金芽米がロハスなワケ

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2006年07月29日 21:35

昨日の続き。


これを論じる前に
私が考えるロハスの定義をしておきたい。


1)関係するシステムの総体として環境負荷が低減することで
かつ
2)競合者を除くステークホルダーの誰一人として
耐え難いような不便を感じないもの
できれば
2')ステークホルダーのすべてが
何らかのメリットを感じられるのが望ましい
さらに
3)何らかのイノベーション(革新)が起きていれば素晴らしい
ということになる。


ちょっと難解な書き方になってしまった。
要するに
1)は、その環境負荷が
本当にsustainableなレベルのものなのかは問わず
以前より少しでも良くなっていれば許そう、ということ。
2)2’)は、誰からも不平・不満の出ないものが良いということ。
3)は分かりますね。


1)の態度を取ると
真性エコの方々から非常にお叱りを受けるのだけれど
遠回りのようでも一般の人を無理なく巻き込んだ方が
トータルの環境負荷は低くなっているはずと考えている。
また、常に少しでも良い方向へ動き続けていけば
最後は随分良いところまで行けるはずだ。


で、話を戻して「金芽米」である。
それぞれの基準に当てはまるか見ていこう。


1)の議論をするには
米のとぎ汁が水質汚濁の原因になっていることを
知っていただかないと、いけない。
金芽米はBG無洗米の技術を用いているので
米をとぐ必要がない。
水も節約できるし、河川の汚濁も防止できる。
さらに、取れたたぬかを土壌改良剤として使用できるので
田から取れたものを田へ返すという、かなり美しい循環が成立する。
金芽米があろうがなかろうが
米や肥料の輸送にかかるエネルギーは大差ないはずだし
精米にかかるエネルギーも大差なかろう
ということで、1)は満たす。


2)であるが
金芽米、実は若干高い。
一般に5キロ1980円程度で売られているのと同程度の
グレードのお米が精米方法の違いだけで2380円程度になる。
でも、その分栄養価が高く、味も濃い(試食してみた)。
消費者がその差額を喜んで払うならば
ステークホルダーは誰も損しない。
むしろ、増大した価値の分け前にあずかれることになる。
今のところ荒川静香効果もあって、バカ売れしているようだ。
よって(2)も満たす。


3)は何といっても、この精米法である。
これでこそ技術立国ニッポンというもの。
素晴らしいじゃないですか。

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