青森県下北圏域における地域医療に関する取り組み
■ 医師確保のための将来ビジョン
【むつ総合病院・小川克弘院長】
これまでの経緯をみまして私なりの考えなのですが、現在医師不足が非常に大きな問題になっています。
不足ということは足りないことであるわけですから、絶対数が足りないのですから、充足させればよいわけで、そのためには医師をつくるしかないと思います。
医師のつくり方ですが、いま必要とされるのはいわゆる「かかりつけ医」、一般医、総合医というもので、これまでの医学教育、医者づくりの中ではそちらのほうはほとんどなされてきませんでした。
専門医の養成はこれまで通り必要ですけれども、これからの医師づくりにおいては、一般医をつくっていく必要があるだろうと思います。これは文部科学省の分野かもしれませんが。
医師を有効利用するということは、医師の負担を軽減させる。医師をどんどん使っていくことが大事だと思いますが、医師でなければならない仕事はかなり限られていると思うのです。
そういうことでスリム化していくことが必要ではないか、ですから認定看護師、専門看護師、あるいは技士等にどんどん委譲していく。
医師が医師としてやらなければならないことは、医師でなければできないこと、例えば診断、治療方針を立てる、高度な技術的な面でのことなどがあると思いますが、そういうところにもっていくようにすればいいのではないか。
そうするには現在の医師法を改正していかなければならないと思います。大臣が記者会見で言われておりました「医療体制の革命的な変革が必要だ」とおっしゃっていましたが、まさにそれはこのことではないかと思います。
予防医療政策を一層強化するということも必要ではないかと思います。なかでも、がん、心筋梗塞、脳血管障害などの予防策は重要で、その1つ「タバコ問題」が大きく関わっておりますので、これは本腰を入れて取り組むべきではないかと考えます。
もう1つは、命にもっとお金をかける、そのことを国民的なコンセンサスとしていく必要があると思います。以上です。
▼ 質疑応答は議事録を参照。
【目次】
P2 → むつ総合病院の地理的・社会的背景
P3 → 下北地域における医療環境
P4 → 出生数の推移、高齢者の割合
P5 → 分娩機関、産科医の年齢構成
P6 → 下北地域における小児科医の分布
P7 → 下北圏域における医療体制の特徴
P8 → 下北地域における医療機能再編
P9 → 県と下北地域のコラボレーション
P10 → むつ総合病院の概要、取組
P11 → むつ総合病院の基本理念
P12 → 医師確保のための将来ビジョン