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DPC病院を「A」「B」「C」......に格付けか

■ 「いくつかの医療機関群に分類したらどうか」 ─ 厚労省
 

[保険局医療課・迫井正深企画官]
 基本的な考え方を3つのポイントでまとめています。

1. 基本的な考え方

 先ほどの「議事概要」でご紹介したことと、ほぼ繰り返しになりますが、簡単に申し上げます。

 1つ目は、(DPC/PDPS)制度に参加した時点での(最初の出来高点数と包括点数との差の)乖離の維持、これは廃止するんだと、こういうことでございます。

 2つ目のポイントは、(これまで調整係数が果たしてきた円滑運営のための)バラつきへの対応や、(DPC参加への)インセンティブについては基本的に、今後の見直しの中では維持していく。

 3つ目のポイントとしまして、具体的な調整の方法論としまして、「施設特性の反映」、「一定幅の設定」を考慮すると、この3つが基本的な考え方でございます。それを踏まえて、具体的な対応案を3つお示ししております。

2. 具体的な対応(案)

 (1) 基礎係数の導入
 包括範囲の診療報酬のうち、現行の「機能評価係数Ⅰ」あるいは「機能評価係数Ⅱ」で評価しきれない、あるいは「調整係数」全てを「機能評価係数Ⅱ」に置き換えることができない、ということが縷々、前回ご議論いただいた中でご指摘いただきました。

 ▼ 「この機能はどうか」「こんな機能もある、あんな機能もある」という議論はもうやめようよ、ということ。それはまあそうかな~という気もする。2年以上やっても結論が出なかったわけだし......。

 「全てを置き換えることはできない」という前提でもって、基本的な診療機能に対する診療報酬算定のためのファクターがやっぱり要るのではないかということで、それを「基礎係数」という形で算定したらどうかということでございます。

 ▼ 「基礎係数」という言葉は09年11月30日の分科会で初めて示された。その際の資料はこちら。これを見る限り、やはりガラガラポンなんだろう。

 (2) 診療のバラつきへの対応
 2点目は、「バラつきへの対応」でございます。まず、「一定幅」を導入したらどうかということ。病院ごとのバラつきを一定程度、やはり吸収する必要があるとすれば、医療の効率化の進展を適切に反映させる観点も含め、包括評価に「一定幅」を設けたらどうか。こういうことでございます。

 ▼ 説明している企画官は分かっているはずだが、私にはわけわからん。

 もう1つ、「施設特性の反映」については......。

 現在、様々な1390病院がDPC/PDPSに参加しております。様々な規模と言いますか、特性を持った施設が入っているということが1つの論点だということを前回もご議論いただきましたので、これ(施設特性)を反映させるために、いくつかの医療機関群に分類したらどうか。

 例として、例えば、「特定機能病院群」とかですね、今後検討して(それぞれの医療機関群ごとに「基礎係数」を)設定するということですが、いくつかの「医療機関群」に分類しまして、それぞれの「医療機関群」ごとに「基礎係数」を設定してはどうかということ。

 繰り返しになりますが、具体的な医療機関群の設定方法は今後検討する必要がある。

 その際にですね、過去の......、と言いますか、(DPC)制度参入時点での乖離の調整をずっと引きずるということは廃止するという意味も込めまして、基礎係数の算出は効率化の進展を適切に反映するため、直近の診療実績......。

 「直近」というのは、改定前2年間分の出来高実績データ。これに基づいて「医療機関群」ごとの平均値を算出するという形でどうか、ということでございます。

 (3) DPC/PDPS参加へのインセンティブの確保
 最後に3点目ですが、DPC/PDPS参加へのインセンティブを確保するということでございます。このインセンティブについては、「調整係数」を(機能評価係数Ⅱに)置き換えていく中で「基礎係数」を導入したらどうかということ。

 それから、既に導入されている「機能評価係数Ⅰ・Ⅱ」とのバランスから考えまして、次のように全体を整理したらどうかということでご提案しております。

① (新)機能評価係数Ⅰ
 医療機関の人員配置や医療機関全体として有する機能等、医療機関単位での構造的因子(Structure)を評価する係数として、全て出来高評価体系における点数設定を元に設定する。
② (新)機能評価係数Ⅱ
 基礎係数及び(新)機能評価係数Ⅰの考え方とのバランスも踏まえ、診療実績や医療の質的向上への貢献等に基づき、医療機関が担うべき役割や機能を評価する係数をインセンティブとして設定する。その際、医療機関群の特性に応じた項目の設定も含め、その内容及び配分について、今後検討する。
 新しい整理として、「機能評価係数Ⅰ」と「機能評価係数Ⅱ」をこのように再整理したらどうかということでございます。

 すなわち、見直し後の「機能評価係数Ⅰ」としては、医療機関の人員配置や医療機関全体として有する機能など、医療機関単位での構造的因子を評価する係数として、基本的には出来高の評価体系において設定されている点数を係数化するという対応の性質のものが「機能評価係数Ⅰ」と整理したらどうか。

 ▼ わからん......。「役人はこんな説明をしている」ということを知っていただきたくテープ起こしをしているが、もう寝ようかな~という気分になってきた。私は医療者ではないので、こうした説明を現場の医師らがどう思うのか知りたいが、忙しい中でこんなものをわざわざ読む暇はないかもしれない。そうすると、「ここがおかしいよ」ということを果たして誰が指摘するのだろう。

 「機能評価係数Ⅱ」は、「基礎係数」、それから「機能評価係数Ⅰ」の考え方とのバランスを考えまして、むしろインセンティブとして、明確にこれを評価して設定したらどうか。

 それはすなわち、診療実績や医療の質的向上への貢献など、医療機関が担うべき役割や機能を評価したというものでインセンティブとして設定する。

 ▼ 今後は「インセンティブ」にするという意味だろうか。現在の「機能評価係数Ⅱ」の1つである「データ提出係数」は、「データ提出の遅滞については翌々月に当該評価を50%・1ヶ月の間、減じる」、「部位不明・詳細不明のコード使用割合が40%以上については当該評価を5%・1年の間、減じる」という評価方法になっている。「インセンティブ」ではなく、「ペナルティー」に近い。

 その際、「医療機関群」の特性......。これはもちろんご議論あるのですが、例えば、特定機能病院で求められる、あるいは期待されるような医療の役割・機能と、病床数が比較的小規模、あるいはケアミックスのような地域に密着した形での医療機関に求められる機能・役割は必ずしも明確に同じである必要はないのではないか、ということも考えられますので、そういった「医療機関群」の特性に応じた設定の検討も含めて、今後、内容、項目について検討したらどうか。

 ▼ 医療課の鈴木康裕課長もこうした言い回しを連発する。例えば、「検討するかどうか検討してはどうか」、「○○という考え方もある、とすれば、どのように考えたらよいか」など。そのため、他社の記者らと「見出しが取れない」「カギ括弧で抜けない」などと嘆くこと多し。

 最終的には、2ページ(の図)、カラーでお示しをしております。イメージとしては......、「機能評価係数Ⅰ」「機能評価係数Ⅱ」、それから、「基礎係数」......。
調整係数見直し後0113.jpg 「基礎係数」については、「医療機関群」ごとに設定、算出するという形でどうかということ。こういうご提案でございます。事務局からは以上でございます。

 ▼ 意見交換では、「激変になるのではないか」との懸念も示されたが、何らかの基準で全DPC病院をいくつかにグルーピングすること自体は了承された。今後は、どのような「医療機関群」を設定するかが焦点になるだろう。
 ちなみに、昨年6月30日の資料(機能評価係数Ⅱの考え方の整理)では、「高度・先進性」「地域における基本診療機能(4疾病等)」「重症者診療機能」「政策医療機能(5事業等)」が挙げられている。

 
 
 (この記事へのコメントはこちら


【目次】
 P2 → 「病院を類型化して基礎係数を設定する」 ─ 厚労省
 P3 → 「今回で基本的な部分の区切りを付けたい」 ─ 厚労省
 P4 → 「いくつかの医療機関群に分類したらどうか」 ─ 厚労省

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