入院期間の評価、「病床規模の差はほとんどない」 ─ 厚労省 コメント欄

投稿者: 新井裕充 | 投稿日時: 2009年08月18日 10:22

 「病床規模による差はほとんどない」「大規模病院や特定機能病院ばかり優遇されない」─。厚生労働省の説明が揺れており、「新たな機能評価係数」をめぐる議論は迷走している。(新井裕充)

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 まず、議論の構造としてですが、どう言葉を飾っても、価格を決めるということは増減を決めるということに他なりません。DPCでどういう医療機関が増え、どういう医療機関が減るのかを決めているわけです。

 議論の中身の問題としては、コストや医療資源投入量で議論している限り、その増減は充分に機能しません。

 また、いつまで病床規模で議論しているのか、本当に疑問に思います。比較的似たような機能を果たしている大規模病院でもその効率性には大きな差違が存在しますが、中小規模ではやっている医療そのものが全く違うと言ってもいいような病院群がひとまとまりになっています。DPCだから急性期だろうなどどいうのは大きな勘違いです。

 病床規模で分類するよりも、まず効率性で分類してみると、全体像が分かります。

 病床数は在庫としての在院患者数の近似値に過ぎませんから、入退院患者数を職種別職員数で割ったものを使うと良いでしょう。

 人的資源の無駄遣いは最も避けられるべきであり、その効率性の高い病院が好ましい存在だからです。

 大学病院等で効率性はその差違が激しく、しかし平均すると非常に低くなっており、むしろ中小規模病院の中にそれを上回る高い効率性のものの含まれます。

 重症度等でこれらを補正することは必要でしょうが、現実には、大学病院等では看護職員の効率性が非常に高くなっていて医師のそれは低くなっています。どういう重症度指標を採用したにしても、看護職員から見れば軽症の患者が医師から見ると重症などという現象がうまく説明できるとは思いません。

 価格の調整をする前に、その意味するところ、背景となる現状の分析をきちんとする必要があるのではないでしょうか。

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