国立がんセンター、手術件数回復の裏にある問題 コメント欄

投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2009年06月06日 16:19

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 麻酔科医不足が深刻となっていた国立がんセンター中央病院(東京都中央区、土屋了... 続きを読む

コメント

自転車操業のよくあるパターンに陥っているという醜態です。

予算制で運営しているのだから、すぐ先の危機というのは当たり前のように予測されるのに、病院責任者の危機感の無さと、反省の無さはなんなのだろう?

ヒトに金が出せないのなら、診療体制を縮小して運営するのが当然なのに、半年だけ運営出来たらその先は知らないような無責任経営とは・・・・

非常勤で雇う以下に常勤が貶められているのなら、どうして常勤になる理由があるのだろう?

勤務医を巡る正規職員・非正規職員の待遇は、一般の正規・非正規の関係からすると大きく捻じれている。

雇用に関して、国立がんセンターは落第である

常勤に薄く、非常勤に手厚くするこのねじれ現象は、この常勤・非常勤問題以外にも「新規参入者にのみ手厚くする」と言う括りで捉えると医師を取り巻く雇用環境にはもっと数多く見られます。

例えば、地方大学の医局に所属する医師が地方病院へ派遣されているのに、医局員不足から教授が新入医局員に対して関連病院の人気病院での研修を入局の条件にしたりすると、以前からの医局員は延々地方回りをさせられてしまい、挙げ句の果てに医局を去っていく、と言う光景をみかけます。

「貧すれば貪する」とでも言うのでしょうか、こう言った新規参入者にのみ手厚くしようとして以前からの人間に愛想を尽かされ、結局は人手不足に陥ってしまうと言う姿には本当に人間の愚かさのようなものをいつも感じています。

こんなに非常勤医に手厚くしてしまったら肝心の常勤医が去っていくのは当たり前のことです。まあナショナルセンターだから、それでもネームバリューでやってくる人がいるのかも知れませんが、こんなことを地方の病院や大学でやってしまったら、その時点でその施設・医局の志気は一気に下がることでしょう。

今の医療など現場の医師の志気だけで辛うじて保っているようなものですから、それさえ奪うような愚行を犯せば残るのは途方に暮れた患者さん達と大赤字だけになってしまうのは当たり前のことです。

医療を意図的に崩壊させようとしている官僚がやるならまだしも、仮にも現場を経験している医師ですら、上に立ってみて追い詰められるとこんなごく当たり前の人としての心理すら分からなくなるのが不思議でなりません。

 医師給与については、常勤医よりも非常勤医の方が時給換算で数倍高いという状況が大昔から続いています。経営主体の公私を問わず、都市部であると地方であるとをも問いません。

 このままでは常勤医の確保が難しくなり、非常勤医に頼ることになると、徐々に経営の安定性が毀損されていきます。

 病院の公私を問わず、この理屈がわからない人事担当者には未だかつて会ったことがありません。それでも皆どうしようもなくこれまで来ています。

 流れの方向性としては、アメリカのようなattenndings制に移行していく可能性が高いのかなと思います。ただし、病院と医師の力関係では、日本の方がさらに病院の権限が小さいということになるのかも知れません。

 これが麻酔科以外の他の診療科に波及していくのは時間の問題でしょう。特に現在40歳未満の若年層は養成数がそれまでよりもさらに1割削減されており、補充の方法が無いために病院側に決定権がありません。

 全体の不足に対して早く手を打たない限り、なるようにしかならないだろうと思います。

内科では、医師を非常勤で雇用したとしても、給与を上回る利益を得られることが多い。多くの民間病院で、非常勤の外来バイト医師で診療が成り立っている。麻酔科は事情が違うのだろうか?

非常勤でも麻酔科医を雇用して手術件数を増やすことは、病院全体としての利益を増加させると考えられる。

自転車操業ではあるが、ナショナルセンターは常勤医師の給与が低すぎてリクルートが困難であり、当面の対策としては致し方ない。

問題は、利益が増えても国庫に入ってしまい、運営自体は予算でやらなければならないことだろう。

また、つねに本省の方を向いて仕事をする事務サイドは扱いにくいだろう。
しかも、院長にはその人事権すらないと来た。

そういう状況を考えると、がんセンターの舵取りは誰がやっても困難。

今の院長のことは詳しく知らないけど、すくなくとも歴代の院長よりは経営問題について問題意識を持ち、意見を表明していると思います。

>非常勤でも麻酔科医を雇用して手術件数を増やすことは、病院全体としての利益を増加させると考えられる。

要するに出る財布と入る財布が別物というところが問題なんですね.本来なら投資すれば回収できる場合経済的には何の問題も無いのですが,ナショナルセンターでは「支出」はあくまで「支出」であって,それに対していくら「収入」があろうが別計算されるわけです.支出が予算枠を超えればそれでおしまいで,得られた利益から還元されることがないからこんなバカな問題が生じるのです.財政システムを根本から見直さなければダメなんです.それだけのこと...

>麻酔科が充実することで手術件数が増えれば、手術料から賄うということも考えられる。

手術料は、術後管理を支えている超安月給のスタッフに払ってあげてください。非常勤の麻酔科ではなしに。

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