村重直子の眼18 古川勝久・安全保障/危機管理専門家(下)
村重
「今回もそうでしたが、これからもっとインターネットが普及するでしょうから、被災地入りした方々や被災者の方々がインターネットにアクセスできれば、外にいる人たちがかなり情報処理できます。例えば今回の地震医療メーリングリストのメールを読むだけでもかかりきりになるじゃないですか。自衛隊の中でも情報を読んで処理するだけのかかりきりの人間が何人か必要ですよね」
古川
「人員はいると思いますよ」
村重
「そういう体制や窓口を自衛隊に作ればいいんですよね。ここに連絡してくださいという窓口だけ作ればよくて、電話対応でもいいですけど、電話に対応しきれないならインターネットだけでもいいですし。送ってくれたら読みますという体制、国民から連絡できる窓口を作ってくれるだけでも随分違いますよね」
古川
「そうですね。これまでの災害対策の一番の基本として、現地の地方自治体から要請が来るのが最大の前提になっていましたが、今回はそれでは全然対応できない状況だったわけです」
村重
「自治体から要請できるような状態ではなかったですよね」
古川
「そうなんです。だからそこを見直さないと。おそらくこのような見直し作業はすでに始まっているとは思いますが、次に『じゃあどうするのか』という課題がこれからまた検討されてゆく必要があります。その段階で医療コミュニティがどういう活躍を初動でされていたのか、といった情報を自衛隊などと共有することが重要と思います。医療の人たちを官の指揮下に置こうとかそういうことじゃないんですよ」
村重
「厚労省、文科省や内閣府が入って来なければ、それはそうなんでしょう」