「二次救急はレベルがさまざま」 ─ 4000億円は地域の中核病院へ?
■ 「総合的な入院・救急体制でも周りに受け手がない」 ─ 邉見委員
[邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)]
(前回改定の影響について中医協の)「検証部会」(が実施した調査の)フリーコメント(自由記載欄)の中でですね、やはり総合的な入院体制、救急体制をやっていても周りに(連携する病院がない地域では)......、治癒・逆紹介率が(総退院患者数の)40%以上という(厳しい算定要件)......。
あの逆紹介......、周りに......、「地域(連携)クリティカルパス」の(議論の)ときにも申し上げましたが、周りに(退院患者の)受け手がない所が割とあるんですね。
たぶん鈴木先生の所、(茨城県がゼロなのは)そういうところも(原因として)あるんだろうと思うんです。いろんな意味で、あの40%というのは厳しいんじゃないかというのがフリーコメントの中にたくさんありましたので......。
またほかの所で、確かにいろいろ(評価を)考えていただいてますのでこれ以上申し上げませんけれども、ちょっと、(総合入院体制加算の要件緩和などを)考えていただきたいなあと思います。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
はい、そうするとまあ、恐らく「総合入院体制加算」の要件緩和ということをご要望ということですけれども、40%をもう少し下げたほうがいいのではないか、具体的なご提案になっているわけなんですが......。
ちょっとこの件に関して、ほかの方からもご意見を頂ければ......。要件緩和の方向で複数意見があれば議論を進めていけると思いますけれども......。(鈴木委員が挙手) 鈴木委員、どうぞ。
▼ 西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)、発言する気配なし。
[鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、日本医療法人協会副会長)]
邉見委員がおっしゃったようにですね、うちの茨城で「なぜ取れないのか」を調べてみたらですね......、取るべき病院が一杯あるんですよね......。
県北のほうはやっぱり、産科や小児科がないとか、本当に厳しい状況なんですが、(茨城県内の)中心のような医療資源が恵まれた地域でも(逆紹介率)40%がクリアできないということなので......。
私が言ったのは、地域によって(要件の)解釈が違っていないのかな......、地方の県は厳しく取っているのかなとか、そういうふうに思ったので、ぜひ調べていただければと思います。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
「逆紹介率40%」がハードルとして厳しいのではないかということで......。これはある意味、周りの病院の環境の問題ですので、個々の病院の努力とは若干違うのではないかということですけれども......。
まあ、こういうご主張が2号(診療)側から出ておりますが、1号(支払)側、何かコメントございますか。はい、白川委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「平成22年度診療報酬改定の個別改定項目」を提示 ─ 厚労省
P3 → 「医政局が認めない救命救急センターから壊れている」 ─ 嘉山委員
P4 → 「地域の格差が拡大する」 ─ 鈴木委員
P5 → 「総合的な入院・救急体制でも周りに受け手がない」 ─ 邉見委員
P6 → 「地域にいろんな問題があるが割り切らざるを得ない」 ─ 白川委員
P7 → 「二次救急はレベルがさまざま」 ─ 厚労省課長