久しぶりに更新します。

投稿者: | 投稿日時: 2009年09月08日 17:05

皆様、久しぶりに更新させていただきます。実はこのたび、新しい命を授かりました。現在、妊娠4ヶ月目で体調も安定してきたので、ブログを再開させていただくことになりました。これからまた、妊婦という視点からも思うこと、気になることなど書かせていただければと思います。長らくご無沙汰してしまいましたが、よろしくお願いいたします。(ちなみに、今になってのご報告となったのは、やはり「妊娠の心得」に習わせていただいたものです。)


さて、いま一番気がかりなのは、やはり新型インフルエンザです・・・。

ロハス・メディカルのサイトを訪れてくださる皆さんは、私よりもずっと新型インフルエンザについての情報を集めていらっしゃる方も多いかと思います。そして、私よりずっと鋭く、ときに専門的な観点から、問題点を指摘し、疑問を感じていらっしゃるに違いありません。それでも、このところ素朴に気にかかってしまうことが次から次へと出てきます・・・。


●ワクチンの優先接種について。

厚労省は先日、ワクチン接種の優先順位を発表し、意見を募集し始めました。インフルエンザの患者を診る医療者が最優先されるのは当然のこととして、リスクが高いとされる妊婦が2番目のカテゴリーに入っていること、そして第3番目のカテゴリーに2歳の長男も入るということは、このとおりに接種がスムーズにいくなら、個人的には正直、大変助かります。また、第4番目に1歳未満の子供の両親が入っているのも、1歳までワクチンが接種できないことを考えると、納得のいく措置です。ちなみにテレビでは幼児の親からの優先接種を希望する声も紹介されていましたが、リスクの大きさで言えば、幼児自身がワクチンを打てるのならそこまで求めるのは難しい話ですよね。


さて、素朴な疑問ですが、妊婦が接種すると、その抗体が臍帯を通じて胎児に伝わり、効果を発揮する、と聞いたことがあります。その真偽、効力のほどはどうなのでしょうか?それはいったいどれくらいの期間、持続するものでしょうか?とても気になります。そしてそれに関連して、些細な話ですが、臨月を迎える妊婦の夫をはじめとする同居家族は、現在の優先順位だと、赤ちゃんが生まれてから急いでワクチン接種を受けることになります。ワクチンを接種してから抗体ができて効果が発揮されるのに少なくとも2週間、長いと1ヶ月かかるという話も聞きます。そういう意味でも、生まれてくる赤ちゃんがきちんとお母さんから抗体を引き継ぐなら心配ないですが、そのあたり、どうなのでしょうか?いずれにしても、この秋から冬に赤ちゃんが生まれる家族は、運悪くその間にかからないことを祈るばかりです!


ちなみに、高齢者の接種順位は、検討項目には入っていますが、今のところ特段の措置は決まっていないようです。若者の感染者が急増しているために、いわば後回しということかもしれませんが、季節性インフルエンザを見ても重症化することが多いのですから、いったん老人ホームなどで感染者が出れば、たちまち広がって命を落とされる方も出るのではと危惧するところです。(そのため、医療者だけでなく介護師の方々も優先接種を、という声もあるようです。確かに10代のヘルパー方など、若い介護関係者も増えていますから、その方たちから感染を広げないためにも必要かもしれません。)


●とにかく早く打ちたいけれど・・・。

さて、優先順位は高い妊婦ですが、国内のワクチンの総量のみならず、接種できる医療機関が限定されることや、いざ打てるようになっても希望者が殺到するのではないか、などと考えると、打とうと思ったときにスムーズに打てるのか、打てるのはいつになるのか、など不安はつきません。


そもそも、こうしている間にも、子供や夫が保育園や職場から新型インフルをもらってくるのではないかと毎日びくびくしています。実際、我が家の隣町の保育園で、すでに患者が先月発生しています。そして数日前には、主人の職場でも感染者が出たそうです。子供はいくら言って聞かせても、おもちゃをしゃぶってみたり、すぐに手を口に持っていったりして、予防接種前に流行すれば感染するのは避けられないと半ばあきらめの境地。主人も、職場で一人だけ一日中マスクをしているわけにもいかないようで(そういう空気ってありますよね)、自衛を徹底することもままならないとのこと。というわけで、運を天に任せているのが現状です。特に子供が持ち込むと、用心しているはずなのに、たいていもらってしまうので、予防接種が先か感染が先か、時間勝負と覚悟せざるをえません。


●感染してしまってから、についての不安。

ですから感染してしまった時の不安もかなりあります。患者が想像以上に急増した場合、タミフル等の抗ウイルス薬は本当に足りるのか、という点については、誰もがそれなりに気になる点ではないでしょうか(もちろん逆に、日本ばかりがそんなに掻き集めていいのか、倫理的にも生物学的にもいろいろ問題が指摘されていますが・・・)。


現在、備蓄量は目標をほぼ達成して、4000万人分を超えているようです。しかし、この目標がどこから出てきたか、「過去の流行事例などから検討をつけているのではと思いますが、要するにあくまで予想ということですから、蓋を開けてみなければ分かりません。最初はバンバン処方していて(それほどに医療機関にスムーズに行き渡るのかもわかりませんが)、途中で「足りなそうだ」と制限などかけられたら、いろいろなところから不満や被害が出ないかなあ、と思ってしまいます。もちろん素人の取り越し苦労だといいのですが・・・。


さらに現場では、すでに診断に必要な簡易検査キットが不足しているという話も伝え聞きました。たとえばタミフルは、発症から48時間以内に服用すべきものといいます。発症当日には受診できずに翌日になってしまうこともよくありますから、もしキットの不足のために診断が遅れ、服用がさらに1日遅れたりしたら、これはけっこうな問題、というわけです。現場ですでに起きている事態ですから、明日にも患者となりかねない立場としては、他人事ではありません。


そして本日付の報道では、都内の病院に感染者が殺到し、他の患者への感染を防ぐために救急外来が6時間も閉鎖されたといいます。私たち妊婦は血栓ができやすかったりして、救急搬送される可能性も、妊娠前より高くなります。万一のとき、ただでさえ“受け入れ不能”が取り沙汰されてきた救急が、しかもインフルエンザ患者が急増してあちこちで機能を6時間も止めていたら、どこまで運ばれていかねばならないのでしょうか・・・。そうした事態に陥らないためにも、また、自分がインフルエンザにかかったときのことを考えても、地元の診療所でインフルエンザ患者の受け入れ体勢が整い、うまく回っていくといいのですが、同記事にもあるとおり、各地の医療機関で医師も看護師も不足しています(これは今に始まったことではなくて、ずっと以前から指摘されてきましたが)。また、受診前の電話相談についても、以前経験したような対応だったら、設置してもしなくても同じことに思えます。


ヒトの不足は、モノ以上に早急な解決が難しい部分です。ですから想像以上に患者が急増した場合、たとえタミフルは足りていても、医療機関で迅速な対応が受けられなくなる可能性があるということですよね。考えれば考えるほど、不安ばかりが出てきてしまいます。


●いま自分がやろうと思うこと。

久しぶりの更新で、このところのつもり積もったものを思いのままに書いてしまいました。新型インフルに関する報道は連日マスコミを賑わせていますので、皆さんにとって目新しい問題ではなかったかと思いますが、とにかく今後も個人的にも注目しつづけようと思います。そして一個人としてできることを地道にやっていこうと思います。手洗いうがいや、行く場所によってはマスクの着用もそうですが、今、インフルエンザに感染したらどうしたらいいのか、どういう手順で、どこを受診したらいいのか、といったことも適宜確認していくことが大切ですよね。自治体ごとにも対応は少しずつ違ってきますし、何よりマス相手の情報を受身で聞き流しているだけでは、自分が受診できる病院など具体的にどう動いたらいいか、一番肝心な部分は分かりません。さらには時間の経過とともに、状況が変わっているかもしれません。だから自分と自分の家族に直結する情報を、自分からコンスタントに取りに行かねば、と改めて思うのでした。

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