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ニュース〜医療の今がわかる

野に放たれた村重直子氏、がんセンター勉強会に登場


 100324tsutiya.JPG 土屋
「混合診療反対の一番の理由は教条主義に尽きるだろう。こうなっているからやっちゃいかんというだけの話。それを破っていけないのは、ご指摘のように、医師の自律がないから。医師総体が国民から信頼されてなかったということで、それを我々医療関係者は反省しないといけない。さっき上君に言われてしまったが、我々は国とのパイプじゃなくて国民とのパイプを築かなければならない。国民の支持があれば、国が何を言おうと気にする必要はない。適応外使用もここ(ロハス・メディカル4月号)に示したように理論武装してくればどんどん使わせたいと思ってた。でも皆が遠慮してやらないので私としては心外だった。問題は、先ほどどなたか言われたようにモニタリングをちゃんとしてないといけない。そうしないと患者さんを危険な目にさらして何か起こってから気がつくということになる。だから、どこでもやっていいという訳にはいかない。竜先生のように昔はこうだったではなくて、今の時代にこういうことをやるには、何を心得ていたら国民に安心を与えられるか、そういうことを考えないといけない。

 データベースについてはIDナンバーがないことに尽きると思う。個人個人が追跡できるようにしていかないと、データベースもバラバラのものになってしまって、お互いに結びつかなければ価値が薄れる。自民党のお金持ちの政治家が隠し預金を心配しなくてよい状況になったので、社民党が昔の社会党の跡を追っているのが気になるが、個人情報をあまりにも言いすぎないようにお願いしたい。

 敵対関係という言葉が出たが、小学校中学校で、赤勝て白勝てでどっちかが正しいというのを言いすぎる。赤のいい所、白のいい所、足したらピンクになる。AとBで争うのでなくてAとBのいい所取りをしてCを作り上げるというようなクリエイティブなディスカッションを皆でやっていくと、あまり敵対しないで済む。

 モニタリングに戻ると、医療現場に厚生労働省は、リスクマネジメントの委縮させるような文書は山ほど送りつけてくる。ところが起こっちゃった時にどうするんだという指示は私が副院長と院長をしていた8年間に1度も受けたことがない。クライシスマネジメントの概念がない。ということは、まさにモニタリングをしていない。普段から起こっちゃった時にどうするか考えてないといけないんだろう。

 皆さんの話を聞いていてつくづく思うのは、我々医療関係者が自律していかない限り、日本の国民が幸せになれないだろうということ。実は、嘉山先生を迎えると決めた以上、過去の責任者は辞めるべきだろうということ。嘉山さんは私に辞令をくれると言ったけれど、私は定年まであと1年しかないので辞令をもらうつもりはないと伝えた。昨日嘉山先生と差しで飯を食って、4月1日に独立法人に移行して厚生労働省の役人が口を出さなくなったところで辞表を提出するのでと伝えて了解をもらった。来週の木曜日にはここからいなくなる。今日がここでやる最後の講演会になる。ただ、足が少し遠くなるけれど実は、4月1日に辞表を受け取っていただいたその足で、癌研へ行って癌研究会顧問の名刺をいただくことになっているので、次回は有明へお運びいただいて、がんセンター何するものぞと、民の立場で今度はお話をしたいと思っている。官の病院での苦労は十分した。これからの苦労は嘉山先生に全て背負っていただいて、私は自由の立場になる。今後とも皆さんのご援助で幅広い勉強会をしていきたい。

 がんセンターの土屋は今日でお別れするけれど、次回からは癌研の土屋ということで。本当に皆さんのご協力のお陰で、何とか厚労省からクビ切りされずに済んだ。辞表を出すと言ったら『3月31日付でいいんだよ』と3度も言われた。独法を見届けてからにしたいということで解雇命令は受けないことにしている。もしそのようなことが起きたら皆さんのご援助で4月1日まで首をつなげさせていただきたい。自分の意思で辞めたい。そうしたら敵は汚くて、依願退職よりも勧奨退職の方が退職金が高くなると言ってきたけれど、何百万円で動く私ではない。その分は皆さんからカンパをいただいてと思っている(会場爆笑)。どうも長いことありがとうございました」

 *ロハス・メディカルwebでは、村重氏をホスト役とした対談を今後随時掲載していく予定です。

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