病児保育、とりあえずは普及してほしいけれど・・・。

投稿者: | 投稿日時: 2009年09月24日 16:00

またまた久しぶりの更新となってしまいました。原稿の締め切りが入っていたこともありますが、それに加えて子供が中耳炎で40度超の高熱を出し、インフルエンザでなくてよかったと思ったのもつかの間、入れ替わるように今度は感染性の胃腸炎で1週間丸つぶれ。今朝、保育園に送り出してふと気づけば、ほぼ2週間ぶりの登園でした。やれやれです・・・。


こんなときに考えるのが、病児・病後児保育についてです。

現在、長引く経済不況もあり、共働き希望・余儀なくされる家庭が増えています。我が家はもとより“余儀なくされている”家庭ではありますが、運のいいことに、というか「余儀なくされている」ことが区の入園課に提出した資料から一目瞭然だったのでしょうが、とにかく息子は1歳の4月から保育園に入園することが出来ました。それまでは実家の母に頼りっきりで、仕事が多いときは長期実家に滞在し、主人がたまに通ってくるような状態でした。


息子はなかなか園になじめず小児ノイローゼを心配したような時期もあったのですが、今では毎朝「保育園行かない」といいながらも、なんとか1日過ごしてくれるようになり、大変助けられています。(病気で行かないことが多いせいか、たまに長く通うことが出来るとストレス反応が出てきたりもしますが・・・。)


それでも、いろいろな人から言われていた以上に病気をもらってきて、実家に預けていた頃より看病に追われることが非常に多くなりました。症状がひどいときはもちろん、熱があっても元気そうだからと風邪薬を飲ませて誤魔化して連れて行っても、結局はお昼までには呼び出しがかかってしまいます。

※余談ですが、以前、生後6ヶ月までにバイキンにさらされていたほうが、アレルギーの出にくい体質になる、という話を書かせていただきました。それと表裏一体の仕組みで、そのほうがおそらく感染症に強い体になるのでは、と最近思っています。0歳から預けられている息子のクラスメイトは、本当に丈夫そうです!対照的に、そうしたことを知らなかった私は、息子が冬に生まれたこともあり、春までまったく外出もさせず用心しすぎたのもいけなかったのでしょうか(遺伝的な体質も有ると思いますが)、彼はもともと元気でやんちゃですが、熱がほとんどないときでも常に風邪気味で鼻水がとまらなかったり、胃腸に来れば治りが悪く、感染症でなくてもすぐ蕁麻疹がでたりと、365日なにかしら抱えている感じです。


というわけで、保育園に無事入れたといっても、きちんと通えない日があまりに多いのが悩みです。実家の母に応援に来てもらったり、主人の職場が近いため、仕事が比較的少ない日は日中看ていてもらって、主人は夜~夜中に仕事場に戻ったりすることも少なくありません(ちなみにそのシワ寄せは休日にどっと来ます。今回の連休も主人は徹夜で仕事、せっかく治った息子も引き続き私と過ごしてばかりで母子ともにもううんざり・・・)。しかしそれも、いつもできることではありません。そうしたときに病児保育・病後児保育のことをよく考えるのです。


しかし、問題があります。


そもそも、病児・病後児保育のサービスが、保育園以上に普及していないということ。江東区でも、区が支援しているサービスもあるにはあります。しかし、広い江東区にたった2箇所、どちらも定員は4名で、流行性の疾患は時期が重なりますから前日までの予約はたいていいっぱいです。こちらは1日2000円と、かなりリーズナブルではあるのですが・・・。ちなみに江東区から始まって東京23区に対象を広げている大手NPOの会員制サービスもあり、いろいろ調べたのですが、我が家くらい頻度が高いと、月会費も馬鹿になりません。病児も預かってくれるベビーシッターはそれ以上にかかりますし、普段からベビーシッターさんにお世話になっていない我が家では、どうも気軽に利用できません。


ちなみに、いずれにしても息子は人見知りが強いので、普段と違うところ・人に預けるのは不安は確かに大きいというのも、正直なところでもあります(病気のときはなおさら私か主人でないとだめなようで困ります)。しかも、病児保育ではさまざまな病気のお子さんが一緒になるので、結局ほかの病気をもらってくるということもしばしばあるようです。


ですから、当面の措置としては、保育園の整備とあわせて病児・病後児保育の普及も検討してほしいところです(なお、民主党は前者はマニフェストに盛り込んでいましたが、後者については触れていません)が、将来的には、育児休暇の問題として、子を持つ親の働き方の見直しへと社会が動いていってくれないかなあ、というのが本音です。


ちょっと調べてみたところ、フランスでは最長3年、北欧などでは夫婦合計でそれ以上に育児休暇がとれるそうです。そしてそれとは別に、子どもが病気のときは、夫婦どちらでも有給休暇を使えるとのこと。有給休暇がとれるのはアメリカも同じです。ところが日本では、法律上は育児休業が1年ないし1年半、男女を問わず認められているにもかかわらず、それさえままならないのがほとんどの企業の実情です。この法律が最初に制定されてもうすぐ20年近くになるというのに、実際には何も変わっていないのです。


もちろん、経済不況で中小企業の懐事情は逼迫しており、個々の企業の決断でそうした措置を被雇用者に許す余裕などないこともわかります。しかし要するに、もし公的に保育園や病児・病後児保育まで普及させていくとなれば、それは育児の社会的コストを高めることであり、税金をはじめとするお金が今後投入されていくということですよね。非常にざっくりいってしまえば、国のお金の使い道の問題ともいえるわけで、だったらここは一念発起、腹を決めて、育児休業を支援するための措置をもっと積極的に施してもいいような気がするのです。


とはいえ、たぶん保育園・病児保育の整備のほうが、そのコストはかかっても同時に雇用も創出できるしで、国のそろばん上は、育児休業の奨励・充実よりもコストは小さくメリットも大きいのかもしれません。しかし、保育園はまだしも、病気の子供まで親から引き剥がすシステムを充実させることが、本当にこの国の将来の人材育成の上で有用なのか、疑問に思わずにいられません。目先のことだけでなく、そうした長い目で見て、子育て環境が整備されていくといいなあ、と願ってしまうのでした。

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