約4割の産科施設、今年度中に出産費用増額を予定―厚労省研究班 コメント欄

投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2009年06月22日 10:48

厚生労働省の研究班(可世木成明・日本産婦人科医会理事代表)の調査に答えた分娩を取り扱う施設のうち、約4割を占める703施設が今年度中に出産費用を増額する予定であることが分かった。(熊田梨恵)
 
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コメント

都市の平均年収は高いが、年収の最頻値は不明。たぶん、全国でそんなに差はないはず。
都市部は家賃などの固定費も高いため、可処分所得で考えると、むしろ低い可能性もあると思います(推定ばかりですいません)。

ところが、お産の費用は高いのですね。
これでは都市部で子供が産めないはずです。

また、地方の中核病院は pricing を間違ってます。
定価は高く設定して、低所得世帯には応分の補助をすれば良いのです。
どうせ同じ税金から出て、帳簿上で病院の赤字になるか、社会保障費になるのかの違いだけです。

自らの施策が産科医療の崩壊を招いているなどとは「善意溢れる」地方議員および地方公務員は感じていないでしょう。これがもっとも業が深い気がしますね。

分娩の費用は健保の「療養の給付」ではなく、レセプト点数表という国家統制価格の対象外である。つまりは保険外の自由診療であって、価格決定は需要と供給のバランス、消費者の価格負担能力、競争関係にある同業者の価格水準などの要素で決まる。

>研究班は、
>医師数や産科病床数、分娩数などは分娩費用総額と相関せず、
>「地域住民の所得水準」と「分娩費用が安い公立病院がある」
>に相関性があるとした。

医師数や産科病床数、分娩数などは分娩費用総額と相関せずとは、需要と供給のバランスという経済学の原則が働いていない、すなわち供給の不足と需要の過剰が、バランスの取れる限界を超していることを示している。

そして「地域住民の所得水準」と「分娩費用が安い公立病院がある」
に相関性があるということは、消費者の価格負担能力と、競争関係にある同業者の価格水準に大きく影響されていることを示す。

でも、コレって、自由化による新規参入などで低価格競争が激化し、業界が悲鳴をあげているタクシー業界と、状況はソックリじゃなかろうか。

国民皆保険による価格統制が緩和され、自由診療や自由価格の範囲が広がったときに医療機関の経営環境がどうなるか、非常に示唆に富む興味深い検証報告であろう。

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