今こそコンビニ受診やめようキャンペーンを

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2009年05月06日 16:22

厚労相「診察拒否は医師法違反」 新型インフルで

舛添要一厚生労働相は6日、新型インフルエンザ発生国への渡航歴がないにもかかわらず、発熱などした人が病院で診察を断られたケースが相次いでいることについて「医師法違反だ。医者の社会的義務として対応してもらいたい」と、不快感を示した。新型インフルエンザ対策に関する厚生労働省内の会議で述べた。
 発熱などの症状を示した人への診察拒否については、東京都が5日までに92件を確認しており、厚労省も全国の実態把握に乗り出している。
2009/05/06 15:55 【共同通信】

ちょっと待ってほしい。

 新型インフルエンザに感染したら大変なのは、抗がん剤治療やステロイド治療などで免疫機能の落ちている人、体力の低下している人だ。そういう人は一般に医療機関に入院したり通院したりしている。健康な人なら自力で克服できるものが命に関わる。

 それを前提に考えてほしい。

1、健康な人の発熱の中で命に関わるものがどれ程あるか?
2、2日から5日というのは休日ではないのか?
(断られたものはコンビニ受診でないのか?)
3、発熱を訴えた人が確実に新型インフルエンザでない保証があるのか?
(確定まで検査にどれ位の時間かかる?)

 入院している人たちのリスク回避と、発熱した人が診察してもらえるベネフィット、これはトレードオフの関係になっている。

 外から新たな資源投入がない限り、どちらも満たせというのは無理だ。しかもリスクとベネフィットとが余りに釣り合わない。「医師法違反」などと言って、院内感染が発生したら、誰がどのように責任を取るつもりなのか。マスコミが責任を取らないことだけは断言できる。

 むしろ不要不急の受診は控えようと国民に対して言うべき絶好機だったのに、せっかくの機会を逸したと思う。

<<前の記事:趣向を変えて・・・第二弾 「命の値段」。    PMDA(医薬品医療機器総合機構)の不思議-特集1「医薬品審査」 コメント欄:次の記事>>

トラックバック

■薬も検査キットも無いのにどうしろと? 発熱で都内の診察拒否92件=新型インフルに過剰反応?−都まとめ http://headlines.yaho... 続きを読む

コメント

某病院の外来処置室では、マルクをやっている白血病患者のベットと、肺炎で入院待ちのご老人がマスクもせず横になっているベットが、薄いカーテン一枚で隔てられている。

ここに新型インフルエンザの患者が紛れ込んだらどうなるだろうか?

検疫の感度が100%でない以上、海外渡航歴は無く、帰国した人との接触歴が無い人が新型インフルエンザ国内第1号として発見されることが十分あり得る。
その場合、その患者さんは最初にどこで診察を受けるだろうか?

検疫に力を入れるのも良いが、国内の医療機関のあまりにも粗末な状況を何とかしないと(もちろん、その病院の長の能力も関与するだろうが)いけないと思う。

臨床の最前線に立たされている人を断片的な情報で批判しては、現場の士気が下がるでしょうね。

「諸君、担当医は、院長命に背き患者の診察を放棄した。受け入れ態勢がないから医療は出来んと言って患者の診察を勝手に断りよった。これが病院か。病院は受け入れ態勢がなくても受け入れをしなければならないのだ。検査キットがない、やれタミフルがない、リレンザがないなどは診察を放棄する理由にならぬ。

(中略)

担当医には応召義務があるということを忘れちゃいかん。病院は公立である。市長が守って下さる・・・」

以下、訓示は一時間以上も続いたため、当直明け通常勤務後の残業の連続で、抵抗力の落ちている医師がウイルスに罹り、病気で抵抗力の落ちた入院患者および外来患者に伝染する事態となった。

…。
……。
………。

感染者や感染者疑いを受け入れる、院内感染を防ぐための態勢が整ってないのに、「応召義務云々」で無理に患者を受け入れたら、院内感染が起きて「病院自体が感染源」になってしまう危険性があるんですよね…。

感染者を受け入れるための準備が整っている「発熱外来」ならともかく、検査キットも無い、リレンザが無い、タミフルも無い、院内感染を防ぐための設備も整えられてない一般病院では、患者を受け入れられなくても仕方がないと思います。

●タミフル・リレンザは既に出荷制限がかかっており現在は指定病院にしか入荷されない。各病院におけるそれらのストックも(当然ながら)万全ではない

●インフルエンザ検診キットは消費期限が短く、この時期に一般医療機関におけるストックはまずない。もし追加生産されても、それらは指定病院や検疫機関へ最優先に出荷される為、一般医療機関には入荷されない。

上記のように受け入れ体制が不充分な一般医療機関にてそのような患者を受け入れ、新型インフルエンザによる集団院内感染が発生したら誰が責任を取るんでしょうかね?

> 厚生労働省内の会議で述べた。

 伝聞情報で、ウラも取っていない記事のようですね。最低限でも、この内容を語った厚労省幹部の名前が書かれていないと、記事としての信憑性がありません。これを取り上げて政治家の失言として騒ぐわけには行かないでしょう。

 ただし、杜撰な一連の報道に、現場の医師達は怒っています。これを書いた記者や大臣の発言として記者に話した厚労省幹部は、どう責任を取るつもりなんでしょう。

事務連絡 平成21年5月6日
各都道府県衛生主管部(局)医務担当者 御中

厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部
国内未発生期における発熱外来を置かない医療機関
への発熱患者の受診について

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090506-02.html

私がお世話になった地域の中核総合病院(500床程度)は、おじいちゃんおばあちゃんや、具合の悪い人、ケホケホしながら走り回る子どもたちが、数十人、長時間同じ空間で待たされるシステムです。これを(も)改善しないことには対応できないんじゃないでしょうか。

病院にいって、インフルエンザや風邪を移された、なんて話も耳にしたことがあります。

トイレの水道の栓も古いタイプだし、トイレに入るのに扉を触らなくちゃいけないし。


余談ですけど、採血室の採血ホルダーの使いまわしはもうやめてくれたかなぁ。。。

>発熱を訴えた人が確実に新型インフルエンザでない保証があるのか?

渡航歴がなく、発熱を訴えた人が新型インフルエンザである確率が
どの程度のものかによると思うのですが


>都筑てんがさん
>感染者や感染者疑いを受け入れる、院内感染を防ぐための態勢が
>整ってないのに

高熱の方=感染者疑い、と言う事になっているのでしょうか。
そうであるのならば納得です

>病院に行く市民の立場から見た待合室様
まさに現場目線のコメントありがとうございます。
私もロハス誌メンテナンスのために日々病院の巡回をしておりますが
地域の基幹病院であっても
一般患者と疑い患者とを完全に分離する術なんてなさそうな所が多いです。
新型インフルエンザの患者が来てしまったら
もはや処置なしと考えている医療機関も多いのではと愚考します。

>しま様
危機管理は、最悪の事態を想定して動くのが部分最適になりますよね。
で、現場が部分最適を指向するのは
司令塔たる厚労省を信用していないからです。
検疫をすり抜けて、既に日本にも患者はいるんじゃないの、と皆思ってます。
信頼したくないから信頼しないのではなく
過去に何度も裏切られてきたトラウマがそうさせるのです。
不幸なことです。

本日、渡航歴のない患者は一般診療所で診察せよとのお達しが回ってきました。

しかし、国内発生が確認された上

タミフルもリレンザも、検査キットさえも入荷待ちの状態となっています。
こんな状態で、発熱患者の診療しろという方が間違いですね。

正当な事由がないのに、診療を拒否すれば、医師法第19条違反になりますが、特に罰則はありません。

第19条 診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

しかし、2年に一度の厚生労働大臣への届出を怠ると、50万円以下の罰金に処せられます。

この届出が出されているかどうかは、医師等資格確認検索
http://licenseif.mhlw.go.jp/search/
で、すぐに分かります。

この検索で名前のでない医師は、偽医者か、医師法第6条第3項違反で、罰金刑に処せられる医師です。

第6条第3項
 医師は、厚生労働省令で定める2年ごとの年の12月31日現在における氏名、住所(医業に従事する者については、更にその場所)その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年1月15日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならない。
 
第33条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
1.第6条第3項、第18条、第20条から第22条まで又は第24条の規定に違反した者

インフルエンザ感染=発熱
ではありません。高熱が出ない、或いはほとんど平熱の感染者がいます。なぜなら、インフルエンザウィルスが発熱させるのではなく、人間の体が免疫機構として自ら発熱させているからです。
また自己免疫性疾患やがん、あるいは感染症であっても胆のう炎など全く伝染性のない発熱もあります。

それでも発熱外来は必要ですか?

コメントを投稿


上の画像に表示されているセキュリティコード(6桁の半角数字)を入力してください。