今回の記事でいちばん「やっぱりね」と思ったのが、

>蛇口を手でひねったら元の木阿弥。手を拭いたペーパータオルで蛇口をつかんで閉めるのが正しいそうです。

というところ。いつもそこが気になっていたのです。

とくに、家では蛇口だけの問題ですが、レストランなどだと、お手洗いで手を洗った後に、蛇口の問題に加えて（最近は自動で水が出たり止まったりするタイプも増えていますよね。でも、石鹸がないところもあるのですが・・・。）、その部屋からドアを開閉して出なければならないことがありますよね。そうしたときに、ノブに触れなければならないことがあり、「ああ、意味ないなあ」と思っていたのです。
（ペーパータオルがあるお手洗いでは、それも何とか蛇口と同じ要領でクリアできるでしょうか。でも、いちいちノブまでそんな風にするのも実際には厄介なんですけどね。）

それはさておき、「あわあわ手洗いのうた」をさっそく、柏餅（今日はこどもの日ですね！）を食べる前に、実践してみました。

ビオレのサイトに出ているビデオでは、独自のメロディがつけられているんですね。が、しかし。この旋律は非常に覚えにくく、音程が全体的に低く、どうも暗い感じでとても歌いにくいです・・・。

ということで、私は「あわあわ手洗いのうた」のやり方を覚えた上で、『もし亀』×２の鼻歌に乗せて洗うことをお勧めします。にしても、30秒って、意外と長いですよね。他では15秒という話も聞きましたが、きちんと時間をかけるに越したことはないのでしょう。

一方、アルコール消毒のほうは、とてもお手軽です。気になることといえば、ささくれがあるとしみることと、そのままにしていると手が荒れるというウワサ、また、ノロウイルスにはアルコール消毒は有効でないという話、くらいでしょうか。

で、手荒れに関して実際どうなのか、調べてみると、なかなか面白い文献を発見しました。

「アルコールゲル擦式手指消毒薬の手荒れ防止効果」
（『環境感染誌』　Vol.23　no.4,　2008）

結論としては、ゲル状のアルコール消毒薬のほうが、液体よりも手荒れを防止する効果があるということだそうです。最近、そういうタイプも家庭用に市販され始めていますね。

にしても、この文献の中で知ったのは、手荒れは消毒の徹底あるいは効果という点でも好ましくないのだということ。引用してみます。

【手指に付着している細菌の伝播は、医療関連感染を引き起こす可能性があるため、患者及び医療従事者の手指消毒が重要であることは知られている。しかし、実際には手洗いや手指消毒が遵守されていないのが現状である。その重要な要因の一つとして、手荒れが考えられている。】

【手荒れとは、皮脂膜がはがれ、その下の角質水分が蒸発により失われ、皮膚が乾燥状態から落屑、角質の硬化、亀裂、紅斑、かゆみといった症状が起こることをいう。通常は時間が経てば皮脂膜は復元されるが、その前に手洗いや手指消毒を行うと、回復しかけた皮脂膜がまた剥がれ、更に汗腺もふさがり、水分が供給されない状態になる。それにより、細菌付着が容易になり、最近汚染を引き起こし易くなると考えられている。そのため、手指消毒薬には高い殺菌効果とともに手荒れの少ない薬剤が望まれる。】

へえ！読めばそうなんだと納得ですが、一般にはあまり知られていないことですよね。手が乾燥しているほうが、細菌がつきにくいようなイメージがあったのですが、逆だとは・・・。衛生面からもスキンケアはしたほうがよいということなんですね。

となると、外から帰ったら、①手洗い（ゲル状のアルコールで）、②うがい（水でいちおう）、のあとは、③きちんとハンドクリームでスキンケアを、というのがベストでしょうか。もちろん、外ではマスクも着用しておいたほうが無難ですね。

さて、もうひとつ、ノロウイルスのほうは、やっぱりアルコールじゃダメなんでしょうね。まだ一部でしぶとく集団感染等起きているようですが。ちなみにアルコールの殺菌効果もその濃度によって全然違うという話もきいたことがあります（100％よりも70％くらいがいいとか？）が、そういう問題ではないのだとか・・・。どうなんでしょうか？　そうすると、インフルエンザに関してはアルコールでOKだけれど、やっぱりノロウイルス等が心配だったら、よーく水で洗い流すのが大事、ということなんでしょうね。

おまけ。近親者がアメリカから帰国しました。機内検疫の様子。テレビとおんなじですね。本人は「体調は万全」と言ってます・・・。