メニュー至上主義

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2017年05月02日 14:45

昨日の堀米のエントリーを読んでいて、興味をそそられる記述に出会った。


児玉教授は、「これまでは、低亜鉛血症に使える薬がなかったので、むやみに調べても患者さんに不安を与えるだけなので、積極的に調べなかった。結果、見過ごされている」と説明します。


治療法がないなら調べても仕方ない、調べるのはむしろ非倫理的、というのは多くの病気に関して言える真実と思う。私自身も、『ロハス・メディカル』誌2016年9月号の「あなたが医療を使う時」という記事で、そういう趣旨のことを書いた。


しかし、栄養素の欠乏は話が別だろう。なぜなら、食事を改善するという「治療法」があるからだ。「薬がない」のと「治療法がない」が必ずしもイコールでないということに気づくことすらできないのだとしたら、医療の教育は大きなところで間違えているのでないか。恐らく診療報酬を取れないからやらないということなんだと思うけれど、それにしてもやっぱり何か間違えていると思う。


イノベーションが必要だ。

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