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法改正先取りしてでもガバナンス確立を 仙谷氏、NC検証チームで

 8日に行われた内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』第3回会合の議論の後半(前半はこちら)。独立行政法人通則法の改正が大筋の方向となり、理事長の選任方法などが議論された。厚生労働省は、なすすべなくサンドバッグのままだった。(川口恭)

 仙谷
「前回、理事長や役員には医療のプロフェッショナル、ある程度の権威のある人がいいのだという話もあったが」

 志賀
「問題の立て方をハッキリさせてほしい。通則法を所与のものとして考えないといけないのか。ガバナンスの考え方からすると、あの通則法はおかしいから法改正しないといかんということになるのだが、しかし4月1日の発足を目前にスタート時点でどう考えるのか。とりあえず通則法の枠内でできることだけやるのか、改正した後でありうべき姿を先取りしてやるのか」

 仙谷
「私の行政改革のイメージとしては、独法改革を前向きにするにはガバナンスの問題を避けて通れない。ミッションとガバナンスの釘を打ち込んで今後のお手本になるようなイメージになる。通則法にたとえ違反しても、それが刑事事件にならないのなら、法改正を先取りしたガバナンスを実現している、そういう認識を持ったスタートにできればと思う。もちろん総務省の方で時間があれば、通則法の改正案を通常国会でお願いしたいとは思うのだが」

 階
「私も、今の独法の枠内でガバナンスを整える必要はないと考える。理事長の任命条件にすれば確立できるのでないか」

 志賀
「理事長がほとんどの権限を持っていて牽制する機関がないという問題は、そういう機関を作ろうとすると法律が桎梏になっている。法律をギブンのものとする枠内でとりあえずできるにしても、つまる所は法改正しないといかんというのが結論だ」

 大久保
「実際、独法の監事というのは実にまじめにやっておられることが多い。民間の監査役などよりよほどまじめ。理事もそう。個々人は一生懸命やっているのに、なぜ国民の納得を得られるようにならないのかと考えると、構造的問題があると言わざるを得ない。現行の法制度には問題がある」

 境田
「ここ10年ほど企業のガバナンスは飛躍的に向上した。その理由はひとえに株主代表訴訟。大和銀行の事件で役員が何百億円も賠償を命じられるということがあって、あの判決で言われたのが、内部統制をきちんと確立しているか、やってなければ責任を問われるよということ。それが指針となって、企業のガバナンスが急速に整った。つまり取締役や監査役を引き受けることはリスクを負うんですよ、と。ただし、内部統制をきちんとやっていれば、それでも不祥事を起こす人はいるけれど、それについては責任を負わないでよいということだ。
 
 公益法人でも社員が責任を追及できるようになった。独法にも似た仕組みが必要だろう。というのが企業や公益法人には所有者がいるので、その所有者が責任を追及できる。しかし独法には所有者がいない。誰が責任追及するのかという見極めが必要。ステークホルダーを責任ある人にするような姿が必要だ。しかし、そのようなあるべき姿でやろうとすると法律が壁になる。いくらそのような仕組みを作ったとしても、理事長が採用しないといえばそれまで。通則法改正と同時にガバナンス確立のための仕組みも作り上げたいなという思いでいる」

 階
「改正に異論はない。ただタイミングの問題として4月1日に間に合わない。テクニカルに任命の条件にすればできるんじゃないかということを述べた」

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