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ニュース〜医療の今がわかる

がん医療と介護シンポジウム


児玉
「菅原さんにお尋ねしたいのは、がんの末期になって口からものが入らなくなった時の点滴のあり方、胃ろうなんかも問題になっているが、考えて行くうえで何がポイントになるだろうか。浮腫があったりとか、どういう状態でもできるのか、お聞かせいただきたい」

菅原
「点滴に関しては、私は看取りに特化してお話をさせていただく時には、我々の業界ではドライにしていく絞って行くという言い方をするようになっていて、どんどん点滴を入れて浮腫ができて最後お腹がパンパンになって腹水が溜まって胸水が溜まって内臓が溺れている、そうなると苦しい。そうではなくて絞っていく。点滴という形で血管から輸液すると体が必要としない水分もどんどん入ってしまう。しかし皮下輸液であれば体が必要な分だけ吸収する。血管を確保しているわけではないので漏れることもない。ご家族が安心して受けられる。ドライにしていけば、色々な意味でご本人も家族も楽かなと思っている。

胃ろうは、やはり慎重になられた方がよいかと思う。非常に社会問題になっていて、本来はお家に帰れる人、特養に行ってもらわなければならない人が、療養病床を占めている。全部が胃ろうの患者さんだけになって、お医者さんたちもとても困っている。

もっと柔軟に仕事ができるような議論をすることが大切だと思っている。国は財源の方からしか話をしない。お金がなくても、もっともっと知恵を出せばできることはあると思うのだが、国はなかなかそういう考え方をしない。コミュニティをきちんとつくるべきとずっと訴えて15年来ているが、国としては介護保険スタート当初の囲い込みはいけないと言っていたのが、たぶん今度は囲い込みがよろしいという方向性になりそうだ。訪問看護ステーションも日本中に星降るほどの地域密着のかかりつけナース、ご近所づきあいできる人が街の中にいてほしいと思っているが、4月に看護協会は大規模化が望ましいと結論をを出したので、街に1個大きいものがあればよいという考え方になっていくだろう。でも、まだ全国の47パーセントの市町村には、まだ1個も設置されてない現実がある」

児玉
「最後に一つだけ、がんになった時に病院をどう探せばよいか」

片木
「よい医療機関を見つけるのは難しい。それよりも一度通ってみて思ったような病院じゃなかった時にどうやって転院するかの方が大事。実は患者さんからの相談でも一番多い。転院したいと言った時に、担当医がふざけるな俺のことが信用できないのかというようなことがある。そういう時に、どういう方法で転院させるのか、ありとあらゆるノウハウを持っているのでお手伝いできる形にしている」

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