一病~リウマチ~息災徒然ノート19

投稿者: 真木魔愛 | 投稿日時: 2007年09月01日 15:00

出産後のリウマチ2

1998年4月、
大学病院リウマチ・アレルギー内科の
主治医が変わりました。

鈴木先生は、
大学を辞して開業されることになりました。

随分後になって聞いた
大学病院人事に関するニュースは、

リウマチ・アレルギー科の教授が定年退官され、
教授選が行われた結果、

筑波大学出身以外で
初の快挙を遂げたのが
弱冠43歳の
住田孝之教授だった、

この教授選挙は
リウマチ・アレルギー内科の
人事異動に大きな影響を及ぼした、


ということでした。


私の主治医は、
自動的に
新任教授として着任された

住田先生に代わりました。

大学病院の診療開始は
午前9時です。

が、住田先生は
誰よりも早い午前8時から
診療を始められていました。

それでも、

「大変お待たせしました。
今朝、何分お待ちになりました?」

「オーダリング、診察じゃなくて、
まるでパソコンスクールみたいですね」

「看護婦の対応や、
駐車場、受付など他の場所で
何か気づいたことがあったら
何でも言って下さい」

さらに、

ケルン留学のご経験があり、
ドイツの話題になると、
とても朗らかで饒舌でした。


大変気さくで、
大学を変えていこう
という気迫が漲っていました。

少なくとも
私が肝炎入院中の教授回診で、
垣間見た前任教授の印象とは
大きく異なりました。

(一患者にとっては、
教授先生でも、大学院生でも、
日ごろの診療には
全く関係のないことなのですが・・・)

でも、
職場復帰を数ヵ月後に控え、
リウマチが再々燃している最中、
MTXの効果が現れない私は
苛立ちのあまり、

住田先生には
当たってばかりで、
常に詰問調でした。

「どうして痛みが取れないのですか」

「なぜ、MTXが効かないのでしょうか」

「もっと(薬の)量を増やせないのですか。
でも、ステロイドは顔が浮腫むので嫌です」

「他の治療法はないのですか」

「もうすぐ育児休暇が終わるのですが、
仕事ができるようにしてほしい・・・」

住田先生は、

「僕達も、
患者さんの痛みが取れるように
日々頑張っているのだけれど、
もう少し待って。

もう少ししたら、
安全で良い薬が
たくさん出ますから・・

もう少し時間をください」

とちょっと悲しそうにおっしゃいましたが、
私には
その場の慰めとしか受け取れず、

『そんな悠長なことを
言っている場合ではない、

私は
痛いんだよ!』

と、泣き叫びたい気持ちでした。

人伝に別の治療法が
良く効くと聞きつければ、

「他の病院(整形外科)に
関節注射を打ちに行きます」

と住田先生に堂々宣言し、

早速、
手足の指関節に
直接ステロイドを注入してもらいました。

これは対処療法としては、
よく効いて
驚くほど楽になります。
腫れも引きます。

でも、頻繁に打つと
骨がボロボロになります。
また非常に痛い注射です。

他にも、
漢方薬や、ショウガエキスをはじめ、
民間療法にも頼りました。

病院で処方される
リウマチ薬の服用は、
続けましたが、
藁をも掴む気持ちでした。

厄年に父親が亡くなって、
リウマチになって、
それは
厄払いが足りないからだと忠告した友人がいて、
「そんなものか」
成田山に厄払いにも
行きました。

『リウマチの激痛が消える』
『リウマチのあっと驚くすごい新療法』
『常識が一変!これが今一番のリウマチ克服法』

同様の見出しの本を見つけては、
目を通しました。


それらが、
功を奏したかどうかは別として、

この時期、
私は決して絶望しませんでした。

先の見えない日々に、
一筋の光明を見いだそうと、
その為にはどんなことでもしたい
気概に満ちていました。

それは、

乳飲み子を目の前にして、
本能的な高揚だったのかも知れません。


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コメント

真木様
ただただ感心して読ませて頂いております。
住田教授からG先生に代わられた経緯などは多分これから記載されるのだと思えますので質問は控えます。

住田先生、そうだったのですか。
大學病院では皆さん忙しすぎるのですね。

また真木さんの立場まで追いやられると、本当に藁をも掴みたくなるお気持ち、良く理解できます。

リウマチばかりでは無く、他の膠原病、難病を苦に自殺を選んでしまう人もおりますが、
生く事よりも、死す事の方がづっと楽に思える立場に追い込まれれば、あながち非難は出来ぬ様な気が致します。
貴女のブログを通して、この病気の辛さの本当が良く理解できます。
口には出さなくとも、皆さん、貴女のような苦しみと格闘しながら生き抜いて来られたのかと思うとき、本当に心が痛みます。

患者のその様な苦しみを全く理解もせず。訴えかける患者に対して、リウマチだからしょうがないとにべもなくはねつける医師もいるようですが、
考えて見れば残酷な事だとも思えます。

次回をお待ち致しております、、、、。

>M,NAKAMURA。 様

住田先生がつくばに赴任された直後、
土浦保健所で難病リウマチについてご講演をされたことがありました。


大勢の聴衆の後ろから、
私が質問したら、

住田先生、最後に真剣なお顔で、

「貴方の主治医は誰ですか?」

と聞かれました。

数回外来でお世話になっていたのですが、

こんな感じで・・トホホ


この質問のおかげで、
ようやく患者として認識していただくことができました。

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