国立がんセンター麻酔科改革が地域に波及する-宮下徹也氏、後藤隆久氏インタビュー コメント欄

投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2009年06月29日 10:54

インタビュー
宮下徹也氏(国立がんセンター中央病院第二領域外来部長、手術・緩和医療部グループ責任者、写真左)
後藤隆久氏(横浜市立大大学院医学研究科生体制御・麻酔科学教授、右)

 
 「国立がんセンターは他がやっていることを追随するのではなく、新しいことに挑戦していくべき組織」(宮下氏)「現場から実績を示していくことができれば、日本の医療が変わる」(後藤氏)-。昨年秋、麻酔科医不足に悩まされた国立がんセンター中央病院は手術部門の再建に舵を切った。その立役者となった宮下徹也部長と、彼の出身大学の教授としてサポートを続ける後藤隆久・横浜市大教授の話を聞いた。(熊田梨恵)

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コメント

 そもそも大学の麻酔科のバイト麻酔、出張麻酔というものに地域医療に対する麻酔科の存在意義のアピールという性格を明確にしてこなかったこと、かけもち麻酔をしてでも、基幹病院の麻酔を管理し、手術室を管理するということをせずに、他科の麻酔科標榜医との連携なども真剣に行ってこなかったことが、社会の中での麻酔科医への認知不足を引き起こしたということがわかっていない。ガンセンターの問題を解決しただけで、麻酔科医への無理解を解決したことにはならない。どこで手術を受けてもかならず麻酔科医がいるという状況ができない限りは、問題解決にはならない。

 がんセンターの記事、素晴らしいですね。小さくてもいいので、具体的な問題を一つずつ解決することが重要ではないでしょうか?

 問題分析は、すでに不要です。あとは後藤教授や宮下部長のような行動で示すことが求められています。

今回のインタビューでいくつかのキーワードが出てきたように思います。
「ラストチャンス」の意味も語られていましたし、それ以外にも例えば下のような話が印象に残りました。

>医療制度や政策に対して文句ばかり言う医師もいますが、実際に提言できることをしていかないと、厚労省側も「ではどうすればいいのか」と困るでしょう。現場からのモデルケースとして、『これができる』と示していく必要があると思います。

まさに然りでしょう。最近は行動にうつす人も増えてきたのはいい傾向ではないかと思います。

>麻酔科医に対するリスペクトがない組織だとそういうことにもなると
麻酔科に限らず、世で「マイナー」と称される分野はえてしてそのような傾向があるように思います。どの分野であっても頑張っている人たちに対するリスペクトは必要に思います。

少しうがった見方をしてしまう自分が嫌になりますが、

>こうした動きは地域の基幹病院にも影響していくと思います。
>私たち現場からモデルを示していくことで、医療が変わって
>いくのではないかと思います。

近隣に数々の大学病院があり、毎日5-6人もの潤沢な非常勤医師を送ってもらえて、当初予算の数倍に達するバイト謝礼も国にお願いすれば捻出できる病院なぞ、国がんの他にはあり得ないと思います。一体どのようにして地域の病院へと波及していくのでしょうか。

なぜ麻酔科医が足りないのか

もともと麻酔科専門医は著しく不足していました。多くの麻酔は外科医などが短期研修を受けて麻酔を担当していました。

麻酔事故←麻酔経験が不足←専門医が実施すべき←地位向上が必要

という論理で麻酔科専門医のかける麻酔の手技料を大幅アップさせて非専門医の手技料を赤字が出るほどにしました。特定機能病院では実質不可能にしました。
しかし麻酔科専門医を増やす努力は医学教育の中ではほとんど行っていません。待遇改善も進んでいないどころか専門医の不足が待遇を悪化させています。そして掛け持ち麻酔が増えて、麻酔の危険性が高まっているのではないかと思うこともあります。

本質的問題に目を向けずに、個人の頑張りを美談としてたたえることは、何の解決にもなりません。

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