山形大病院は、「国策に反している国立大学」 ─ DPCヒアリング コメント欄

投稿者: 新井裕充 | 投稿日時: 2009年09月25日 02:34

 「先生、それは病院として恥ずかしい発言ですから、やめてください」「国策に反している国立大学ということになります」─。厚生労働省の陰湿な反撃が始まったというべきか。厚労省の医療事故調査委員会や臨床研修制度などに対し、歯に衣着せぬ積極的な発言をしている嘉山孝正氏が医学部長を務める山形大学医学部附属病院が、DPCのヒアリングで集中砲火を浴びた。(新井裕充)

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コメント

>「国策に反している国立大学ということになります」
この官僚の発言のほうがよっぽど高等教育を受けた国民としては恥ずかしい中世的発言でしょう。

↑ いや、原文見てから批判しようよ。
この官僚ってどの官僚?

見出しのつけ方にも問題あると思うけどね。
その発言ってこの議論の本質か?
三流メディアみたいな扇情見出しに見えるけど

 この分科会の議論を読んでいると、委員の一部にはDPCのような包括請求と出来高請求の特性の違いを全く理解できていない方が含まれているようです。

 包括化の基本は薬剤のコスト管理を医療機関に任せるところにあります。仕入れ原価の安いジェネリックを入れると儲け幅は大きく、高い先発品を入れると薄くなります。

 医療機関には金銭的インセンティブが与えられていますから、議論するなら違うところが問題になるはずです。

 それがわかっていないので、DPCの評価とはそぐわない方向に議論が延々と脱線していくのではないでしょうか。

>その発言ってこの議論の本質か?

国立大学って国策に従った学問研究だけをするところか?これがこの議論の本質であることがわからない?

DPCは、包括なのでジェネリックを使用して薬剤費を安くすれば
それだけ病院は儲かるわけで・・・ しかし、患者さんの安全性を
優先して薬剤を選択するので、あえてジェネリックの採用を強制
していません、というお話でしょう。ジェネリックを推進したいなら
情報開示してジェネリックは先発品並の有効性と安全性がある事を
示すのが筋でしょうね。

浪速の勤務医様

>ジェネリックを推進したいなら
>情報開示してジェネリックは先発品並の有効性と安全性がある事を
>示すのが筋でしょうね。

ご存じとは思いますが、ジェネリックは先発品と同じ薬剤成分ですので、理屈の上では先発品の有効性と同等のはずです。もし同等でないとしたら、先発品が申請すべき有効成分を偽って記載していないか、後発品が薬剤を真面目に作っていないかです。また安全性についても同じ理屈で調べなおす必要はないことになっています。逆に先発品が有効性や安全性で優れていると主張するにはそういうデータを示して後発品の欠陥を指摘しなければなりません。

ジェネリックが国策であるとは知りませんでした。どこでどのように決定されたのでしょうか。単に経済誘導されているだけで、大上段に国策と言われると・・・。
ただ、私は本当に国策にすべきとは思います。先発品の多くが外国製である現在、国産品のジェネリックを使えば、医療費が国民の懐へ戻っていくことになります。

ふじたんさま
 安上がりな医療を追求する国策は必要ですが、安かろう悪かろうは困ります。

>逆に先発品が有効性や安全性で優れていると主張するにはそういうデータを示して後発品の欠陥を指摘しなければなりません。

 はなはだ違和感を感じます。
ユーザーサイドからの欠陥の指摘は1例報告で十分です。
統計的に意味がある「欠陥」の有無の確認は認可した国の責任で行うべきです。
 
http://gurikenblog.cocolog-nifty.com/blog/
ぐりけんブログの受け売り(カッコ内は補足)ですが、
 ユーザー(病院,医師,患者)の側としては単に「過去にこういう事例があった」という一例報告(自経例)であっても反証としては十分なわけで、それを受けて「いややはり安全性に差はない」と証明する義務はそれを保証した側にあるのは当然、ではないでしょうか。
引用終わり
 国立大学法人の医師は、有害作用に目をつぶってでも、「国策」に協力せよとでも?
 先発メーカーはせっせとこういう情報を拾い上げてフィードバックする努力をしていますが、後発品メーカーはそういうことをしていますか?国策とまでいうのなら、功労賞は(大学病院ではなく)後発品メーカーにこそデータの集積を指導するべきではありませんか?
 有効成分の含有量と溶出試験だけで同等とは、片腹痛い。記事には造影剤の例があげてありますが、添加剤の違いで有害作用や有効性が、先発品とは異なることも可能性だけでなく、現実にあるのですから。
 「有害作用がないという証明(悪魔の証明)」を求めているのではない、先発品と同等程度の副作用しかない、を求めておるのです。くりかえします。認可した国の責任でしょう。

中村さま
>医療機関には金銭的インセンティブが与えられていますから、議論するなら違うところが問題になるはずです。
確かに、ジェネリックの適用云々の問題よりは、経営上の問題を議論すべきかもしれませんね。
とりわけ、国立大学は「独立行政法人」なんですから、民主党のマニフェストにあるように「徹底的にムダを排除する」対象なわけで、交付金の増額を要求する前に、支出の見直しを徹底すべきという視点が必要でしょう。
ある意味「厚生労働省の陰湿な反撃」というよりは「マニフェストの忠実な実行」とも言えるかも・・・

> 確かに、ジェネリックの適用云々の問題よりは、経営上の問題を議論すべきかもしれませんね。

 もう一つの大きな問題に敢えて目をつぶっていらっしゃる事はともかくとして、大学病院の経営問題はDPC評価と別の場所で語られるべきことでしょう。

なにがなんだかわからない様

ご指摘の造影剤の件、出所が分かりません。正式の有害事象発生報告がなされているのでしょうか。

ユーザーサイドからの欠陥の指摘は1例で十分とのことですが、どの薬剤にも1例では到底すまない有害事象報告がなされていることはご存知ですよね。有害事象がその製品固有のものか、薬剤固有のものか、他の薬剤との併用によるものか、1例では判定できませんよね。また1例を1社という意味で使っておられるとしたら、全くナンセンスですよね。

安かろう悪かろうと批判されていますが、日本では高くて効果の低い薬剤を大量に使っている現実をご存知ですよね。1000円の薬剤は500円の薬剤より2倍効果があればよいのですが、現実は新たな作用機序であれば効果は同等以上で1000円近くの値がつく仕組みになっています。ところが医師の手元に資料が届く際には効果比較は都合のよい場合だけ宣伝されています。また診療のガイドラインにおいても費用対効果という項目をアメリカでは重視しますが、わが国にはそういう視点がありません。結果として毎年医療費に占める薬剤費は増加し、医師の取り分が減っています。

つまり先発品を使うことでコストが上がったままだと、DPCの単価を下げられないってことですよね。長い目で見れば、医療費節約につながらない。
DPCの単価は、前年度の費用から割り出されることになっていますんで。

> DPCの単価は、前年度の費用から割り出されることになっていますんで。

 係数のことですね?
 廃止の方針と聞いています。

少なくとも最低限の論理的思考のできる人なら、ジェネリックが先発品と同等という根拠がどこから出てくるのか怪しいと思うはずです。主要成分が一緒というだけで同じということが成立するなら、様々な製造業のつくる素材も全て一緒ですか?私は某素材メーカーの社員ですが、我々の作っている製品は全て主要成分は同じでも、中国などの類似製品とは全く性質は違いますし、その点で差をつけているのです。今どき、消費者金融のコマーシャルでも借りすぎに注意しましょうと、最低限のデメリットを表に出すのに、ジェネリック薬品のコマーシャルではメリットのことしか言いません。ちなみに私の知り合いの医師は自分にも自分の家族にもジェネリックは使わないそうです。(もちろん患者さんにも)専門家から見て?だからではないでしょうか?

>あの、ひじょーに難しい質問をされますのでお答えにくいが、
>100に1個(副作用が)あったらやっぱり信じられない。
>これは私の信条でございます。ですので、私の所は造影剤
>しかないので、ほかの薬は全く知らない、正直申し上げて。

薬というものはある程度のリスクを覚悟し、ベネフィットを考慮した上で使用するものだと思っていましたが、山形大学病院においては違うのですね。

統計で考えるのが医師だと私は思っていましたが、この方は患者さんの考え方に、比較的近いと思います。

他に替わりがない薬ならともかく、ジェネリックにしただけで副作用がやけに増えるのなら、敢えてジェネリックは使いたくないのは医療者の感覚として普通だと思いますよ。大学病院なら造影剤はかなり使用頻度が高いはずですし。造影剤のアレルギーが出ると、その患者さんには基本的に造影剤を使う検査は出来なくなりますから、避けたいのは自然な感覚です。

一市民様

残念ながらあなたの会社で作られている素材と、医薬品では精度のレベルが大きく異なります。同じ製品を複数の会社が作り品質を競い合っている一般製品では測定値の限界のところ、あるいはそれを超えたところでのこだわりまで含めて製造し、ユーザがその違いを実感して選択されています。
医薬品も純度という点では十分な品質管理がなされていると思いますが、先発薬は原則として一種一製品ですので、同じ薬剤内での競争がありません。また後発品が市販されても、製品間の優劣を調べる仕組みもありません。先発薬は一度承認されると特に問題がない限り販売後十分な時間が経過してからの「市販後調査」という仕組みが動き出すまで効果を確かめる方法がありません。人間は一人一人反応が異なりますし、同じ人であっても年齢とともに、病状の変化とともに薬の有効性は変わるので、効果の比較は簡単ではなく、大規模な調査を実施しなければならず、とってもお金がかかり、「市販後調査」の品質は決して高くありません。また仮に「改良すればもっと効果を高めることができる」あるいは「純度を高められる」ということが分かっていたとしても、再度治験を組みなおさなければ改良することは認められません。
極論すれば医薬品は先発品であっても一市民様が作られている素材のような高度なこだわりを持って製造されたものではなく、10年前の技術で作られた薬剤は今も同じ製法で同じ品質のものを作り続けており、その効果についても先発品が優れているのか、新たな生産ラインで作られる後発品が優れているのか、全くわからない(調べようともしない)まま使用されているのが現状です。繰り返しますが、先発品が優れているというのは全く根拠のない幻想で、後発品の方が優れていることも、同じことも、劣っていることもある、その分布確率も全く不明、という状態での「同じ成分だから同じ」という判断です。
先発品のプロパーはこのあたりのことを非常に恣意的に情報をゆがめて伝え、それをうのみにしている方が多くおられますのでご注意ください。

いずれにしても、
「各診療科の裁量に任されている」
という考え方は病院としてのガバナンスが欠如しているという
見方もできるわけで事情を聞く対象としては適当だったように
思います。

 ガバナンスとは、何でも経営トップが決めることではありません。決断には適切な意思決定のマネジメントレベルが指定されていれば事足りるものです。

 山形大学のジェネリック採用の場合は、意思決定が診療科レベルに定められているというだけのことです。

 およそ自分の専門外の薬剤について経営トップが口出ししているとしたら、その方がよほど問題は深刻です。

 さらにそのインセンティブが問われなければなりません。

 もちろん、経営トップあるいは一人一人の医師が患者に対して誠実に薬剤選択をしているのかどうかの問題はクリアされねばなりません。しかし、少なくともこの場ではそのような議論がなされていません。

 見当違い言うべきでしょう。

ふじたん様
 非常に分かりやすい説明ありがとうございます。納得致しました。
 

大学腫瘍内科 様
薬品の成分は同じでも基材が異なり、
1)溶解せずにそのまま排泄(降圧剤で見られる)
2)許容含有量の下限で製造(抗生剤で見られる)
されたジェネリックの存在は市中病院では知れ渡っています。

山形大学病院は全国の大学病院の中でもっとも赤字の少ない病院と聞いています。赤字垂れ流しの公立病院から選出された委員はなんとしてもDPC係数を下げて赤字にさせたいのでは?・・と勘ぐります。

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