議連発足記念・真の公聴会

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年04月13日 09:43

医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟のシンポジウム。
恥ずかしながら、初めて日比谷公会堂へ入った。


午後5時半の開場前から100人ほどが列を作り
歴史的イベントのような雰囲気をプンプン漂わせる。
最終的には一階席がほぼ埋まり、二階席にも入っていたそうなので
来場者は1000人を少し超えるくらいだろうか。


出席した国会議員は、壇上に上がったのが
五十音順に
尾辻秀久会長、塩崎恭久副会長、鈴木寛幹事長、世耕弘成幹事長代理、仙谷由人会長代理、西田実仁副幹事長
会場にいたのが
足立信也事務局次長、逢坂誠二代議士、小池晃幹事、萩生田光一事務局次長、橋本岳代議士。
週末は選挙区回りをしなければならないという常識からすると
特に壇上に上がらず会場にいた代議士(参院議員はともかく)は
本気で医療に取り組もうとしていると思ってよいだろう。


盛り沢山の内容なので、当方も駆け足でご報告する。


尾辻会長挨拶
「週末の貴重な時間にこんなに大勢の来場者がいてビックリしている。それだけ医療現場の危機を現しているのかなと思う。お産難民、麻酔医不足、訴訟リスク、萎縮医療、地域医療とキリがない程いろいろな問題がある。国会議員もこのまま何もしないわけにいかないと思って議連を立ち上げた。本日は様々な立場から率直な意見を伺いたい」


舛添厚労相のメッセージが代読され、意見陳述がスタート。


網塚貴介・青森県立中央病院総合周産期母子医療センター新生児集中治療管理部部長
「当院でも医師不足は深刻で4人で24時間365日診療にあたっており、私自身年100回近い当直をこなしている。が、今日はその話ではなくNICUにおける看護体制について話をしたい。スライドの写真は『一人飲み』と呼んでいるもので、看護師があまりにも多忙なために抱っこして授乳することができなくなっている。なぜこのようなことになっているかというと、新生児を扱う病棟に看護師の配置基準がないから。厳密にいうと狭義のNICUは3対1になっているのだが、NICUから出た後の回復期病棟は成人の配置基準と同じになってしまう。結果として、1人に1晩で9人〜10人受け持つのが常態化しており、中には15人受け持つような病院もある。回復期だからよいではないかと思うかもしれないけれど、実際にはNICUが慢性的にベッド不足なために、本来ならまだNICUに入っていなければならないような人工呼吸器管理下の乳児もどんどん回復期病棟に押し出されている。このような状態で安全に看護できないのは明白である。実際、10数人受け持ちの看護婦がうつぶせ寝させていて突然死に遭遇し、その後で有罪になるような事案もあった。同じ乳児を預かる保育所では児童福祉法施設最低基準で保育士1人あたり受け持ち乳児が3人までに制限されているのと比べてもあまりにもアンバランスだ。全国の赤ちゃんの声なき声を代弁して、せめて抱っこして授乳できるようにしてほしい」


有賀徹・昭和大学病院副院長(日本救急医学会理事)
「いわゆる救急たらい回しで救急隊が困っているという話が多く報道されているが、本当に困っているのは患者さん。その原因は3つ。まず、搬送しようとした病院が処置中であるというもの。これは要するに需要を満たすだけの供給がないということで、高齢化が進んで搬送は増えているのに、病院は増えていないのである意味当然である。次にベッドが満床であるというもの。これは急性期病院から次に行く病院がなければ流れができないのだから、要するに地域全体の医療が足りないということ。最後に最も深刻なのが、搬送しようとした病院が手に負えないと断るというもの。これはある意味、患者さん側が専門のドクターでなければイヤだ、専門外のドクターで悪い結果が出たなら訴えるというのと表裏一体の関係にある」


内田絵子・NPO法人がん患者団体支援機構副理事長・NPO法人ブーゲンビリア理事長
「会場の皆さん、この中で医療提供者は手を挙げてほしい」
ザッと見回した限り6割くらいが手を上げただろうか。
「では患者さんは」
1割くらいだろうか。
「国を挙げての重要な会議というからには参加者は50対50が原則と思う。私も声をかけて集めたいけれど、今後はそういう視点で取り組んでいただきたい。陳述人にしても9人のうち2人しか患者側がいない。さて、患者が望むもの。それは医療の安全であり、医療の質である。安心して受けたい、自分でよいと思うものを選択したい。それにはどうしたらよいのか。病院情報、医療情報を開示してほしい。中には不名誉なものも含まれるだろう。それを見たうえで患者が判断できるよう開示してほしい。それから事故を解決するための中立公正な受け皿をつくってほしい。医療者と患者、メディア、政治家とのコラボレーションが必要である。このような会合を継続的に開催していただき、医療者と患者の風通しをよくすることで、誤解も払拭されていくであろう。そのようなコラボレーションの成功例としては、がん対策基本法とがん対策推進基本計画の策定を見本にすればよかろう。受益者である患者が参画したことによって、あのようなものができた。グランドデザインを考える時にも一緒に考えていきたい。次回は登壇者が半々というのを望む。今回は医療提供者ばかりで患者不在を感じた。キーワードは負担と給付。後ほどまた述べる」


この晩の内田絵子さんの発言は医療者たちから評判が悪いようだ。
たしかに若干空回りしていた感はあるが、実は重要なことを言っていると思うので
私なりに解釈したところを補ってみる。
医療費を増やすことで利益を得るのは患者であり医療者である。
対して健常者が大半を占める国民は、自ら予備群であったり家族であったりはするが
単純に言うと、彼らにとって医療より重要なことがある場合
医療費増額は彼らの利益に反する。
そうした人たちの利益代表者である国会議員も多数存在している。
つまり患者と医療者とは、国民全体の中ではマイナーな存在であり
かつ利害の一致する存在なのである。
患者を巻き込まないで、どうやって国民全体に訴えていくつもりだ、と
内田絵子さんは憤っているのだと思う。
それが最後の「ボヤキ」という痛烈な一言に集約されている。


内田健夫・日本医師会常任理事
「わが国は最低水準の医療費で最高水準の医療を提供してきた。皆保険制とか健診の普及とか要因はあるが、何といっても医療従事者の献身で支えてきた。しかし極端な財政優先策によって、危機に瀕している。また患者国民との意識の隔たりも医療従事者を苦しめているだろう。これまでは何とかがんばってきたが、何かあると医療従事者を責める風潮があって危機的になっている。必要な時に必要な医療が受けられることが大前提であるが、御承知のように医師不足であるし、たとえ医師が増えても病院に雇う余裕がない。誰もがお金の心配をせず医療を受けられるのも大前提のはずだが、現実にはそうでなくなりつつある。負担の面でも格差ができつつある。民間の医療保険は米国などの例を見ると、3割が保険会社の経費になっている。そういう保険になってしまってよいのか。それからお任せ医療からインフォームドコンセント重視が言われるようになって、でも患者側が過大な期待を抱いているために医療を萎縮させている面もある」


嘉山孝正・山形大学医学部長
「まず大きな目から。グランドデザインとして医療費亡国論がハバを利かせている。しかし医療と教育にお金をかけない国は衰退するというので、ヨーロッパではずっとお金をかけてきている。日本の医療はWHOの判定で世界最高である。一方何かというとメディアにとりあげられる米国は15位に過ぎない。国民に情報がきちんと伝わっていないので、医療者ともどもお互いに不幸。しかも、それを国際的に見て非常に少ない医療スタッフで支えてきた。現場の医師が疲弊しているのは当然であり、医療にあまりお金をかけずにやってきたのが限界にきている。内田さんが安全と質を求めると言ったが、それを求めるには人とお金が必要である。事故情報などの開示についても、全国80の大学病院では既に始めている。あとは患者家族の救済策を国か日本医師会が作ってくれるとよいのでないか。もう一つ診療関連死の調査委員会第三次試案について述べる。果たして実現可能なのか。あの通りに始まったら、ただでさえ医師不足なのに、患者さんを診るより事故調査をする方に医師が割かれるようになる。そうなった時に誰が責任をとるのか。患者さんを救うと言いつつ、結果がよい方に向かっていかないであろう。正しい情報を国民の皆さんと共有して、裁判によらない信頼関係構築の必要性があるだろう」


黒川衛・全国医師連盟準備委員会代表
「患者さんを救おうとしている医師を救ってください。このままでは必ず医療は崩壊する。この国は医療制度偽装国家だ。守られない医師配置基準、労働基準法違反の長時間労働、なおかつその賃金すら支払われていない。このような医療体制で国民の生命を守れるのか。しかも結果が悪ければ逮捕されるなど、医師不足の中でさらに現場の士気を失わせることが相次いでいる。医師を法的に守ってほしい。せめて先進国並みの医療費を投入してほしい。病院を元気にすれば驚くほどの雇用が生まれる。医学医療立国を実現すれば、他国から人もお金も集まる。医療費は決してムダ金でない。国・国民を元気にするため以下を求めたい。救命活動を行う人への刑事免責、患者遺族支援のための無過失補償制度の創設、これらがセットになると患者家族も医療者も救われる。それから医療機関内の長時間労働を取り締まってほしい」


桑江千鶴子・都立府中病院産婦人科部長
「(前半部はビジョン会議と同じ要約。)産婦人科医だけが年に180人くらいずつ減り続けている。各地で産科崩壊も続いている。どうしてこんなになり手がいなくて、せっかくなってもやめるのか。24時間365日お産というものはあるのに、昼間だけ勤務が前提の定員になっているというのももちろんある。それ以上に医療訴訟によって私たちは心を打ち砕かれている。福島県立大野病院事件だけではない。医療側からするとあまりに不当で対策の立てようもない判例がどんどん出ている。そういう勤務で、どうやって続けていけと言えるのか。日本の司法は国民感情に配慮しすぎだ。生命という偉大な自然現象の前では、人間の貧弱な知識で何とかなることなど本当に少ない。死亡や不幸な結果は絶対にゼロにならない。ゼロにならないからといって逮捕するのか。もし大野病院事件で加藤先生に有罪判決が出たら、うちの病院では分娩取扱いを中止するか、絶対に安全な数まで制限する」
涙声で桑江部長が言った途端に会場から雷のように拍手が湧き起こった。
妊婦を人質に取る発言とも言えるので、状況を知らない人に誤解されることを恐れるが
しかし誤解した人間が吊し上げでもしようものなら本当に辞めてしまうだろう。
やはり追い詰められると人は腹をくくるし
失うもののある人間は、腹をくくった人間に勝てない。
「女性医師が踏み止まってくれるよう、全体の労働環境整備をして、子供を生み育てることのできるようにしてほしい」


丹生裕子・県立柏原病院小児科を守る会代表
「私たちは昨年4月に発足した。市内の病院で唯一小児科のあった県立柏原病院で1人しかいない小児科医が辞意をもらし、小児科がなくなるからということで分娩予約の受付を中止したと新聞報道で知り、このままでは産科も小児科も両方失ってしまうと慌てた。安心して子供を生み育てることのできる地域でありたいと考えた時、お医者さんに頼らなければならない、だったらお医者さんを大切にすること守ることが、安心して子供を生み育てることになるのでないかと思ったのが私たちの活動の原点。それを3つのスローガンに込めて活動してきた。1、コンビニ受診をやめよう、2、かかりつけ医を持とう、3、お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう。このスローガンを乗せたマグネットを作ったり、子供を持たない住民にも地域医療の現状を知ってもらおうとビラを作って配布したりしている。それから賢い親が増えることを願って柏原病院の医師、保健師の監修を受けて『病院へ行く前に』という冊子も作った。私達の活動がどの程度浸透しているかは分からないけれど、柏原病院では昨年の時間外受診
が前の年の4分の1に減ったという。4月から新しく小児科医も2人来てくれることになり、とても嬉しく思う。でも新しく来たお医者さんが疲れてしまわないようにしないといけないと思っている。柏原病院ではお医者さんが増えたので夜間二次救急の輪番に復帰することを検討している。お医者さんに感謝の心を伝えようといったことでお医者さんの立場を思いやる人が増えたと思う。医療は施すもの、施されるものではなく、ともに力を合わせて作り上げていくパートナーのようなものだと思う。柏原病院全体では、大学医局からの引き揚げが相次いで4年前まで43人いた医師がこの春には20人にまで減ってしまった。増えたのは小児科だけ。私たち住民にできることは、丹波で働くのも悪くないかなとお医者さんに思ってもらえるような地域をつくることだと考えている」


久常節子・日本看護協会会長
「最初の網塚先生のNICUの話は衝撃的。一般家庭で1人のお母さんが1人の健常な乳児をみるのも大変なのに。皆さんの言うように医療費が足りないという話はもちろんあってパイを増やせという話には賛成だが、それに加えて医療費の配分も考え直さないといけない。日本の医療の特徴は、入院期間が長く、医師や看護師の配置が少なく、薬の使用量が多い、よく私どもは、多い少ない長いの医療と言っている。このうち人の配置に関して言うと、看護師の受け持ち患者が1人増えるごとに患者の死亡率が7%上がるという研究があるし、また逆に看護師が増えると回復が早く入院機関が短くなるという研究もある。このように看護師を増やすことの効果は明らかであるにもかかわらず、10対1の基準から7対1の基準ができるまでに10数年かかったように、なかなか良くなっていかない。医療費の配分を人の配置に視点を置いてやってもらいたいなと思う。7対1を導入した時には看護師が足りないと騒がれた。しかし本当に足らないのか。日本全国で80万人の看護師が働いている。このうち10万人が毎年離職していく。なぜこんなに辞めていくのか、桑江先生の女医さんの問題と重なる。3交代で夜勤務をしなければならないうえに、超過勤務の平均が14時間40分と一般企業の1.5倍ある。これでは子育てしながらではとても続けられない。緊張を強いられるし、ちょっとしたことですぐ医療事故になる。現在厚労省が音頭をとって、短時間正職員制度というのが進められているが、ぜひ推進してもらいたい」


コーディネーター役の土屋了介・国立がんセンター中央病院院長
「私にあたえられた時間は10分。内田絵子さんが医療関係者が多すぎるということだったので、内田さんの味方をしながら、いくつか聴いていきたい。嘉山先生は医療費亡国論が悪いというけれど、では亡国論が出てから25年間医療者は何をしていたののだろうか」


内田絵
「私も医師に感謝の気持ちを持つということで患者会を立ち上げている。現状を考えると勤務医が週に80時間以上働いているようなことは何とかしなければならない。その目的は何か。医師がプロフェッショナリズムを発揮して、受益者たる患者の利益追求をするということなんだろう。だとすると9人のうち2人しか患者がいないのはどういうことなのか。患者がこういうから大変、クレーム言うから大変ではない。患者の敵は病気であって医者ではない。なぜそう(接続がおかしいのでメモ不備か)なるか。共通目的は再発防止であり、中立公正な開示をして、どうしてというのを、医師のミスなのか、それとも他の医療提供者のミスだったのか、不可抗力だったのか、きちんと出すことが必要。患者は真実を知りたい、隠せば追うというよくない関係になる。医療をサポートしてほしい人材不足を何とかしてほしいというなら、医療の資源配分がどうなっているか開示してもらわないと」


土屋
「私の持ち時間のうち5分を内田さんに差し上げたので、それでフィフティーフィフティーということにしてほしい。ところで、なぜ情報開示してこなかったのだろう?」


嘉山
「資料にもつけたが事故に関しては80大学は昨年9月から基準を設けて開示を始めている。uminという東大にあるサーバーに全情報が載っている。この数年で大きく変化した。山形大では、医療事故を隠蔽した教授が懲戒処分になっている。たしかに取り組みとして遅かったかもしれないが、先ほど土屋先生から医療者を何をやっていたかという指摘があったが、医療者は医療をやっていた。日本医師会がやてくれていると思っていた。国民がきちんと情報を持っていなかったことが問題なので、まず全部出すことが大切だと思う」


土屋
「第三者機関が必要なのか、それともまず各機関が努力すべきなのか」


嘉山
「日本医療機能評価機構には既に報告をすることになっている。あえて、そのうえに事故調をつくって、国の施策としてやるとして、各大学がやっている以外に誰がやるのかという問題がある。方向として正しいことは正しいけれど、現実問題として無理があって、患者さんを診るより事故調査をするようになってしまう。これは脅しでも何でもなくて、法律ができてしまえば、それに従わざるを得ないのだから」


土屋
「医師会は診療所を中心にマネジメントしていたから、病院の変化、社会の変化に合わせて考える努力が足りなかったのだろう。国会議員にしても患者にしても、医療現場から声が上がらないと分からない。労働基準法を守らないといけないという問題は、我々の施設では国家公務員だからということで残業代を払ってこなかったし、臨床医もその実態を訴えてこなかった。それから救急の問題については、後ろに控える全科のバックアップがないと成り立たないのだから、そういう施設が必要だし、なおかつドラマERのように勤務時間外に患者が来ても帰れるようになっていないといけないと思う、ということで私の質問を終わる」


ここから議員による質疑。まず尾辻会長から
「いくらでも質問したいことがあるが、時間もないので、一点だけ内田先生に尋ねたい。厚生労働相の時には大分いじめられたから、その恨みも込めて話をさせていただくのだが、日本医師会の経済財政諮問会議に対する評価を伺いたい」


内田健
「国の将来を考える会であるのに、社会保障と教育の専門家が入っていないことが非常に大きな問題だと考えている。社会保障と教育にお金をかけない国は衰退するというのに、財政の帳尻合わせばかりに終始しているのが不満だ。特に自然増の1兆1千億円を抑制するという方策によって、本当に日本の医療は崩壊の瀬戸際に追い詰められている。誰かが負担しなければならないんだと国民にお知らせしていただきたい」


尾辻
「私の言いたいことを言っていただいた。私から言うと角が立つので、ありがたいことと思う。2200億円これ以上削れと言われたら間違いなく医療は崩壊する。お互いにがんばっていきましょう」


仙谷
「医療提供者側ばかりと注文がついたが、議員は提供者ではないので、そのバランスもあるだろう。現場の生の声が聴けて良かった。前回の議連の会合で、厚生労働省の担当者に医療現場のムチャクチャな違法状態を何とかするような対策を取ったのかと尋ねたら、そんなことは関知するところでないというようなフザケた答だった。診療報酬をつけても勤務環境は変わらないのだろうか。それから中医協では、こういう交代制を可能にするにはというような観点の議論は出ているのか。日医から出ている診療側委員が何か言ったりしないのか」


網塚
「今回の改定で何も変わっていない。私は部長だけれど名ばかり管理職。残業代が出なくなっただけで勤務は何も変わっていない。労働基準法を守るというのは率直に行って難しいかもしれないが、せめて労働時間は把握してほしいと思う。病院としては、知ったらマズイということのようだ」


有賀
「病院そのものの運営原資が診療報酬なのだから、整理すれば良くなるに決まっている。そうならないのは、そうしないから」


黒川
「診療報酬の改定システムは厚労省、中医協、財務相の3者によって行われることになっており、現状では特に財務相の声が大きいのだろう。財務相に枠を示されてしまうと、結局医療費の中のパイの争いにならざるを得ない。そうではなく、本当に必要な費用はつけてもらうようにしないといけない」


内田健
「中医協はそういう場ではないと考えられる。内閣府から何%アップとか何%ダウンとか示されて、それをどこに重点的に配分するかというのを考えているところだ」


桑江
「私たちの労働をきちんと評価してほしい。タダ働きばかりしている。絶対にイヤだとは言わないけれど、現在はタダ働きしても報われない」


仙谷
「どうすればこの問題を解決できるのか。つまり、大野病院事件が起きるまで、我々も医療現場がこんなことになっていると知らなかったし、日本医師会は把握していたのか。今日出てきた話も大衆的な意味ではまだ全然知られていない。どうすれば国民に『ああそうなんだ』と分かってもらえるのか」


嘉山
「我々医療者も反省しなければいけない。患者さんに正しい情報が行っていない、知っていただきたい。その情報を持っているのは厚労省なんだが、厚労省がグランドデザイン出さないことには、患者さんが際限なく要求するのも仕方ない面がある。誰だって悪い医療よりは良い医療を受けたいのだから。で、その意味では、医師の養成数削減を決めた86年の閣議決定、医療費抑制を決めた96年の閣議決定を外さない限り、厚労省が閣議決定に逆らって動くわけにはいかない」


塩崎
「ずっと地元の医師会と勉強会をしてきた。医師不足の話なども聞いていたので、その話を厚労省に尋ねると、なんだか数字を持ってきて全然足らないことはないと言われてきた。これは要するに一次情報は厚労省しか持っていない。日医総研の出すものも情報の一つではあるだろうが、それは供給側の情報であるから、もっといくつかの情報源を持っていないといけないということなんだろう。どこか中立のシンクタンク的なもので伝えていただかないと厚労省の言うことを信じざるを得ない。最近はSickoの上映会もしたけれど、最後は国民負担の問題だと思う。770兆円の大借金がある。これを逆転させるにはどうしたらよいのか。財源は3つしかない。保険料、窓口負担、税金だ。保険料と窓口負担は限界に近付いているとすると残るのは税金であり、トータルとして官邸、国会が決めることだろう。医師の一人勝ちはおかしいけれど、誇りと希望を持ってない医師に診てもらうのも御免蒙りたい。医師が医療に専念するために財源が必要だと言うのなら消費税を上げるということも現実味を持って議論しないといけないのでないか。ところで女性医師を1人としてカウントできないとすると、どうカウントすればよいのだろうか。それから、インフォームドコンセントの行き過ぎと安心できる医療の二律背反とはどういうことか。またNICUの配置基準はどのようなものであるべきか。司法の硬直性については医療だけでなく経済の分野でもブルドックソースを巡る判決で世界中が驚いて投資家たちが日本から出ていったということが起きている」


桑江
「きちんと労働基準法を遵守した交代勤務になっていれば女性だって1人前に働ける。現状で何人分というのは言っても仕方ないし、現状を追認するだけと考える。労働基準法を守れば自然に解決する」


内田健
「ICは進めるべきであることは言うまでもないが、しかし医療者と患者との間には知識や情報料に凄まじいギャップがある。だから情報を全部伝えることはしていない。いかに患者さんに決定し納得していただくか、そのための情報提供であり、その正しさを支えるのは専門職としてのモラルだ。その辺り高久先生が最も詳しいので一言いただければ」


高久史麿・日本医学会会長
「長崎大に行くと、医学を伝えたポンペの言葉が飾ってある。『医者は患者のために働く者だから、患者のために働く気がないなら医者を辞めた方がいい』という内容。そんなことでよろしいか」


網塚
「おそらくギリギリに頑張って看護師1人あたり5人から6人。保育士より甘いじゃないかと思うだろうが、保育所は受け入れを断っている待機児童の存在があるから3人以下にできる。でもNICUの場合は入院拒否でそんなわけにいかない。そこを譲歩して、この数字だ」


ここから自由討論に入る。土屋
「萎縮医療を防ぐ方策として刑事免責が真っ先に上がってくるが、反対側の意見としてはカルテ改竄や保険の不正請求のような違法行為が実際に行われてきたじゃないか、そういうものを放置しておいて免責など受け入れられないということ。自浄作用がないままに一方的に免責を言うと反発を食らう」


有賀
「悪いヤツがいるじゃないかというのは、どの業界にも困った人がいるということだと思う。私も医療訴訟に関与してみて、少なからずきちんと裁かないといけない事例のあることは知っている。しかし今は腐ったリンゴの排除の話ではなく、まじめな人たちが萎縮していくことをどうするかの話だと思う」


土屋
「信頼関係を再構築するには、ギャップをどう解消するかが問題になるので、メディエーターを用意した方がよいのでないか」


嘉山
「ADRは進んでいくのでないか。メディエーターも山形大では導入する方向で進めている。ICの根本は、全部分からせることではなくて、話しているうちに真剣さが伝わって信頼関係ができてくるということなんだろう。ヒポクラテスの時代からの我々に任せればよいではないということだ。メディエーターは健全な医療のために必要だ」


土屋
「財政的裏付けはあるのか」


嘉山
「戦前からロジスティクスを考えないのがこの国の伝統だから、何も裏付けはない。厚労省から通知が出て、普通の企業だったら、それに必要な資源の支給があるものだと思うが、通知の裏を見ても真っ白だ」


土屋
「その辺から手をつけたい。この間も医政局長通知で、医師は医師業務に専念し、その他の業務は看護師や技師に任せよ、看護師や技師も専念し事務職に任せよというようなありがたい通知が出てきたが、じゃあ事務職は余っているのかといったら毎年削減され続けている。じゃ、外注するかといっても、その分の予算措置もされていない。施策を行えと言いながら財源は知らんという、これをまず改めてもらわないと」


内田絵
「負担と給付に尽きる。患者は目的税で負担が増えても仕方ないと納得している、しかし今のままで増えるのには納得できない。負担増になった分、どれだけの安全と質の向上があるのかそこを明確に表してほしい。患者も市民も参画して負担と給付の問題を考えよう。患者も負担増は当然だと思っている」


土屋
「この問題の解決はたしかに中医協の枠を超えているし小手先の改定では限界に来ていることも明らか。質の保証という意味では医道審という立派な名前の審議会があるが単に刑事処分の後追いをしているに過ぎない。医師の集団が自ら身を正す自浄作用を示さないと信頼回復はありえない。医師は社会の中で活躍するものなのだから社会を忘れてはうまくいくはずがない」


フロアの議員たちからの発言に移り、小池晃参院議員
「自民党の尾辻さんの言うことに共産党の私がその通りということは滅多にないが、今日はその珍しい時。国会議員の責任として骨太の方針の骨を抜こうではないか。2200億円削減をやめること、それから医学部定員削減の閣議決定も一緒に外そう」


足立信也参院議員
「丹生さん素敵なお話をありがとうございます。4月12日というのは実は私がメスを置いた日。現場にいた人間として反省すべきは反省し、でもこれから新しい医療の形を作っていかなければならないと思っている。医療提供者というのは一方的に提供側ではなく、自分が患者になったり家族が患者になったりもしているので、実は両方の気持ちが分かるのは提供者側。逡巡している時間はない。この一刻も壊れていこうとしている。作り上げていかないといけない」


橋本岳代議士
「丹生さんのお話はとても大事だと思った。もう一つ診療関連死に関する第三次試案が出たが、あれについて伺いたい。免責は極端で今の国民の中で受け入れられるのは難しいだろう。となると、どうしたら不当な責任追及をされないですむようになるだろうか」


黒川
「刑事免責をしてほしいのは医師に限らない。警察官、救急隊員を含めて、救命活動にあたっている場合は免責してほしいと言っている。現状では立件用件が全く不明確で、人を助けようという意欲が削がれる」


内田絵
「医療政策を考えたり決定したりする時、その受益者が入っていないのはおかしいと思う。対立関係でなくパートナーシップということに異論はない。であれば、このような医療者のボヤキで終わるのではなく一緒に考えていく決定の場を考えていくことが必要だと思う」


逢坂誠二代議士
「今日のような対等な立場の情報交換が少なかったと思う。これが第一歩になって全国に広がっていくといいなと思った」


高久
「今日は現場の生の声をいろいろ聞けたと思う。実は私も昨日コンビニから出たところで自転車と激しく衝突して救急車で運ばれて1日入院してきたので発言する権利があるだろう。今までの話に賛成。自治医大のある栃木県でも医療崩壊が現実に起こりつつあるのを目にしている。2001年にイギリスの有名な医学雑誌に載った『なぜ医師は不幸なのか』という論文によれば、理由の第一位は為政者の無策だった。当時はサッチャー政権で医療費が非常に削減されていた。その後でブレア政権になって医療費を大幅に増やしたけれど、医療者の士気はなかなか戻っていないという。いったん下がった士気を上げるのは大変ということを示していると思う。現在の医療費を上げないとなかなか大変なことになるだろう。医療安全のことを考えても、人は誰でも間違える、のだから質と安全のためにはシステムを作らないといけない、そのためにも医療費増は避けられない。一緒になって日本の医療をよくするために医療費を上げることをまず求めたい」


鈴木寛参院議員
「患者側の代表が少ないではないかということに事務局として一言説明させていただくと、今回事前に136本の意見をいただいたが、うち130本が医師や医療従事者だった。その辺もあって、このような配分になっていることをご承知いただきたい。ぜひ2回目は医療提供者以外の方にも、どんどん意見を寄せていただき、登壇もいただきたい。今日はキックオフであり、議連の使命として世論喚起もあるので広く国民患者の方にもどんどんお伝えしていきたい。皆さんあまり意外に思っていないだろうが、政治家主催のシンポジウムに県立病院や国立病院の勤務医たちが参加してくれたのは画期的なこと。今までは、そういう厚労省を通さない形での直接的な意見交換ができなかった。それから、本日の運営には全国各地の医学生たちが40人も協力してくれたことを御紹介したい」


最後に仙谷会長代理が挨拶
「土曜日のこんな時間にこんなに多くの方にお越しいただき心から感謝申し上げる。丹生さんのお話は感動的だったが、健常な国民の多くはまだ全然気づいていないと思う。私も6年前にがんの手術を受けて医療従事者たちの働きぶりを見るまでは全然気づいていなかった、今の医療がなくなって初めて分かるというのではいかん。丹生さんのように感じとる人が多ければ全国あちこちに同じ動きが出てきて日本医療は再生するだろうし、それが出てこないようなら、他の分野と同じようにcomfortable sinking心地よい沈没が待っているだろう。医療の場合、心地よいとは言えないかもしれないが、いずれにしても国民が気づかなければ沈没するしかない。現場の声が直接生かされるしくみを作っていただきたいし、我々国会議員も真剣に議論したい」

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「医療議連総会記念シンポジウム」 の記事に書いた通り。 4/12の夕方に日比谷公会堂で、 「医療議連総会記念シンポジウム(医療議連) 続きを読む

新生児について紹介しています。 続きを読む

「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」主催の「真の公聴会!医療現場の生の声を直接国会議論へ」と題するシンポジウムがあったので、行ってきました。... 続きを読む

コメント

桑江先生は涙声だったのですね。
私が座ったところからはお顔がよく見えなかったけれど、聴いているこちらが泣きそうになり、自分が感情移入しすぎて暴走したのかと思っておりました。

内田絵子さんが「患者さんは手を上げてください」といわれたとき、周囲を見て私も驚きました。患者側の人間が少なすぎることに。そして、患者側の国民がいかにこの問題に無関心であるのかを思い知らされました。

SNS:全国医師連盟内の日記に、感想を交えた報告を書着始めたのですが、正確を期そうと思っても、メモだけだと自己流の解釈で間違った把握をしてしまっているようです。
正確な記録は川口さんに任せて、日記は「感想文」にしようと感じました。
いつもながら、こうした記録、本当に助かります。
やはり、ジャーナリストはすごいや、と感銘。

長崎大学医学部の開祖はポンテではなく ポンペです.卒業時優秀者(年3人)へ贈られるポンペ賞にもその名を残しています.

長崎大医学部hp
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/med/

ポンペの言葉
「長崎大学医学部の校是となっているポンペの言葉は「医師は自らの天職をよく承知していなければならぬ。ひとたびこの職務を選んだ以上、もはや医師は自分自身のものではなく、病める人のものである。もしそれを好まぬなら、他の職業を選ぶがよい」というもので、医の真髄を教えたポンペの言動は門弟達の心に深く刻み込まれた。」
http://www.lb.nagasaki-u.ac.jp/search/ecolle/igakushi/pompe/pompetoyojosho.html


しかし,ですよ 高久先生
ポンペが日本に居たのは 28才からの5年間 体力が最も充実している時期ですよ.インフォームドコンセントも無い時代ですよ.今の医師だって ポンペと同じ職場環境なら 同じセリフ言って当たり前だと思いますよ.環境がゼンゼン違うでしょ!今の状況に昔の医者気質を求めるのは欺瞞かファンタジーですよ

内田絵子氏の全く分かってない発言について

「負担増になった分、どれだけの安全と質の向上があるのかそこを明確に表してほしい。」

 そうじゃなくて、今のレベルの医療を維持するだけでも最低10%の負担増が必要だと言うことなんですけどね(ついでに言えば10%でも相当医療者側が無理しないと維持出来ないです)。

 国会議員の次は、一般の国民に広く窮状を訴えていくことが必要なようですね。

 数千人の動員力を誇る患者団体が参加を呼びかけても、医療供給者の窮状には大半が興味を持てないという実情を何とかしないと、事態の改善には結びつかないだろうと思います。

私も、内田絵子氏の発言については違和感を覚えました。「お金を増やせばどれだけ良くなるのか?」
「よくなるか」、では無く、「お金を注入しないと今よりどんどん悪くなりますよ」、ということなんですが....

でも、医療費を10%増やした程度で改善されますか?国民が望む医療を行うなら、医療費も医療従事者も最低でも2-3倍は必要じゃないでしょうか。

医療費をいくら増やそうが医療従事者をいくら増やそうが、それに伴って患者の数も増えるでしょう。
現時点の崩壊速度を「維持する」という意味では10%で十分だと思います。
県立柏原病院小児科を守る会が行うような啓蒙活動をもっと行うことが必要なのでしょう。
いっそのこと医療費を少し増やして、その増えた分で窮状を訴える行動を起こしたほうがいいのでは…とまで思います。

>皆様
コメントありがとうございます。
後ほど改めて書きますが
内田絵子さんの発言について皆さんの主張に同意しかねるので
下記のフレーズを文中に挿入し完成版といたしました。

この晩の内田絵子さんの発言は医療者たちから評判が悪いようだ。
たしかに若干空回りしていた感はあるが、実は重要なことを言っていると思うので
私なりに解釈したところを補ってみる。
医療費を増やすことで利益を得るのは患者であり医療者である。
対して健常者が大半を占める国民は、自ら予備群であったり家族であったりはするが
単純に言うと、彼らにとって医療より重要なことがある場合
医療費増額は彼らの利益に反する。
そうした人たちの利益代表者である国会議員も多数存在している。
つまり患者と医療者とは、国民全体の中ではマイナーな存在であり
かつ利害の一致する存在なのである。
患者を巻き込まないで、どうやって国民全体に訴えていくつもりだ、と
内田絵子さんは憤っているのだと思う。
それが最後の「ボヤキ」という痛烈な一言に集約されている。

川口さん、ご指摘のとおりと思います。

健康な人は病者の気持ちを理解できません。医者は、生まれてこの方切磋琢磨して今の地位に到達した人がほとんどで、基本的に「強者の論理」で動いているグループですから、労働環境の悪化に対しても不平を言うことはなかなかできなかったのです。

それが、さすがに限界を超えて、あちこちで身体を壊したり、明らかに過重労働による医療ミスが頻発するようになった、それが現在の状況でしょう。

ここで、同じような「強者の論理」で対策しようとしても無理なことはあきらかですし、少数者である医師と患者は、忍耐(patience)したり、対立(confrontation)しないで、協同(cooperation )の道を探求しなくてはなりません。

内田さんが「ボヤキ」という他人事の表現を使っている時点で当事者の自覚はゼロですね。今まで川口さんの多くの論説には賛成でしたが、今回は明確に反対します。彼女の憤りは「私たちはサービスを受ける権利がある」という思い上がりを否定された人間の身勝手な心理的抵抗です。私は、もはや生き残りには現場から去るか、敵対者を徹底的に叩き潰すしかないのだと覚悟しました。

公聴会で一般聴衆に発言の機会がなかったので一言発現させて下さい。

9名の発言者の中で唯一前向きだったのは丹生裕子さんの発言だったと思います。患者さんの感謝の表現が疲弊した医師のエネルギー源になることを明確に示してくれました。このような歩み寄りが医療提供者と受給者との間の溝を埋めるのに必用でこれにより無駄な医療費が節約できると思います。

患者側から医療提供者に対し、もっと良い医療が出来るはずだと言われても、すでに日本では世界で最も良い医療を提供しているとWHOから評価されているように、すでに最大限の努力をしているのです。内田絵子さんが希望する「さらに良い医療を提供してほしい」はとても困難なことで、強要されると、逃避になるわけです。

丹生さんの示した歩み寄りは小児科医療・救急医療における解決法でしたが、一般の医療に適応することを考えてみます。
この歩み寄りのキーワードは、患者側の死生観の欠如であり、病気や障害は必ず治るわけではないという一般常識の欠如であり、医療費の高騰は医者が儲けすぎているのではないかという誤解などでありあります。また医療提供者の側では、隠蔽体質を疑われるような過去(現在も?)の経緯であり、一般人には理解できないような言葉でしか説明できずにパターナリズムを振りかざす医師であり、一部の開業医にみられる贅沢な暮らしぶり、等々、になると思います。このようなキーワードをさらに挙げてゆき個々の解決策を講じるのはどうでしょうか。

公聴会の発言者は自分の立場を明確にアピールする必用があり、内田さんの声が大きくなったのだと思いますが、限られた枠組みでしか医療は提供できないのです。お互い理解を深めていくことが望ましいのではないでしょうか。

>ひろ先生
コメントありがとうございます。
他の皆様にも順次お答えしようと思っておりますが、取り急ぎ。

内田さんが、コスト、アクセス、クオリティのうち
コストアップは飲む
クオリティを上げてほしいとしか要求していないこと、お気付きでしょうか。
問題は残るアクセスで
ひろ先生は暗黙の了解でアクセスは現状維持とお考えなのだと思いますが
そこのところも引っくるめて検討する必要があると思います。

私が思いますに
現在の日本は、伸びすぎた兵站を適正規模まで引っ込める
撤退戦が必要な時期であって
しかし撤退戦をするにしても総崩れを防ぐための資源投入は必要
ということではないでしょうか。

ただし、どこまで縮小してもよいかは国民的コンセンサスの必要な話であり
一般国民を巻き込まずに実行した場合
医療従事者が理不尽に責められることになりかねない。
だから患者だってメリットを示してもらえるなら矢面に立つ気はある
ということだと私は解釈いたしました。

医療者による労働組合の代表が東京に集結――。

マスコミの扱いはこんなもの。
マスコミが正しい情報を提供しない限り、患者は医者を誤解します。

患者というか一般市民は
医療問題は医者が問題、
医者のエゴ、と思っています。

マスコミが報道姿勢を変えない限り医療不信は続きます。
そして崩壊します。

私は非医療関係者で、当日は非医療関係者という意味で
患者側で挙手しましたが、医療提供者・患者・健常者で
分けるなら健常者といえる立場です。

それでも正直なところ内田さんの発言は

> 患者を巻き込まないで、どうやって国民全体に訴えていくつもりだ、と
> 内田絵子さんは憤っているのだと思う。

というふうには受け取る事ができませんでした。
これは私が内田さんの活動の事を良く知らないからかもしれませんが…。

できればそうはっきりと口に出して言って欲しかったです。

> それが最後の「ボヤキ」という痛烈な一言に集約されている。

これもとても危険な言葉で取り方によっては医者が愚痴ってんじゃねぇよととられかねないです。

コスト面を飲むという話や患者側ももっと参加すべきだということには賛同できるのですが、発表のしかたがちょっと滑っていたことに加えてこの一言がとても余計だったと思います。

私が内田さんに発言を聞いて感じたのは、崩壊のスピードが速すぎて、彼女のような患者団体のひとも状況認識がついていってないなという点です。その意味では、無関心な一般大衆と大差ないということです。

コスト削減の結果、診療科閉鎖というアクセス制限が猛烈進行しているのに、彼女はアクセスはまだ維持されていて、コストアップがクオリティ向上に向けられる余地があると思いこんでいるように見えます(少し前ならばそうだったかもしれませんが)。

イギリスでブレア政権下で医療費増額に転じたあとも、医師の意欲を回復するのが困難という話は、いったん崩壊過程に入ると、コストはまずアクセス回復に使われてしまい、クオリティの回復は一番遅れてやってくるということを示唆しているのでないでしょうか。
 

本来コメント欄でやり取りをするのは他の方にもブログ主の川口さんにも迷惑なので極力行なわないのですが、今日だけは許してください。私が内田さんの発言と、それを擁護する川口さんの発言を許せなかったのは、倒れる寸前の医療現場から「もうだめだ」というSOSが発信されたのに、「助けたらどんな得があるの?」という冷たい反応を返し、またそれが当たり前だと擁護しているからです。私はアクセスだのクオリティだの一言も語っておりません。医療が崩壊したらアクセスもクオリティも存在しません。今アクセスやクオリティが何とか維持されているとすれば、それは現場医師を始め医療関係者のぎりぎりの努力の賜物なのに、これ以上質をどうやってあげろというのですか。その為に必要な時間はどこから割けというのですか。現状の労働形態で彼女の言う安全と質の向上を図ろうとすれば、間違いなく医師の過労死は増えます。そんな簡単なことも川口さんにはわからないのですか。私は彼女を評するに「人でなし」「人殺し」以外の表現を持ちません。川口さん、あなたの心に血は通っていますか。

>ひろ先生

コメントありがとうございます。
激務でお疲れのこととは重々拝察いたします。
でも、どうかお願いですから、人をそんなに簡単に「敵」と決めつけないでください。

私も
>walnut先生のコメントを拝見して
たしかに、その解釈の方が正しいかなとは思いましたが
間違っていても関心のある人の方が無関心な人より百倍ましだと思います。

そして、自戒も込めて申しますが、
ひろ先生の言う「SOS」はまだ一般国民には全然届いておりません。
届けるには、関心を持った人たちの力も借りなければならないはずです。
それに、あの場で内田さんが自分の信じることを言わずに迎合したら
国会議員たちには
予定調和のシャンシャンと思われた可能性があります。

どうか色眼鏡で見ずに
相手が善意から発言している可能性はないか
見ていただけないでしょうか。
ああいう場で、100%正しい言葉遣いで話せる人ばかりではありません。

私も患者側の人間です。
内田絵子さんの発言は確かに「あれっ?」という部分もありましたが、そういう認識を現時点では 持っておられるということなのだと思いました。

たしかに、医療崩壊を憂いている人々から見れば周回遅れといえるでしょうけれど、これからもずっとそのままの地点に留まられるとも思えません。

次の機会にお話を聞けば、また違っているはずだと思います。

大変おこがましいのは承知ですが、善意について私はあなたに説かれる必要はありません。私の周りは善意に満ちた、しかし疲れた者ばかりで溢れています。私は善意を行動で示すものを信じ、口だけで善意を唱える者は信じません。

>ひろ先生
言葉ではなく行動、たしかにその通りです。
では、内田さんの活動の何をご存じですか?
内田さんが何年も地道に活動してきた方だからこそ
医療者の逆鱗に触れるような言葉遣いはあったにせよ
たった一晩の言葉だけを取り上げて全否定すべきでない
聞くべきところは聞くべきだと申し上げているのです。

私は非医療者側なので、内田さんの医療費に関しての主張は尤もだと感ました。

医療費を増加すると何が出来るのか、何が出来ないのか、そのような話が具体的に出てきていないのが現状ではないでしょうか。

例えば僻地外科医さんの仰るような「今のレベルの医療を維持するだけでも最低10%の負担増が必要だと言うことなんですけどね」と言う話ですら、議連シンポジウムの場では話されなかったと思います。

医療の維持に10%の負担増には賛成しますし、20%の負担増が必要というのであれば、20%の負担増には賛成しましょう。しかし、「医療費が少ないから、医療費の上昇が必要なのだ」と言われても、当惑するばかりです。


今まで議論の中心は「日本の医療費はOECDで最低レベルに押さえられている」と言うような、漠然とした意見で占めていましたが、そろそろ、具体的な議論に移行するべきだと思います。

例えば、2005年度の日本の医療費はGDP比で10%です。12%まで増やした場合、増えた分はどの分野に分配され、どのように活用されるのか、関心を持つのは当然ではないでしょうか。

また、増えた分がいかに使われるのか、きちんと説明を受ければそれだけ、医療費を上昇しやすくなると思います。ですから、医療費が増えた分で、どのように医療が変わるのか、あるいは変わらないのか、具体的に説明を受け、その上で判断したいと思っています。


大部分は政治家が説明する事であると思いますが、私は「増えた医療費をどのように使うか」と言うプランを医療者側からも伺いたいですし、内田さんもそのような意図があったのではないでしょうか。

塩崎議員、仙石議員から、
『診療報酬を増やすとしても、病院の収入となるだけで、時間外労働にきちんと支払いが行かないのではないか?』という意見が出てました。

非常に未熟な意見と思いました

労働基準法は、労働者を守るための最低限の基準です。
労基法32条(一日8時間、週40時間)、労基法37条(時間外割増賃金)、労基法41条3(宿直の定義)などは、強行法規であって、守らない雇用者(=病院経営者)には、懲役も含んだ罰則があります。

労基法は努力義務ではなく、労基署がきちんと指導し、達成させなくてはならない最低限の基準なのです。

勤務医の賃金を搾取、詐取して、病院の赤字を補填している構造は、看過できません

適法化することで患者のアクセス制限が行われ、医療費が高騰するとしても、勤務医の基本的人権を侵害する正当事由にはなるまい

労働基準に関しては、
どなたかが現在訴訟を起こしており、近々判決が出るときいてますが・・・

当然残業代とか支払いを命じるでしょうから、この判決が医師の
残業サービス解決になるのでは
ないでしょうか?

ただその時支払う病院の経営が
どうなるかは・・・

なぜ「医療費を増加しないと医療が崩壊する」という命題の対偶が「医療が崩壊しなければサービスが改善する」になるのですか。あなたがたの論理はおかしいです。
われわれの望みは「休ませてくれ」です。サービスの改善だの医療費の分配だのは、休めるようになった後に考えさせてください。

川口さん、「相手の何を知っているんだ」と言われたら私には何も言えることはありません。ただ、川口さんや内田さんは私のことをどれだけご存知ですか。「知らなければ発言してはいけない」ならば、今後私への発言はしないという事ですね。
私はこんなことを患者さんに強要したことなど一度もありませんし、医者に限らず許されるものではないと思っていましたが、医者には許されない強圧的言辞でもジャーナリストや一般市民なら許されるんですね。

>ひろ先生
私が、いつ、何も言うなと書きましたか?
一回の発言だけ取って敵と決めつけないでほしい
と書いただけですよ。
どうか冷静になってください。
目に映るものの中からだけ敵を探そうとしないでください。

川口さん、では一般の方々と同じ論法を敢えて使いましょう。「1回の発言だけ取って敵と決め付けないで欲しい」というが、そうすることで私たちの激務はどう改善されるのですか。人間は利が無いと動かないそうですね。

 しまさん、こんにちは。

> 例えば、2005年度の日本の医療費はGDP比で10%です。

 「医療費」の定義が違うのでしょうか、通常、日本では8%前後の値となるのが普通です。

 ひろ先生、川口さん、こんにちは。

 お二人ともお疲れのようにお見受けします。

 丸一日ほど、この問題を考えるのをお休みされては如何ですか?

>ひろ先生
ありがとうございます。
その立論なら大いに接点があります。
あの場にいた全員が同意したとしても先生方の激務は改善されません。
なぜならば、先生方に激務を強いている主たる存在は別のところにいるからです。
で、その方たちを動かすには
あの場にいた人のコンセンサスを取って
外へ働きかけてもらう必要があります。
勤務医の皆さんが忙しければ忙しいほど
患者やメディアの役割は大きくなります。
だから、もっと患者を巻き込めというのが内田さんの主張の最も重要な点であって
その他の状況認識の遅れについては
きちんと説明すれば分かっていただけるはずと思っています。

内田さんに代表されるような方々を排除した時に
さらにその外にいる無関心な人たちが先生方の味方をしてくれるとは
私には思えないのです。

>中村利仁先生
ありがとうございます。
ご忠告に従いまして、当面私は打ち止めにいたします。
でも、ひろ先生は
言われっぱなしでは収まらないでしょうから
あと1回どうぞ。
そこで休戦させていただけないでしょうか。

ひろ様。
どんな高尚な目的のシンポジウムでも、一人くらいは目的や議論の本質からずれた発言者はいるものです。どうってことないです。
今回は内田絵子さんが、たまたまそうであっただけ。
テーマががん患者のケアや慢性期医療に関することなら、彼女は適材適所でしたが、今回は急性期医療がテーマになっているので主催者側が人選を誤っただけだと思います。
医療側のシンポジストが多かった理由として、川口様の記事の最後に主催者側から意見応募は医師が圧倒的に多かったから、と書いてありましたでしょ。
内田絵子さんがそれでも納得できなかったら、もう諦めていただくしかないです。
もうそれ以上の理由説明は誰もできないですから。

川口様。
それよりも医療提供者側の土屋がんセンター院長や高久文麿さんの発言の方が、のけぞりました。
医者のくせして危機感ゼロと思いました。
特に黒川先生への土屋がんセンター院長の発言、WHOの医療安全のガイドラインに医師の刑事免責が記載されているもかかわらず、あの発言。
次回は世界の医療安全のシステムの説明役としてWHOの担当者(医師ですが)をシンポジストに選んで土屋がんセンター院長や国会議員の皆様にレクチャーして頂いたほうがベターです。土屋先生や橋本国会議員には、もっと基礎知識を取得してかしてから発言なさっていただきたいと心底思いました。
刑事免責はひとまず置いといて、高久先生、土屋院長とも慢性期医療の分野なので、急性期医療の問題には経験と知識がないのは仕方ないかとも思われますが、あまりにもズレた発言には正直驚かされました。
このお二人の医師のほうが、人選の誤りとさえ感じます。
内田絵子さんなんて、所詮は現場の医療従事者じゃないんだから、一般人の認識を具現しているのに過ぎません。
彼女に怒るよりも、その発言を聞いて医療側からの「一般人への啓蒙活動がぜんぜん足らないと認識した。

私は米国に住んでいたこともありますが、この国(日本)は重要案件に対しては無策の国、あるいは政府機関がちゃんと機能していない国ですので、「医療崩壊」は仕方ないことなのでしょうか? またそれがいつも「医療者側の一方的な責任」のようにマスコミに言われるのが悔しいですね。 政策方針は入院ベッド数削減なのに、日本の年間死亡者数は今後100万人から20年後には170万人になる。これは「団塊の世代」の方々が今後病気になり死亡していくためです。当然救急どころの騒ぎでない、医療現場ではベッドが慢性的に不足、最悪入院が必要な患者の2人に1人しかベッドが提供されない、と言う時代がもうすぐそこまで来ています。 また、内科・外科志望の医師が極端に減っています。 こんな恐ろしい世の中になっていくのを、医療者も国民も黙って見ていてよいのでしょうか?? 実際、今日のexcite ニュースに出ている「救急受け入れ「ベッドがない」(1)〜特集・救急医療現場の悲鳴 [ 04月15日 12時02分 ]」を読んでみてください。上に述べたことがもう実際に起き始めていることが分かります。 
 医療費をちゃんと増やし、ベッド数を増やし、全身管理の出来る医師を増やし、自己犠牲で働いている勤務医師の待遇を改善し、「日本での医療従事」そのものの魅力を改善しないと、ほんとにほんとに大変な時代が来ますよ。

>だから、もっと患者を巻き込め
内田さんの本意はともかく、これには賛成。
例えば刑事免責を求める際にも、
「これじゃ、やってられない」
と言うよりも、
「萎縮医療では患者さんが不利益をこうむるから、患者さんのために免責、もしくは同等なもの求める」
としたほうがbetter。
結果的には同じことなんですが、何事も「患者さんのために」を前面に押し出したほうが良い。

 内田絵子さんの人選は最適ではなかったものの、仕方なかったのではないでしょうか。ホールに貼られた他の一般人の方のご意見を見ると、、、(敢えてこれ以上は書きませんが)。

 内田さんの認識は甘かったのですが、それでもあの程度であったために、今回のシンポはまとまったのです(司会の方の内田さんの捌き方も上手でした)。ひろさんのお気持ちも分かりますが、次はむしろ内田さんのような本来は医療関係者にとって敵ではないはずの患者団体を味方につける方法も考えませんか(^^)。

 僕たち(医療関係者)は、マスコミによって患者さんと無用な対立をつくられたという実感があるはずです。彼女たちの誤解を解きつつ、次は共同戦線を張りましょう。
(今回のお二人の議論の解決にはならないかもしれませんが、横やり失礼しましたm(__)m)

橋本岳議員はよく勉強してくださっていて、衆議院予算委員会で、刑事訴追について厚労相を問いただしてくださいました。

医療崩壊を食い止めよう、そのためには財源が必要、刑事手続の抑制も必要、ならばそれを政治で実行するには国民の合意が必要。そのために医師は国民や患者団体を説得する努力や工夫をしているか、と内田氏や橋本議員は問いかけてくださったと理解します。
( まったく対話という範疇の外にいらっしゃる方々も存在することは存じております )

医師も、嘆いてばかりでなく、行動しなければ。激務で疲れ切った勤務医の方々に無理にとは申しませんが、何か一つでも、医師の大多数が、行動しなければ。

メールの一つでもいいから、国会議員や厚生労働省、マスコミに送ったことがありますか ?
医師以外の人、誰か一人にどんな形ででもいいですから、医療の問題を訴え理解を求めたことがありますか ? ブログででも、掲示板の書き込みでも、新聞への投稿でも、外来待合室の貼紙でも、何でもいいです。
そこまでする余裕なんか、勤務医の方には無いでしょうから、それなら関心を持ち、情報に接してください。活動の先頭を走っている有志を応援してください。有志の医師は、全国に、数多くいるはずです。病院にも、勤務医が憎み敵視する医師会の中にだっているのです。

医師の大多数が医療の現状を嘆きながら、無知無関心でいるわけにはいかないのです。

患者側の人間に対して医療現場の窮状を説明するとき、現場のありのままだけを説明したのではたぶん、患者側の人間の大半は「ぼやき」としか見れないでしょうね。

医師の窮状の説明から類推する人はかなり少ないと思ったほうがいいと思います。なぜなら、それまで自分と関係がないと思っている人々だからです。

類推する人は脳内で、患者側のデメリットとして説明を変換するのですが、大抵の人はそれが出来ません。だって、自分には関係ないと思っているからです。

医療現場のありのままの説明、医師の窮状についての説明の後、めんどくさいとは思いますが、それが患者側の人間にとってどんなデメリットにつながるのかまで説明しないと、患者側の人間にはわかってもらえないのですね、自分で職場の同僚に説明していてつくづくそう思いました。

僕は医師ですがあの日急性副鼻腔炎で薬を貰っていたので明らかに患者でもありました。ちょっと迷って「患者」の方にも手を挙げました。

周りを見てもかなり年齢高い方も多かったので、高血圧とか高脂血症とか、実際は患者はもっと多かったのではないでしょうか。

患者側のものです。道標主人先生、私も、「医療崩壊が着々と進行しているのになんで待合室の壁に壁新聞がないんだろう???せめて待合に医療崩壊関係の出版物をそっと置くだけでも少しは違うのでは」と思っておりました。

でも、患者から置いてくださいって本を寄付してもよいのですよね。盗まれたとしても、どなたかが読んでくださるわけですから、今月のお小遣いからチャレンジします。

はじめまして

一般の主婦です。7年位前から医療問題に関心をもち、ネットを中心に情報を集めてきました。そのなかで、多くの医療者(医師)の方と、掲示板やブログを通してお話させていただきました。
医療をとりまく状況について、なんの知識もなく頭も悪いために、いらつかせてしまうこともあったとおもいますが、多くの人が「こうして関心ももってくれるひとがいるということが、自分たちの支えになる」とおっしゃってくださいました。
なぜなら、医師がどんなに過酷な現実を訴えても、「ぼやき」としかとられない、「それが医師の仕事だろう」とか「誰だって我慢している」とか「患者はもっと苦しんでいる」とか、果ては「嫌なら辞めろ」とか、そういう反応しか帰ってこないから、多くの医師は黙って耐え、耐え切れずに去っていくしかないからだと。
私は、ただ「聞く」ことしか出来なかったのに、それだけでも喜んでいただけたのだから、小児科を守る会の活動が、丹波市や小児科にとどまらずに全国の医師のみなさんの希望になっているということはよくわかります。

シンポジウムの中でも、医師は訴えてこなかった、もっと伝えなければいけなかったという言葉がありましたが、私たち側もまた、聞かなかった、共感を持って聞こうとしなかったことを反省しなければいけないとおもいました。

件の内田さんについては、わたしも当初や他の方のブログなどを読んで、そういう患者側のわがままが医療者を疲弊させてきたんじゃないかと、ただ怒っているだけでしたが、川口さんの意見も拝見して少し認識を変えようと思いました。
実際の内田さんの発言の趣旨がどうあれ、「理解できないやつは出て行け」といって締め出すのではなく、その中にも聞くべき部分もあるはずだと聞く耳を持つことが、医療者にも患者側にもそのほかの一般人にも必要なことなのだとおもいます。

>皆様
本当にたくさんのコメントありがとうございます。
大変勉強になりましたし、引き続き頑張らねばと気持ちを新たにもいたしました。
今後ともご指導のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

忍冬さんや源氏星さんのコメントをみて、また明日頑張ろうという気持ちになります。ありがとうございます。
この場を提供してくれている川口さんにも感謝です。

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