メディカルツーリズムのシンポご案内

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2010年02月17日 10:09

以下のようなご案内をいただきました。
実は2月7日に医療構想千葉主催でもメディカル・ツーリズムに関するシンポジウムがあって非常に内容が濃く面白かったのですが、あまりに内容が多すぎたことと、その週に報告しなきゃいけないものも溜まっていたために手が回らずにおりました。
下記シンポも、かなり面白いんじゃないかと思いますので奮ってどうぞ。


シンポジウム 「メディカル・ツーリズムの国際的動向と日本の課題」 のご案内

このたび国際医療福祉大学大学院では、メディカル・ツーリズムに関する連続シンポジウムを開催いたします。第1回目の今回は、「メディカルーツーリズムの国際的動向と日本の課題」と題して、メディカル・ツーリズムの国際的動向をご紹介していくとともに、日本におけるメディカル・ツーリズム発展の可能性とその課題について考えていきます。

ゲストスピーカーには、メディカル・ツーリズム先進国のドイツ・バイエルン州の事情についてお話しいただくデッケンドルフ大学クンフルト博士をはじめ、経済産業省の担当者や医療機関の関係者など、現在日本でメディカル・ツーリズムに深く関わっている方々を予定しております。 皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。

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【タイトル】「メディカル・ツーリズムの国際的動向と日本の課題」

【日  時】2010年3月22日(月曜日、祝日) 13:00~17:30(受付開始12:30)

【場 所】国際医療福祉大学大学院東京青山キャンパス5Fホール(東京都港区南青山1-3-3 4,5F)

【参 加 費】無料(日英同時通訳付き)

【定  員】150名(定員になり次第締め切らせていただきます)

【内  容】
1.「Introduction-メディカル・ツーリズムの国際的動向と日本の状況」
    国際医療福祉大学大学院 医療経営管理分野准教授 岡村世里奈

2.「メディカル・ツーリズムと日本の医療経済システム」
   経済産業省商務情報政策局サービス産業課課長 藤本康二

3.「メディカル・ツーリズム先進国ドイツ・バイエルン州における取り組み
  ー政府・病院・企業それぞれの役割ー」(仮題)
  デッケンドルフ大学 クンフルト教授

4.「メディカル・ツーリズムと病院ーその取り組みと課題」  
   財団法人癌研究会 企画課兼インターナショナルセンター係長 金起鵬

5.「日本の医療とロシア人患者ーファシリテーターの役割と課題」   
   ピー・ジェイ・エル株式会社 代表取締役 山田紀子

6.パネルディスカッション   
  コーディネーター 国際医療福祉大学大学院長 開原成允   
  パネリスト 上記ゲストスピーカー

※詳細は、国際医療福祉大学大学院HP(http://www.iuhw.ac.jp/daigakuin/)
のシンポジウムのご案内の中に、パンフレットがございますので、そちらをご覧
ください。

【お申込み方法】 以下の2つのいずれかの方法でお申し込みください。

1.国際医療福祉大学大学院HPからお申込み下さい。
  http://www.iuhw.ac.jp/daigakuin/

2.パンフレットの裏面に、「FAX申込用紙」が付いておりますので、そちらに
   必要事項をご記入の上、国際医療福祉大学大学院「メディカル・ツーリズムの
   国際的動向と日本の課題」シンポジウム事務局宛(FAX:03-6406-8622)に
  お送りください。

【お問い合わせ先】
国際医療福祉大学大学院 岡村世里奈(okamura@iuhw.ac.jp) 
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コメント

 どこまでのスケールのお話なのかが、演者によって違うんじゃないかなという気がしてなりません。

 2〜3の病院が外国からの富裕層の患者さんを受け入れるという話であれば、自由診療の枠組みと広い意味での経営努力で済むお話で、あとの環境整備は、既存の規制で邪魔になるものをどうするのかを議論する程度で終わるのかも知れません。

 しかしながら、やがては国際収支に影響するようなスケールのお話であれば、これは富裕層に限った話でもなければ、国内事情を軽視できるような話でもありません。

 投入されるべき人的資源の養成から、その原資、あるいは外国からの患者に提供する保険の国際的決済システムに至るまで、医療界の知らないことをたくさん学び、また関係する各業界の協力を仰がねばなりません。

 さらには日本が最も苦手とする(お手本がないという意味での)独自の制度設計までこなさないと、数字に表れるようなものにはならないでしょう。

 特に医療保険の決済をどうするのかは、やっかいな問題です。アメリカの無保険者層を対象にするなら、彼等に安い保険を売りつけることまで考えねばなりません。

 興味深い問題ですが、議論は今始まったばかりという印象を受けます。

米国の医療費は高いので、日米の運賃や滞在費を考えても日本で治療を受けさせた方が安く付くと計算しているあちらの保険者はいるようですね。
あとは、医療機関の受け入れの問題でしょう。経営上プラスと考えれば受け入れるところはあるんじゃないでしょうか。

>あとは、医療機関の受け入れの問題でしょう。経営上プラスと考えれば受け入れるところはあるんじゃないでしょうか。

その医療機関は日本の医療保険に入っていない外国の患者に対して保険診療の現物給付はできないから、そこに勤務する医師はすべて保険医登録をしないで実費の自由診療のみを行うということになりますね。
混合診療は療養担当規則で厳しく禁じられており違反した場合医師は保険医登録が、病院は保険医療機関指定が抹消されますから。
保険医登録が出来ない場合病院では上記の理由から保険診療に携わることが出来ず、医師は臨床の場で治療医として経験実績を積むことができません。
日本の医師にとってすべて自由診療の病院に勤務するメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか?

> その医療機関は日本の医療保険に入っていない外国の患者に対して保険診療の現物給付はできないから、

 この場合の「保険診療」は外国の医療保険ということになるだろうと思います。現に(日本では)無保険の外国人居住者に対して医療提供している医療機関はありますし、同時に日本の健康保険を持つ人々に対しては普通に医療サービスを提供しています。

 また、日本の健康保険を持つ人々であっても、労働災害や交通事故など、然るべき事由があれば別財源からの支払いを受け入れています。保険医療機関であっても全額自費の自由診療であれば提供して支障ないと考えます。

 外国人であっても、全額が外国の医療保険からの支払いであれば支障はないだろうと思います。

 もちろん、相手が外国人であってもその診療の一部を私費や外国の健康保険で行い、同時に一部を日本の健康保険で行うということは混合診療禁止の原則に抵触してできないと考えます。

 付言すれば、現行の制度化でできないということと、整合性のある新たな制度設計をするということはまた別問題です。

 必要且つ合理的な制度導入はあって然るべきと思います。

皆保険制度は医者にみせる・病院にかかる時に発生する高額の費用について講に参加する人々が少額を積み立てておいて必要な時に用立てる相互扶助の頼母子講制度を全国に拡大させたものです。
少なくとも保険に加入していない人の治療費の面倒を見るものではありません。
完全に自費で無保険者への診療を行なうのであればその収入は保険医療の医療費に計上されるべきものではなく別経済となります。外国人患者の場合には民間療法や統合医療などの商業経済に算入されるべきものでしょう。

すくなくとも「医療福祉」大学で制度を論じる合理的な必要性に欠けるテーマであると思います。

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