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「二次救急はレベルがさまざま」 ─ 4000億円は地域の中核病院へ?

■ 「医政局が認めない救命救急センターから壊れている」 ─ 嘉山委員
 

[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
 ちょっとあの......、記憶がっきりしないので定義を教えていただきたい。「救命救急センター」の定義は何でしょうか?

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、事務局(保険局医療課)、よろしいでしょうか。救命救急センター......。

 ▼ 厚労省は「救急入院医療の充実に係る評価」として、▽救命救急入院料の評価の見直し ▽特定集中治療室に関連のある入院料の見直し ▽救急医療管理加算・乳幼児救急医療管理加算の評価の引上げ ▽救急搬送患者地域連携受入れの評価の新設─の5項目を挙げた。
 このうち、「救命救急センター」の充実度に応じた加算を設定している「救命救急入院料」については、「今般充実度評価の見直しが行われたことも踏まえ、評価の高い救命救急センターの評価を引き上げる」として、「充実度評価Aの加算」(1日につき500点)を引き上げるとともに、「充実度評価Bの加算」を新設する方針を示した。なお、医政局指導課が所管する「救命救急センターの充実段階評価」(充実度評価)については、「補助金受給基準に過ぎない」との批判もある。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 えーと、ちょっと今日、手元に資料を持ってきておりませんので申し訳ありませんが、医政局指導課のほうで「救命救急センターはこういうもの」ということで、その施設基準とか対応の状況とか、基準があります。間に合えば次回に......。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、ありが......。

[嘉山孝正委員(山形大医学部長)]
 というのはですね、この「救命救急センター」を各都道府県で定めたときに、要件が整っているにもかかわらず、数を制限されたという記憶があるんですよ。「1県いくつ」だとか......。

 実際は「救命救急センター」としての機能をちゃんとやっているにもかかわらず数が制限されたので、そういう基準に入っていない所はこれから抜けるんですか? そうすると(救命救急センターを)何も助けることにならないんで......。そういう所こそ、"立ち去り型"の勤務医が出ているんですよね。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 分かりました。医療課長どうぞ。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 はい。(前医政局指導課長ではなく)保険局の立場としてみれば、「救命救急センター」というのは別途(基準が)決められておりますので、「その決められた範囲で」ということになります。

 ただ、実態として申しますと、医政局指導課で「救命救急センター」という制度ができて要件が決められたときに、「おおむね人口100万人に1か所程度」ということで整備が進められまして、全国各県で「救命救急センター」を指定する際に、ある程度、「人口100万人に1か所程度」ということで整備した経緯がございます。

 その際には、補助金が付いておりましたので、補助金の配分というところも絡めまして、ま、ある意味の、指定の数の......、「制限」と申しますか、「基準」みたいなものが決められていたようです。
 で実態......、最近までも、「もうこれ以上は必要ありません」とか、「もうこれぐらいで十分だと思います」というようなことで、県でも判断されていたようです。

 で、2年ほど前に、ある程度そういう実態に合わない、あるいは最近のように「救命救急センターが十分」と言っていたけれども、「中等症・軽症の患者さんが救命救急センターに殺到する」とか、あるいは「さばききれない」という問題が出てきたので、補助金の問題はあるにしても、「人口100万人に1か所ということにこだわらずに指定していい」という通知が出ていると思います。
 各県がそうした趣旨を踏まえて、今後は指定については弾力的にやっていただくんだろうと思います。指定されれば、私ども(保険局医療課)のほうでは、指定に則って点数が評価される。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、ありがとうございます。嘉山委員、どうぞ。

[嘉山孝正委員(山形大医学部長)]
 そうすると、従来医政局が指定していたあの定義ではなくて、都道府県が「救命救急センター」と認めれば、この点数が付くと考えていいのですか。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 医療課長、どうぞ。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 その通りです。ただし、先ほどから何度も言っておりますが「基準」がありますので、その「基準」を満たしていただかなければなりません。先ほども説明いたしましたが、「充実度評価」ということで、誰でも分かる形で......。(ここで嘉山委員が割り込む)

[嘉山孝正委員(山形大医学部長)]
 もちろん分かりますよ。(佐藤課長、無視して説明を続ける)

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 (誰でも分かる形で)評価をされてしまうので、そこで......(嘉山委員が「もちろんそう」とさえぎるが振り切る)......というわけにはいきません。(語気を強めて)評価に応じて点数も設定される。

[嘉山孝正委員(山形大医学部長)]
 だから私が言ったのは、「制限」があったので十分な機能を持っている病院でも、当時は「救命救急センター」という名前が付けられなかったんです。
 例えば山形......、岩手県なんか四国の3分の2ぐらい広い面積で、人口は(四国の)1つしかならないんですよ。ところが実際の救命救急センターは海側と山側でやっているわけですよね。ですから、その辺をちゃんと認めていただかないと実際はそういう......、あの時の医政局が認めていない救命救急センターから壊れているんです。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 医療課長、どうぞ。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 あの......、(笑いながら)医政局指導課マターではあるんですが、ポイントを2つ申します。まず1つは、「人口100万人に1か所程度」という目安があり、またその目安に則って補助金が付いているということもあり......。
 過去のある時点においては、かなり厳格にそういったルールで展開していたということで指定されなかったというのも(原因として)1つあると思います。

 それから2つ目は、「救命救急センター」の基準はかなり厳しいので......。例えば、具体的に(県の)お名前が挙がるとしたら、岩手県のような、あるいは東北のある一部の県では......。
 実は、(救命救急センターの)人員配置基準がひじょーーに厳しいので、それを欠いてしまうと落ちてしまうので、むしろ最近の医師不足や看護師不足の中で、「泣く泣く」と申しましょうか、「指定が受けられない」、あるいは「充実度評価でずーっと下のランクになってしまう層」という所があったように聞いております。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、ありがとうございます。(嘉山委員へ)では、よろしいですか?

[嘉山孝正委員(山形大医学部長)]
 答えになってないです。(指定を)受けられるんですね? 県がオーケーすれば。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 (声を強めて)基準を満たして県がオッケーをして、その上で点数の評価が出るということです。もちろん、(救命救急センターに指定されても)「充実度評価」で改めて事後も評価されるという要件が付きます。(嘉山委員、軽くうなずく)

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 ということです。はい、ほかにございますか。鈴木委員、どうぞ。
 

【目次】
 P2 → 「平成22年度診療報酬改定の個別改定項目」を提示 ─ 厚労省
 P3 → 「医政局が認めない救命救急センターから壊れている」 ─ 嘉山委員
 P4 → 「地域の格差が拡大する」 ─ 鈴木委員
 P5 → 「総合的な入院・救急体制でも周りに受け手がない」 ─ 邉見委員
 P6 → 「地域にいろんな問題があるが割り切らざるを得ない」 ─ 白川委員
 P7 → 「二次救急はレベルがさまざま」 ─ 厚労省課長

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