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あなたの悩みにお答えします⑧

難病治療を受けていますが、なかなか共感してもらえる場所が少ないです。どうしたら良いでしょうか?
答える人 近藤健一さん(30代男性、シルバーラッセル症候群)
聞き書き 武田飛呂城・NPO法人日本慢性疾患セルフマネジメント協会事務局長
 共感してもらえる場所が少ないというのは、とてもつらいことですよね。お悩みお察しします。私も、今も色々な先輩や仲間たちのお話をうかがいながら模索している最中ですが、精いっぱい考えてお答えしたいと思います。

 私は、シルバーラッセル症候群(SRS)という難病を持っています。SRSは発育不良や骨格の左右非対称などの他、人によって多様な症状が現れます。日本では500~1000人程度しかいないと言われる珍しい病気で、根本的な治療法は見つかっていません。

 幼い頃は、周りに同じ病気の人はおらず、この病気に特化した専門医もいない状況でした。幼稚園や学校に通うようになって、仲良くしてくれる友だちもたくさんいましたが、なかには「なんで小さいの?」などと陰口を言う人もいて、傷つくことがありました。

 私は、常に「普通とは違う」という気持ちを感じ、心の奥で疎外感を感じていました。周りの支えもあり、前向きに生活してきましたが、いわゆる「普通」の人とは違うという現実に、いつも直面しました。その中で「配慮はしてほしいけど特別扱いはしないでほしい」や「助けてほしいけど、哀れみは受けたくない」など、矛盾する気持ちも抱えていました。他の人と本当の意味で共感できず、孤独を感じていたのだと思います。

 そんな私を変えてくれたのは、様々な病気を持つ人との出会いでした。2010年にインターネットで調べものをしている時、慢性疾患セルフマネジメント協会の活動を知りました。セルフマネジメントの方法を知れば、自分が感じている困難に対処することができるかもしれないと思い、参加すると、違う病気を持つ人でも同じような悩みを抱えていると知りました。また、気持ちが落ち込んだ時の対処法なども学べて、少しずつ病気に対処する仕方を身に着けることができました。

 今振り返ると、同じ病気だからといって共感できるとは限らないと感じます。病気が同じであっても、生い立ちや価値観は多様です。共感し合うためには、相手に分かりやすく伝えるために、自分の中での気持ちの棚卸しというか、気持ちの準備体操のようなものが必要かなと思います。

 でも、この作業は大変なことです。一人でするのが難しければ、難病相談・支援センターの相談員さんや、病院のカウンセラーさん、保健所の保健師さんなど、こんがらがった心の糸を解きほぐす手助けをしてくれるサポーターはたくさんいます。また、病気の人の集まりがあるようなら、参加してみるのも一つの方法と思います。

 私は、慢性疾患セルフマネジメント協会のワークショップに参加してから「難病・慢性疾患全国フォーラム」や「レアディジーズデイ(世界希少・難治性疾患の日)」など、難病に関する様々なイベントに参加するようになりました。私は、こうした場に、自分だけでなく、気持ちを分かってもらいたい家族なども連れて行くようにしています。自分で説明するのは難しくても、他の病気の人やサポートしてくれる人たちを見てもらうと、何かを感じてもらえることもあります。

 最後に、どうしても共感できる仲間が見つからなければ、今日の自分の思いを書き留めておくという方法もあります。私もそうしてきました。書き留めたノートを見返すと、1カ月前の自分、1年前の自分の思いと今の自分が共感できるのです。その繰り返しが、いつか共感し合える仲間と出会うための準備につながっている、そのように感じます。
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