新型インフル 「厚生労働省を信じてはいけない」
神津
「目からウロコの落ちるような話をいただいた。なかなか我々の所まできちんとした情報が降りてこないわけだが、医師会の方でもきちんと議論しないといけないだろう」
この後、ER当直中に集団発生患者を引き受け、さらにそれが新聞報道されたという経験を持つJR東日本東京総合病院の小林一彦血液内科医長が、その時の体験と、その後も厚生労働省のインフルエンザワクチン接種方針によって、現場が右往左往させられていることを述べ、神津氏が「国も考えを変えて、もっとスマートな現場が混乱しないようなマネジメントとスケジュールを組まれることを望んでいる」と受け、質疑応答に移った。
その中の一つだけご紹介して終わる。
会場
「検査キットの感度が低いのはウイルスのせいか」
森澤
「分からない。そもそも検査キット自体が日本独自の進化を遂げてきた面もあり、外国の文献をそのまま当てはめることもできず、免疫抗体反応のせいなのか、ウイルス量のせいなのかも分からない。ただ既にキット検査を実施しないでもタミフルを投与して構わないと医政局長通知が出ている。またただし、医政局がOKと言っているからといって必ずしも保険局がOKとは限らないので査定される可能性がある。地域ごとに判断する必要があるだろう」
上
「それこそ医師法20条違反だと日本医師会は言うべき。皆さんも行政訴訟を起こされたらどうか。自分たちで診療してないのに、診療法を通知一本で規定する。これが医師法違反でなくて何なのか」
神津
「日本の現状が分かった。カオスの中にいる。それを正しい状況に戻していくことが国や日本医師会に求められることだろう。皆さんの意見をそこに集中して変な方向に行かないよう努めたい」