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ニュース〜医療の今がわかる


岡野
「私は細胞を使いまして再生治療をしているということで、今まで20世紀にできた医薬品の開発が今の製薬産業の主流になっておりますが、バイオ医薬品というのが出てきて、依然対症療法の域を出ておりません。21世紀は、こういう患者を根本的に治療するようなことが必要だろうと考えておりまして、そのためには従来の医学に加えて、バイオロジーとか工学的なテクノロジーを一体化するような横断的な各領域を越えた取り組みというものが必須になってきている。この仕組みこそが重要だというように考えておりまして、新しい体制を作りながら、ヒトと仕組みを創りながら、全く新しい治療を日本から世界に発信していけるような仕組みを作っていきたいと考えております。よろしくお願いいたします」

田中
「島津の田中です。よろしくお願いします。2002年、8年前になりますが、あの受賞以来、本当に皆様からのご期待の大きなものを、それにオドオドしながら、本業としての島津での研究開発を行ってまいりました。そうした中でも例えば、総合科学技術会議基本政策の委員として、今、日本での問題点あるいは可能性そういったものを学びながら意見を述べさせていただきました。

そういった中で学んだことの一番大きな点は、日本の中に、世界に誇る研究者、モノづくりに長けた技術者、そしてこういう行政を預かる人々、こういう優秀な人々が本当にたくさんいらっしゃることが分かりました。ただし、それがうまく働いていない。産学官の連携がシステムが残念ながら不十分、そこが一番問題かなと感じました。そういった点で、最先端の研究開発支援プログラムを受けさせていただき、そして医学や化学に役立つシステムを開発している最中です。今行っているこのプログラムは4年間です。でも、それだけでは十分、貢献できない。今おっしゃられたように10年20年50年、常に改善していかなければならない。そういうことで今回こういうことをお引き受けいたしました。

振り返ってみますと、少しここからは私事なんですが、30年前、私が島津という会社に入社面接を受けた時に、どういった仕事をしたいかという風に言われました。島津という会社は実は100数十年前にレントゲンがX線を発明して翌年に1年足らずで、この装置と言いますか、現在京都大学になっています所の先生と共同、産学連携でX線の装置を開発し上市したという歴史を私も知っていましたので、私も迷わず医学、医療機器の開発に携わりたいという風に申し上げました。その希望は見事に裏切られました。今、分析計測という装置を造っているんですが、結果として医学や薬学に役立つことができたことは嬉しかったと思います。そういった初心と言いますか、をもう一度思い起こし、かつこれまでの経験と言いますか、そういったものを生かしながら、もう少し広い視野でこういう医学、医療イノベーションに何か貢献できればなと考えております。よろしくお願いします」

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