海水浴、怖いのはクラゲですが・・・。 |
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投稿者: | 投稿日時: 2009年07月09日 01:08 |
毎年、本州の多くの海岸で、7月1日に海開きが行われます。今年も次々と海水浴場がオープンしていますね。まだまだお天気は安定しませんが、気温はじわじわと上昇中。土日と晴天が重なれば、かなりの人手が予想されます。一方、今年も既に台風がちらほら日本近海に出現し始めています。台風が強い雨と風を連れてくるのは当然ですが、同時にもうひとつ、やっかいなものを運んできてしまうんですよね――そう、クラゲです。
ということで、今回はクラゲ刺されたらどうなる、どうする、そして予防グッズについても調べてみました。
ちなみに、海外ではこんな人もいるそうです。
●40分間大量のクラゲに刺され続けて無事に生還
(GIGAZINE 2009年6月10日)
この人に比べれば何と言うことはありませんが、私も小さい頃、海水浴で何度かクラゲに刺された記憶があります。いつの間にやられたかわからないのに、とにかくピリピリ、ちくちくするんですよね。また、小学2年生の夏、海で遊んでいたら突然サイレンが鳴り、「オキノエボシが発生しました」というアナウンスが海水浴場に流れました。人々が先を争うように一斉に浜に引けて、それまで芋を洗うようだった海辺が急にきれいさっぱり、などという光景も、鮮明に脳裏に焼きついています。
こうしたクラゲのピークは夏の後半、8月に入ってからの海水浴ではありますが、それでもあらかじめ傾向と対策を知っておいてよいのではないでしょうか。
まず、クラゲには、刺すクラゲと刺さないクラゲがいるそうです。なんでも、クラゲは腔腸動物の一種で、からだの約95%が水分。ものを考える脳がなく、どんなに大きくてもプランクトンといえるのだとか。そしてさらに、
●刺胞動物 触手にいわゆる毒針があり、“刺すクラゲ”。
●有櫛動物 触手を持っている種もあるが毒針は持たない、“刺さないクラゲ”。
という2つのグループに分けることができるとのこと。なお、人が痛いと感じるくらい強く刺すクラゲはごく限られた数種類とのこと。いわゆる電気クラゲと呼ばれるようなクラゲですね。一方、海水浴やいろいろなところでよく見かけるのは、ミズクラゲと呼ばれる最も一般的なもので、いわゆる刺さないクラゲなのだそうです。私の家は河口付近にあるので、このところ、よく満潮時には川をクラゲが多数上っていきます。あれもそうなんでしょうね。また、小さい頃浜辺を走っていて、打ち上げられているクラゲ(直径20cm程度)を誤って素足で踏みつけてしまい、ドキッとした覚えがあります。そのときもなんともなかったので、ミズクラゲだったのでしょう。クラゲ=刺すというイメージがありますが、遭遇率で言うとたいしたことはないのかもしれませんね。
とはいえ知らないクラゲには安易に触るのは、やめておいたほうがよいようです。
というのも、もし“刺すクラゲ”だった場合、種類によっては大変なことになりかねません。典型的な“刺すクラゲ”は以下の3つ。
●カツオノエボシ:
傘は青もしくは紺色の風船型で、その下に多くのひもがぶら下がったような形をしている。浅瀬まで来ても、色が海の水に近く、発見しにくい。刺されると電気が走ったかのような激痛が全身に走り、刺された所が直線状に赤くミミズ腫れに。ショックによる死亡例もある。
●アンドンクラゲ:
傘の形は立方体で、高さ2~3cm程度。透明で水中ではほとんど見えないが、赤っぽい4本の触手が目印になる。触手は最大1mほどに伸びる。刺されると痛みを伴い、ミミズ腫れになる。
●アカクラゲ:
傘は直径20cm程で、16本の濃いオレンジ~茶褐色のラインが放射状に走り、触手は1m程にもなるが切れやすい。刺されると火傷に似た痛みが走り、ミミズ腫れや水ぶくれになる。(これはまれに、川を上るミズクラゲに交じっています!けっこう身近にいるんですね。)
でも、もし刺されてしまったら・・・
皮膚に触手が残っていたら、そっとはがし、陸に上がってアルコールをそっと塗ります。触手が皮膚についたまま、その上をこするのは絶対ダメ。まだ発射されていない毒針が出てきて、より多くの毒 を体に注入することになるそうです。その後、クラゲにやられ慣れていない人は、かならず皮膚科の病院に行ってください。 人によってはアナフィラキシー反応(強いアレルギー反応)が出ることがあるためです。クラゲに刺されて数分以内に症状が進行し、呼吸困難などが発生した場合、死に至ることがありるのです。症状の見落としはもちろん、軽く見たり、様子を長く見過ぎて放っておくことのないよう注意しましょう。アナフィラキシー反応が出ていたら、即救急車を呼ぶようにします。
ちなみに、私が小さい頃は、かなり痛かったは痛かったですが、もっと軽く考えていました。あれらは上記3つのクラゲではなかったのでしょうか。そのときは、とりあえず真水で洗ってもらい、キンカンか何かをぬっってもらったような記憶があります。それじゃダメなんでしょうかね。アナフィラキシーショックのことを考えたら、だめなんでしょうね。皆さんはきちんと皮膚科を受診してください。
なお、スゴイ商品が今は出ているみたいですね(別に回し者ではないんですが)。
クラゲと同じ腔腸動物のイソギンチャクにクマノミはやられませんよね。そうした仕組みを利用したものらしいです。どの程度効くのかは分かりませんが・・・。評判を見ると、ヌルヌルしていてそのヌルヌルが取れたら効果もなくなるそうで、水に入って遊ぶ以上、持続時間が思ったより短めで塗りなおしが大変という意見もありました。でも、クラゲ刺され経験者としては、これくらいの価格であの痛み・不安が解消されるなら、試してみたくなります。
とはいえ、今回確かめたように、もっとも一般的なミズクラゲは触れても大丈夫なんですよね。そもそも日本の海水浴場では、上に挙げたような“刺すクラゲ”が発生すれば通常アナウンスがかかって遊泳禁止になります。そう考えると、やはり過度に心配する必要はないということでしょうか。でも、万一刺されてしまった時は、とにかくこすらずに!できればすぐに皮膚科へ、と、これだけは頭に置いておくことにします。
個人的には、今年もまだ全然、海水浴の予定も立っていませんが、2歳の子どもに海というものを教えた方が(触らせた方が)いいだろうな・・・と考えている今日この頃です。場所柄、“泳げない海”は意外とすぐそこにあるはずなんですが、道路や線路や建物に阻まれて、海の存在を全く感じずに生きています。ちょっと残念ですね。(あ、クラゲの川上りからは、なんとか海を連想するわけですが・・・。)
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