アンケート |
|
投稿者: 真木魔愛 | 投稿日時: 2006年10月06日 22:39 |
病院職員になって2年目、
つまり拓殖大学躰道部のHさんを含む新入職員を迎えた春、
私は総務課人事として、そのオリエンテーションの企画運営を担当しました。
マナー研修は、自ら病院職員向けオリジナルテキストを作成してトレーナーの役割も担いました。
私は、このオリエンテーションの最後に、80名近くの新人全員に匿名のアンケートを実施しました。反省点を今後に活かすのは当然のことだと思っていましたし、新人は自由に意見を述べました。
その中には自動車保険の案内や消防訓練などは省いてもいいのではという内容もありました。
これ(新人にアンケートをしたこと)を聞いた院長は、
またもや、逆鱗しました。
「なぜサルと同じ程度の新人に意見を述べさせるのか、それも匿名で。
卑怯な手段を使うな。新人にもの言わせた奴は誰だあ~~~
外から赴任したベテラン医師だって三ヶ月は、とにかくこの病院のやり方に従ってもらう。そして徹底的に従って覚えた後に初めて意見を言えるものだ。
それを最初から文句とは何事だあ~~~
全員の辞令を取り上げよ。やりなおしだ。全部やりなおしだ」
「内容の全てが文句だったわけではありません。
学校を卒業して、大部分は国家資格保有者で、給料を貰う立場の新人が、
なぜサル扱いなのか?
私はサルと同程度の人間を採用するために時間を浪費したつもりはありません」
歯向かう言葉は、いっそう院長を逆上させました。
ちょうど病院に赴任したばかりの事務長の初仕事は、
病院中に散らばる新人80名から辞令を回収することになってしまいました。
そして、私は即日人事担当から外されました。
数日後、院長室で
「病院はあなたがいままで仕事をしてきた世界とは違う。
相手をよく見ろ。
研修の成果は自分が病院中をみて回って、自分の足と目と耳で確かめるものだ」
と院長は声高く厳しく諭し続けました。
新人に軍隊的教育を施さざるを得ない病院の特異性や、院長一人にかかる全職員の重責・・・・
そんなことを、ようやくおぼろげに感じています。
昨日の「ふりかえり:アンケート分析」とこの事例は状況が違いますが、
「アンケート」という言葉を耳にすると、今でも「ひやっ」とします。
それで、また書いてしまったのでした。
コメント
院長室の愉快な仲間たち、思い出します。
この御仁は愉快なお人だと思えます。
私は真木さんのおやりになった事、とても良いことだったと評価したいですね。
馴染まぬ前の屈託の無い意見はフレッシュで大切なものです。
たとえば経験不足で分からぬ事は教え、納得させれば良いわけです。
同じような経験が有ります。新卒の一兵卒が大企業のトップより優れた資質や、考えを持っている事だって皆無とは言えません。
年長者に勝てないものは長い人生の経験と生き抜いて行くための智慧にしか過ぎません。
良い意見は新入社員で有ろうとファイルして、生かさなければ宝の持ち腐りになってしまいます。
独裁は時に必要不可欠な場合もあると考えますが、所詮人間一人の能力など、たかが知れております。
三人寄れば、、、何とかとも言いますね。
それで人事異動などとても考えの及ばぬところです。
軍隊教育の必要性、その一は、戦いに勝つための手段なのです。
この手段を大きくはき違えたのが、
旧日本の陸海軍です。
結果は惨敗でした!!
この国では自分の意見や考えを持つ人は忌み嫌われます。
村社会を乱すからです、、、、。
何時までたっても大人の国になれぬ謂われですね。
>m,n。様
ありがとうございます。
今さらながら、何だかとっても、ほっとしました。
経験と知恵が無いものは、まず、忍耐と我慢・従順することが最初だと今なら少しわかります。
『惨敗』と『大人に国になれぬ』は、ズシリと響きました。
真木さんのコメントを読ませて頂き、改めて何を記したかと自分のコメントを読み返してみました。
訂正しなければならぬ単語を発見致しました。
私は手段と記してしまいましたが、手段では無く、目的です。謝って訂正申し上げて置きます。