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あなたの悩みにお答えします⑥

診察の時、訊きたいことがまとまりません。主治医とどんな風に話したら良いでしょうか?
答える人 脇美穂子さん(30代女性 1型糖尿病)
聞き書き 武田飛呂城・NPO法人日本慢性疾患セルフマネジメント協会事務局長
 体調の変化を感じたり、気になることがあったりして、次の受診で訊こうと思っていても、いざ主治医を目の前にすると言えなかったという経験、私も何度もしたことがあります。受診の前に、いくつかの準備をしておく必要がありますね。

 私は22歳のとき、1型糖尿病を発症しました。当時は大学4年生で、卒業論文も書き終え、社会人になる直前のことです。

 1型糖尿病は、自身の免疫がインスリンを作る膵島を誤って攻撃、破壊してしまい、インスリンを作り出せなくなってしまう疾患です。インスリンを作れなくなると、食べた物の糖分を体に取り込むことができず、血糖値の高い状態が続いてしまいます。このため、治療には、自身の血糖値の状態を見ながら、毎日数回のインスリン注射か、ポンプによるインスリン注入などが必要になります。

 1型糖尿病では、血糖を見ながらインスリンをどれくらい使うか、自分で決める必要があります。また、同じ量のインスリンを使っても、体調や食べたものの違いなどで、日によって効き目が違い、最初の頃は特にコントロールに苦労しました。

 発症当時、あまり血糖のコントロールがうまくいかず、病院では主治医に怒られてばかりでした。でも、私も一生懸命やっていましたし、どうしたらうまくいくのかが分からないのに、怒られてもどうしようもありません。今から考えれば、調節のコツややり方を訊けば良かったのかもしれませんが、当時は不信感が先に立ってしまい、主治医とはうまくコミュニケーションが取れませんでした。

 その後、1型糖尿病の患者会があることを知り、参加するようになりました。そこでは患者同士、普段どんなことに気をつけているか、具体的な方法を聞くことができました。

 その頃、主治医は変わっていて、新しい主治医に「患者会でこんなやり方をしているという人の話を聞いたんですが......」と訊いてみました。すると、医師からも具体的なアドバイスをもらえて、自分にあった方法を手探りで探していけるようになりました。

 また、普段から測っている血糖値を受診の前日に見直し、まとめ、前回の受診からの状態を振り返るようにしています。すると、最近の体調や、普段の生活の中で気になっていたことを思い出して、主治医に話したいことが出てきます。話すことは、体調のこともそうですが、例えば年末で忙しかったとか、仕事でストレスがかかっていたとか、日常生活のことも伝えるようにしています。生活状況も知ってもらった方が、主治医もアドバイスをしやすいかなと思っています。

 自己管理がうまくいったと思った月は、主治医に「今月は検査結果も良かったでしょ?」と訊いてみます。もちろん、そういう時は実際に検査結果も良いことが多いですが、時折、検査結果はあまり良くない時があります。すると、自分の認識と体調のずれを確認することもできます。それで次の月は、どんなことに気をつけようかなと思うこともあります。

 私は、大体自分から話をするタイプなので、主治医と話す時も、主治医から訊かれる前に自分のことを話しています。それは、自己管理があまりうまくできなかったと思う月も同じようにしていて、自分にとって都合の悪いことも、隠さず話しています。受け身にならず、どんどん話していけば、主治医も様々な話をしてくれます。主治医を良いパートナーとして付き合っていけたら良いのかなと思います。
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