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「中医協の意見書」が密室で決裂、問われる国民代表

■ 「非常に悩んだ心の内を知っていただきたい」 ─ 西澤委員
 

─ 私たちの見えない所で公益側が調停案を出して、診療側・支払側と個別に折衝するという方式について、どのように考えるか。むしろ、総会で公の議論をしたほうが国民に伝わったのではないか。

[邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)]
 そういう議論も昔からあるが、やはり細かいことはある程度......、受け取る側によってはいろいろな報道をしますし、やはりなかなか外に出しにくいような交渉もある。「ここはちょっと我慢して、こっちを」ということもあります。

 私は3回、この各側折衝に出ておりますけれども、これは悪いことではないと思っています。そういうやり方もあると思います。公の場で全部やるとなかなか議論が進みにくいだろうと思います。

[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
 総会でやった場合には、恐らく今日1日かかっても終わらなかったんじゃないかなと思います。そういうことで個別(折衝)のほうが良かったかなと思ったのですが、私としては時間さえあれば公の場、公開の場のほうが良いんじゃないかなと今は想っています。

 それから残念だったのは、最後に調停不能になったのですが、「調停不能になりました」で終わるのではなく、その過程をあの場でもう少しきちんと、その間の資料を全部出して、「これを示したら1号(支払)側はこうだった」、「2号(診療)側はこうだった」という経緯を示した説明があるべきだった。

 それをあの場できちんと主張しなかったのは、申し訳なく思っています。最後の場面では非常に悩みました。席を立つことも考えました。それを躊躇したのは、これだけ切羽詰まった中で私たちが席を立ったりしたら、議論がますます遅れる。下手をして4月改定がなくなったら、もっと医療現場や勤務医の先生方にご迷惑をお掛けするという躊躇で、非常に悩みました。そういう心の内をぜひ皆様方に知っていただきたいというのが今回の会見の趣旨でもあります。

[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
 私は議論を開示したほうが良いと思っています。何も恥ずかしいことを議論しているわけではない。ただ、これは推察ですが、日本医師会(執行部)が(委員に)入っていたときはたぶん事前にいろいろな打ち合わせがあって、あまり時間も掛からないでこういうことができたのではないかと思っていますが、我々(診療側)は今、国民の立場で語る委員が多いものですから、まとめにくいということと、慣例なんですかね......。
 過去にも、慣例でこういうことをやったらしいんですね。我々もあまり疑問に思わないでそれに乗ってしまったのですが、やっぱり7人の委員は全員、「オープンでやったほうがいい」と考えています。


【目次】
 P2 → 「中医協として改定についての意見具申は行わない」 ─ 遠藤会長
 P3 → 「公益委員は1号側の意見を採り入れた」 ─ 嘉山委員
 P4 → 「中医協はメッセージ1つ出せないのか」 ─ 邉見委員
 P5 → 「非常に悩んだ心の内を知っていただきたい」 ─ 西澤委員
 P6 → 「公益側が全部潰したということではない」 ─ 厚労省

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