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ニュース〜医療の今がわかる


--以前の検討会で中村先生たちは、米国のNIHのように予算を握って予算を配布するような所まで言っていた。今回のこの組織はそこまでできないと考えているか。

中村
「当面のものとしてはバーチャルなNIHのようなものを考えていて、特に医療の分野に関してはその方向で持っていきたいと考えているところです。今、今日明日で何ができるというわけではありませんけれども、第一弾目のゴールとしてはバーチャルなNIHのような組織をつくることを考えておりますし、最終的に10年後になるか20年後になるか分かりませんけれど、日本版NIHそのものを創るということができれば、この分野の発展にさらに寄与できるんじゃないかというように考えていますけれども、そこまでは現在できるとも何とも言えない状況にあります」

--3点。どういう分野からどういう順番というようなイメージを持っているか。2点目。たとえば再生医療などの場合、色々な指針が規制になって、色々な所で枷になっているとの議論があるが、規制や指針のありかたをデザインしていくようなこともイメージを持っているか。3点目。先生のイメージでは、日本は今世界の何位ぐらいという印象か。

中村
「何位というのは、なかなか難しいですけれども、少なくともがんの分野では新しい分子標的治療薬というのがFDAで20数品目承認されていますけれども、日の丸印のものが一つもない。その点からは順位の付けようがないくらい、新しいがんの薬の開発は遅れている状況です。

当面の重点分野ですけれども、これは1回目の医療イノベーション会議でも出ていたと思いますけれども、医薬品に関してはがんを中心にやっていき、もう一つのテーマとしては認知症などが考えられる。それから医療機器の開発というのが遅れていますから、医療機器に関しては、体内用と体外用と両方ありますけれども、それは二つかなり違うと思いますので、どこからが手を着けやすいのかということも検討しながら、素早く手を打てる所から取り組んでいきたいと考えておりますし、再生医療に関しましては、岡野先生は既に積極的にやられておりますけれども、やはり日本でやる際のルールづくり、単に指針とかガイドラインというのではなくて、要するに保険収載されるような形で承認を得るために、やはり新しいコンセプトのものを今までのルールでやるのはかなり厳しい状況になっておりますので、ルールに新しいものを合わせるのではなくて、新しいものに合ったルールを作り上げていきたいというように思っています。

もう一点がゲノム医療でありますけれども、やはりゲノム情報が遅くとも10年後には、かなり一般的に利用できるような状況になってきていると、その場合にどんな形でゲノムの情報を利用して進めていくのか、特に効果の予測や副作用を軽くするための診断というものはかなり急速に進んでいますので、その場合にはITのインフラも含めて整備していかなければなりませんし、日本で弱いインフォマティクスの分野も強化していかなければならない。それはもう国家戦略的に10年後、20年後を見据えて戦略を作り上げて一つずつ落とし込んでいくという作業が必要だと思いますので、そういうことも考えていきたいという風に思います」

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