「中医協の意見書」が密室で決裂、問われる国民代表
■ 「公益側が全部潰したということではない」 ─ 厚労省
< 診療側の会見後に行われた厚労省のブリーフィング >
─ 先ほど診療側が会見を開き、意見書の結論部分に「診療報酬全体の引き上げ」を加筆するよう求めたが、「公益側がのまなかった」という説明だった。
[保険局医療課・尾崎守正課長補佐]
それは事実と違うと思います。のむかどうかというのは、「1号(支払)側がのむかどうか」ということだと思いますので、結局、「1号側と2号(診療)側で意見が折り合わなかった」ということではないかと認識しています。
つまり、「公益側がのんだから紙が決まる」というわけではないので、「1号と2号との間で意見が折り合わなかった」ということではないかと思います。
─ 事実関係を確認するため、公益委員が各側に示した「裁定案」をオープンにしてはどうか。
それはオープンにできないですね、「各側呼び込み」ですから。当初は、「各側呼び込み」の予定はなかったんですよ。両側が求めて急にそういう話になったものを事務局(保険局医療課)から発表するのは難しい。
─ 支払側も診療側も、「オープンにやったほうが良かった」と話しているが。
だったら、「なぜ呼び込みをしたんだ?」という話だと思うんです。シナリオ上、「呼び込み」というのはなかったんです。
─ 1号(支払)側は、公益側が示した調停案にある程度は納得したのか。
「調停案」というか、「修文案」ですね。ある程度納得されて、その後、2号(診療)側がいろいろご意見があるということで話し合って修正案が出されました。
それをもう一度、1号(支払)側に見せなければいけませんので、1号側にお見せして、結局、「それがのめない」ということでしたので、あのような結果になったということです。
─ 不成立の原因は、「1号(支払)側がのめない」ということだったのか。
要するに、2号(診療)側としても「この案で行けないなら意見書をまとめないこともやむなし」ということだった。提示したものを1号(支払)側はのめないということだったので、「1号、2号、納得の上でまとめない」ということになった。
─ 意見書の結論部分に「診療報酬全体の引き上げ」を入れるよう求める2号(診療)側の修文案は、1号(支払)側に示されたのか。
示しました。2号(診療)側と公益側と2回やり取りがあったのですが、診療側が2回目に求めた案について、「2号(診療)側がこういうふうに(修正)してほしいということです」ということを1号(支払)側に言っています。それで、(支払側の)白川さんたちは、それ(結論部分に診療報酬全体の引き上げを加筆すること)を「のめません」と。公益側が全部潰したということではないと思っています。
たぶん、(公益委員の)遠藤さんの立場からすると、詳しくは分かりませんが、要するに2号(診療)側から出された案がですね、公益委員の立場として見ると、「これはとても1号(支払)側はのめないだろう」ということをおっしゃったんだと思うんです。
遠藤さんたちが(診療側の案を)「のめない」と言ったのではなくて、これまでの議論を聴く限り、「これはたぶん1号はのまないと思いますよ」と。それで結果としてのまなかったので、あの結論になった。
【目次】
P2 → 「中医協として改定についての意見具申は行わない」 ─ 遠藤会長
P3 → 「公益委員は1号側の意見を採り入れた」 ─ 嘉山委員
P4 → 「中医協はメッセージ1つ出せないのか」 ─ 邉見委員
P5 → 「非常に悩んだ心の内を知っていただきたい」 ─ 西澤委員
P6 → 「公益側が全部潰したということではない」 ─ 厚労省