アバスチンと相場記事

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2007年06月01日 17:21

現役の新聞記者時代から
為替や株の短信記事で
上がったり下がったりの理由が
まことしやかに書かれているのを見て
「こんなの誰に取材して、どう裏取りしてるのかな」
と疑問に思っていたが、やはり
当てずっぽうの書いたら勝ち信じる方がアホ、の類らしい。


まず今日の日経新聞「株式往来」欄。
◇全面高の中にあって、悪材料が出た銘柄は逆行安を演じた。主力の治療薬で今後安価な競合品が出るとの見方から、中外薬は5%超下げた。T&Gニーズは下落率9%と、東証一部の値下がり率トップ。今期の減益予想を嫌気する売りがこの日も止まらなかった。


もっともらしいことが書いてある。
だが1日前のロイター電を読んでみると、いかがだろうか。
いかに日経の記事が何も取材していないか、よく分かる。


それはそれとして、ロイターによれば
血管新生阻害剤「アバスチン」の薬価が思いのほか安かったため
中外製薬の株価が下がったという。
確かに他国と比べれば安いのかもしれないが
製造原価から見て本当に安いのか? と素朴に思う。
日本の薬価が安すぎるから新薬の開発・投入で後回しにされる
そんな見方をする人もいる。
実際のところ、どうなんだろう。


この薬価算定の問題は
近いうちにロハス・メディカルでも取り上げてみたい。

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