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なぜ、医師を増やすの?

医学部定員検討会12月22日.jpg 医師不足だから医師を増やす。医学部の定員を増やす、医学部を新設する。答えは簡単......だろうか? (新井裕充)

 文部科学省は12月22日、「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」(座長=安西祐一郎・慶應義塾学事顧問)の初会合を開いた。

 冒頭の挨拶で、鈴木寛・文部科学副大臣がライフ・イノベーション(医療・介護分野革新)の重要性を強調。その後、各委員がそれぞれ意見を述べた。

 同検討会の最終ゴールは医学部の定員増か、医学部新設か、海外大学の誘致か、それとも現状分析にとどまるのか、同日の議論からは見えない。ただ、医師の増員をめぐる論点はほぼ出尽くした感がある。

 「本格的な人口減少時代に入った」と言われる中、医師を大幅に増やすべきか。医師増よりも、まず偏在を解消する手立てはないか。いったん増やした医師は簡単には減らせないが、それでいいか。

 もし増やすとした場合、どの程度の増員を考えるのか。その方法は何か。医学部の定員増や新設など、あくまでも「官製」にこだわるのか、社会人に医師への道を開く「メディカル・スクール」では駄目なのか。

 出席した18委員らの発言について、詳しくは2ページ以下を参照。
 

【目次】
 P2 → 「日本が医療分野で世界に貢献し名誉ある地位を」 ─ 鈴木副大臣
 P3 → 「世界最高水準の医療を続けていくために」 ─ 安西座長
 P4 → 「医師数は年々増えている」 ─ 厚労省医政局
 P5 → 「医師が何人働いているんですか?」 ─ 山本委員
 P6 → 「現在の医学部定員は限界に達している」 ─ 矢崎委員
 P7 → 「地域医療が崩壊している」 ─ 中川委員
 P8 → 「新たな医学部を立ち上げた方が早い」 ─ 今井委員
 P9 → 「医師のアロケーションの問題が大きい」 ─ 片峰委員
 P10 → 「今の医療資源をどう有効活用できるか」 ─ 栗原副座長
 P11 → 「現在のOECD平均3.1人を超える時代が来る」 ─ 黒岩委員
 P12 → 「福祉的な面の医療が不足している」 ─ 桑江委員
 P13 → 「すぐ医師を増やすか医療全体から考えて」 ─ 坂本委員
 P14 → 「基礎研究に入ってこられる環境づくりが大事」 ─ 妙中委員
 P15 → 「医薬品の研究開発に医師が必要」 ─ 竹中委員
 P16 → 「様々な病院を循環できる制度づくりを」 ─ 丹生委員
 P17 → 「医師の業務拡大という広い意味で考えて」 ─ 永井委員
 P18 → 「医学部の新設は到底あり得ない」 ─ 中川委員
 P19 → 「既存の医学部を強化していく」 ─ 中村委員
 P20 → 「精度の高い調査を目指すことが必要」 ─ 西村委員
 P21 → 「粗製濫造、青天井の医師養成になってしまう」 ─ 濱口副座長
 P22 → 「周辺領域と合わせて定員の議論を」 ─ 平井委員
 P23 → 「モデル事業として新しい構想の医学部創設も」 ─ 矢崎委員
 P24 → 「若手の研究者が非常に少なくなっている」 ─ 山本委員
 P25 → 「ジグゾーパズルを全部はめ込んで絵にする」 ─ 安西座長
 P26 → 「アジアの若者を日本が育成する視点を」 ─ 鈴木副大臣

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