救急受け入れの改善策、「医師の適正配置もある」 ─ 厚労省課長 コメント欄

投稿者: 新井裕充 | 投稿日時: 2009年10月02日 15:48

 重症の救急患者を搬送するため、救急隊が医療機関に4回以上照会した事例が大阪や東京など大都市部で多く見られることから、厚生労働省の担当者は9月30日の中医協で、「単純に医師を増やすとか単純に医療機関を増やすということだけでは難しい」とした上で、「医師の適正配置というのも、もしかしたらある」と述べた。(新井裕充)

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コメント

厚労省のお役人様が、如何にデータを歪曲して自分たちに都合が良い結論(=医師の強制配置)を導こうとしているのか、よくわかる内容ですね。

>例えば宮城県とか茨城県とか、一部の例外はありますけれども、
>4回以上問い合わせた事例、30分以上かかった事例が全国平均を
>上回った所というのは、一般的に言うと、医師が多い地域に多い


一般人には誤解されていることですが、この地図で赤く塗られている千葉・埼玉・神奈川県は決して医師数が多い地域ではなく、むしろ人口当たりの医師数が著しく少ない地域です。ですから、それらの地域で救急医療が破たんしているというのは、茨城や宮城と同様にデータ通り当然の帰結です。まさかこんな基本的情報を所管官庁の課長様ともあろう方が知らないはずないのですが。

>で、あの......。「手術中」や「患者対応中」とか、
>「自分の所では手に負えません」という意味でしょう。

受け入れ不能の理由は「実はわからない」と言ってのけた張本人が、救急隊の主観で決められたデータを更に勝手に解釈してしまうのですか。そこまでして3次救急の悲惨な実態を隠したいのか?正しいデータに基づく理性的な分析というものなくして、更に医療の現場をかき乱すのは止めてください。

われわれも謎の関係者(遺族団体のこと?)と同じく、
(救急病院の)ベッド満床は改善して欲しいと願っています。

しかしこの認識は酷すぎますね。
>「ベッド満床」というところは、ある程度、人知を尽くせば
>改善できる余地もあるだろう。

今でさえ、当直(宿直)勤務という名で、
時間外手当てを払わずに休日・夜間の急患対応をさせているのに

診療報酬の手当てもせず、訴訟リスクの軽減もしないで
頭を使えば改善できると…

>うろうろドクター様

仰る通りだと思います。また、急性期病院における「ベッド満床」の大きな原因として、

1.診療報酬が低く、常に高稼働率にしておかなければ採算が取れないため、予定外の入院への対応が困難となることがままある。
2.療養病床の削減(これが厚労省内の部署間の連絡不足が原因で過度なものとなったことは既報の通り)により、急性期病院からの後方転送が滞るようになったこと。

があげられると思います。いずれも行政の人為的要因によるものであることは明らかで、「人知を尽くす」なんて大げさなものではないと思います。

純千葉県産 奴隷医師様

仰りたいことはよくわかりますが、
>常に高稼働率にしておかなければ採算が取れないため
はちょっとまずいと思います。医療機関の都合で入院させている人はいないはずです。入院治療が「必要」な方々だけを入院させているはずです。現状は療養病床の削減もあって、「必要度が低下した方」の退院(転院)先が決まりにくいということもありますが、なにより高齢化と病床削減・病院倒産によって「入院治療を必要とされる方」が入院可能病床数より増加してしまっています。だから人知によってどうにもならない事態になろうとしています。

ふじたん様
もちろん医療機関側の都合で入院させているという意味ではありません。高齢化社会に伴う患者増や、地域医療の崩壊による患者一極集中で中核病院では予定入院患者の増加は切実です。この予定入院の患者をなるべく待たせず入院させたい(手術入院の待ち期間が月単位なんてざらです)という他に、経営的見地から空き病床をなるべく作らないように求められるのも事実です。これは行政が決めた診療報酬で経営を成り立たせるためには当然のことで、医療機関には責められる筋合いはありません。各地の自治体病院も経営改善のため行政側から病床稼働率アップを求められるくらいですから。
問題は、来るか来ないかもわからない救急入院を受け入れるための空き病床(=経営的には無駄)を作るゆとりがないことです。

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