセミナーで見通しを明らかにした。(川口恭)

 23価ワクチンは、その免疫の記憶効果が5~6年ほどしか持続しない。その一方で添付文書には2回以上の接種が「禁忌」となっているため、生涯のうちに1度きり5年ほどしかワクチンによる免疫記憶を持てないことになり、果たして何歳の時に接種すべきか悩ましいことになっている。しかし2回接種を禁忌にしているのは先進国では日本だけであること、肺炎予防は高齢者の生命やQOLの維持に直結する利益であることから、現場からは不満の声も上がっていた。

 これについて神谷名誉院長は「今うちの研究班でやっている試験の結果が出たら、禁忌を外してもらえることになっている。今年中には何とかなりそうだ」と述べた。少なくとも未接種の高齢者が秋以降の新型インフルエンザの流行に備えて今年打ってたとしても、将来打てなくなるという心配をしなくて済むことになる。

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