虚報 |
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投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2007年08月12日 15:57 |
一昨日の厚生労働省死因究明検討会に関して
東京新聞にこんな記事が出ていると教えていただいた。
医療事故 患者死亡時は報告義務
新組織で検証 違反機関には罰則
2007年8月11日 朝刊
私の傍聴記を読んでいただいた方には分かると思うが
これは明確に虚報・誤報である。
義務付けの点と罰則の点について
委員から異論が出て、意見が一致しなかったからだ。
なぜこんな虚報が出たのか。
厚生労働省の意向が働いているのでないかと邪推したくなる。
今後の展開に要注意である。
(以下、リンク切れに備え、記事も引用しておく)
医療事故の原因について中立的立場で究明する新たな組織創設を目指している厚生労働省の検討会(座長・前田雅英首都大学東京大学院教授)が十日開かれ、患者の死亡事例を対象に新組織への届け出を医療機関側に義務付けることで委員の意見が一致した。
報告を義務付けるのは、疾患が原因で死亡したのかどうかが不明の場合など、何らかの疑問があるケースに限定する。
カルテを改ざんしたり、警察への届け出を見送ったりするなど、医療機関の「隠ぺい体質」が問題化していることから、事故が疑われるすべての事例を調査できるようにすることが必要と判断した。届け出を怠った場合には何らかのペナルティーを設ける方針で、近く検討会で出された主な意見を「中間報告」としてとりまとめ、公表する。
現行の医師法では、死因がはっきりしない「異状死」は二十四時間以内に警察に届け出ることになっているが、検討会では「届け出先は原則として新組織にすべきだ」との意見が大勢を占めた。
ただ明らかに過失が疑われるケースに限り、これまで通り警察に届け出るべきだとの指摘もありこの点については各委員の主張が対立。「明らかな過失」の判断基準や調査の過程で遺族の声をどのように反映させるかなど細部も決まっていない。検討会は年内に最終報告書をまとめる方針だが、結論が出るまでにはなお曲折がありそうだ。
新組織は国土交通省航空・鉄道事故調査委員会になぞらえ「医療事故調」と呼ばれている。検討会の委員は医師や弁護士、医療事故被害者の遺族ら十四人で、四月から計七回の会合を開いた。
これまでの意見を集約すると、新組織は行政機関の中に置き、医療の専門家らで構成。遺体の解剖や関係者からの聞き取り、カルテの調査などを基に死亡事例が「事故」かどうかを検証する。調査に法的な強制力を与えるべきだとの意見も根強い。
コメント
この記事、共同通信社の配信記事だったようですね。
新組織への報告義務付け 患者死亡時、医療機関に
2007/08/10 17:32 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200708/CN2007081001000466.html
>中村利仁先生
お知らせありがとうございます。
共同の記者というのは
配信用にたくさん記事を書くので
傍聴に行かず厚生労働省のレクチャーを元に記事にしたのでないかと思います。
となるとレクチャーが問題になります。
マスコミ向けのレクチャーとしても、議論の中身や方向性と違うことを言ってしまうのは頂けません。
やるなら自分自身や役所の意見である旨、はっきり言うべきでしょう。
>中村利仁先生
共同通信の配信が全部で3本
あるとの情報を得ました。
3本通して読むと共同の記者は傍聴していたようで
しかも事実を故意に歪曲しています。
とんでもねえ!の一言です。
改めて本日エントリーを立てようと思います。
記事のリンク切れに備えてコピーしておきます。
医療事故 患者死亡時は報告義務 新組織で検証 違反機関には罰則
2007年8月11日 朝刊
医療事故の原因について中立的立場で究明する新たな組織創設を目指している厚生労働省の検討会(座長・前田雅英首都大学東京大学院教授)が十日開かれ、患者の死亡事例を対象に新組織への届け出を医療機関側に義務付けることで委員の意見が一致した。
報告を義務付けるのは、疾患が原因で死亡したのかどうかが不明の場合など、何らかの疑問があるケースに限定する。
カルテを改ざんしたり、警察への届け出を見送ったりするなど、医療機関の「隠ぺい体質」が問題化していることから、事故が疑われるすべての事例を調査できるようにすることが必要と判断した。届け出を怠った場合には何らかのペナルティーを設ける方針で、近く検討会で出された主な意見を「中間報告」としてとりまとめ、公表する。
現行の医師法では、死因がはっきりしない「異状死」は二十四時間以内に警察に届け出ることになっているが、検討会では「届け出先は原則として新組織にすべきだ」との意見が大勢を占めた。
ただ明らかに過失が疑われるケースに限り、これまで通り警察に届け出るべきだとの指摘もありこの点については各委員の主張が対立。「明らかな過失」の判断基準や調査の過程で遺族の声をどのように反映させるかなど細部も決まっていない。検討会は年内に最終報告書をまとめる方針だが、結論が出るまでにはなお曲折がありそうだ。
新組織は国土交通省航空・鉄道事故調査委員会になぞらえ「医療事故調」と呼ばれている。検討会の委員は医師や弁護士、医療事故被害者の遺族ら十四人で、四月から計七回の会合を開いた。
これまでの意見を集約すると、新組織は行政機関の中に置き、医療の専門家らで構成。遺体の解剖や関係者からの聞き取り、カルテの調査などを基に死亡事例が「事故」かどうかを検証する。調査に法的な強制力を与えるべきだとの意見も根強い。