医師免許を眠らせないで。 |
|
投稿者: | 投稿日時: 2006年11月11日 14:36 |
昨日収録した番組。
テーマは「現場を離れざるを得ない女性医師」。
女性の医師は年々増えています。
しかし、結婚、出産、育児といったライフイベントにあわせて
現場を離れざるを得ない女性も、
30代半ばをピークに増えているのです。
この時期は常勤の女性医師は50%しかいないというデータもあります。
取材したのは1歳の子を育てながら大学病院で働く研修医。
育児休暇もなく「好きなだけ休んでくその間は無給」という待遇だったそうです。
病院内の保育所も看護師と事務職員優先で利用できず、
朝、実家の母親に子どもを預けて出勤し、
月曜から土曜まで働いています。
当直も週に1回あります。
彼女は「いまのままの状態で仕事を続けていくのは難しい」
と考えています。
一方スタジオゲストだった大阪の女性医師は、
上の子の産休をとったときに保育園を探しまくり、復帰。
下の双子は、院内に保育園があったので、
一緒に出勤帰宅することで両立が可能になったといいます。
当直はママさん医師2人1組でオンコール体制。
夜中病院から電話がかかってきたら、
子どもの手配がついたほうが先に病院へ行くというシステムになっているのだそうです。
しかし以前は、医局の派遣で病院に行っていたため、
育児休暇をとるとなると医局が別の医師を補充しなければならず、
もしくは残された医師の負担が増えるので
非常に嫌がられたということです。
新医師臨床研修制度で、大学が医師不足となっている現在はなおさらです。
さらに問題は育児支援だけではありません。
1年間のブランクは医師にとっては非常に大きく、
薬も治療もどんどん変わっていくために、
復帰に際して非常に勇気がいるそうです。
そのために復帰先は中核病院などを避けてしまう女性医師もいるそうです。
最近、女性の働きやすい病院の認定が始まり、
現在3病院が認定されています。
取材した大阪厚生年金病院は、働きやすいシステムを決め細やかにつくりました。
結果、女性だけでなくすべてのスタッフが働きやすい病院となったそうです。
これは、女性の多い小児科の教授をしていた院長の発案。
東京女子医大では復帰に関する研修システムをつくり、
今月から本格始動したそうです。
さまざまな支援システムは、まだ始まったばかりです。
取材した女性医師たちが口をそろえて言う「医者は男社会だから・・・」ということばを
裏切る発想が求められています。
医師免許を取得するまでの教育にはたくさんの税金もつぎ込まれています。
女性医師の比率が増えるとともに、
その離職が与える影響も高まってしまいます。
医師不足が危惧されるいま、
女性医師の現状を知り、私たち患者のためにも、
医師免許を眠らせないサポートが急ピッチで進むことを願ってやみません。
そんなことを感じた番組収録でした。
<<前の記事:(総合的学習を創る11月号) インフルエンザ予防接種 ~アンプル編~:次の記事>>
コメント
非常に大切な論点ですね。
資格を持った人が野に埋もれてしまう現象は
看護師でも起きているようで
実にもったいない話だと思います。
ロハス・メディカルの特集(2特)テーマに良いかもと思いました。