ADR講座(2) |
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投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2007年03月12日 23:55 |
昨日挙げた民事訴訟の5つの欠点のうち
前2つと後ろ3つとは
同時に解決することの難しいものであることにお気づきでしょうか。
前2つに関しては
類似判例を当てはめて賠償額を決定する
簡易裁判型(裁断型ADR)にすることによって解消されます。
しかし後ろ3つは簡易裁判型ではうまくいきません。
また過失の有無などが争点になった場合に
誰がどのようにジャッジするのか
(ジャッジできるのか)
という問題も残ります。
後ろ3つに関しては
医療知識を持つ中立の人材が当事者同士の話し合いを主宰し
当事者に納得いくような調停案を導き出させる
「対話型ADR」で解消されるのでないか、と考えられています。
このADRに関しては、また後日改めて説明します。
とにもかくにも
有害事象が発生した時
裁断型を欲するのか対話型を欲するのか
まず患者側の希望を聴取し
医療機関から見てその希望が妥当であれば
ADRに調停を委ね
医療機関が忌避した場合か対話型ADRで決裂した場合に訴訟という
二段階処理が今後主流になっていくと思われます。
コメント
>医療知識を持つ中立の人材
つまり、「医療メディエーターと
言われる紛争解決促進技法を習得した中立第三者」
私は、難しくて理解できないので、ただこの医療専門職は将来の医療紛争のキーパーソンになるのではないかと漠然と思っていて、とても興味深いのです。
後について勉強させていただきたいと思います。
>医療知識を持つ中立の人材
真木さまと同じところに反応してしまいました。
先日、ANAの(見事な)胴体着陸の報道に、事故調査委員会の見解が引用されているのを見て、”なぜ医療に関しても、同様のシステムが採られないのだろうか”と思ったところでしたので。
ADRについて、このブログで勉強させていただいてます。
>真木様、Teapot先生
コメントありがとうございました。
本家本元(私が勉強させていただいている相手)の和田仁孝・早稲田大学教授が
今日からMRICメルマガにて連載するらしいので
とりあえずそちらを転載し
なお分かりづらい部分について論点整理しようと思います。
しばしお待ちください。