足立政務官、マスメディアへの憤りぶちまける コメント欄 |
|
投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2009年11月09日 14:04 |
昨日の『現場からの医療改革推進協議会』に登壇した足立信也厚生労働大臣政務官が、6日夜の会見に関して、「これだけ重要なデータを出したのに一紙も出てない」とマスメディアに対して憤りを見せた。会見の発言内容は既にお伝え済みだが、グラフをお示ししていなかったので、ここに掲載すると共に昨日の政務官発言のうち該当する部分をご紹介する。(川口恭)
<<前の記事:病院と診療所の外来は「同一の医療サービス」? ─ 再診料の議論開始 コメント欄 厚生労働省を質問攻めにする嘉山委員 ─ 11月6日の中医協で:次の記事>>
コメント
NEJM に掲載されたオーストラリアのデータが、人口比でICU入室となった患者数データを出しています。日本の数字とはだいぶ様相が異なります。
Published at www.nejm.org October 8, 2009 (10.1056/NEJMoa0908481)
Critical Care Services and 2009 H1N1 Influenza in Australia and New Zealand
The ANZIC Influenza Investigators
> 日本の数字とはだいぶ様相が異なります。
そういうことがあるので、国内統計も必要なんですね。
数字は違っていて当然です。
まずオーストラリア・ニュージーランドのデータは、シーズン終了後のデータであり、はやり始めの分布は分かりませんし、年齢階級の分け方も不均等かつ日本の習慣と違います。また発症から入院まで中央値で4日であり日本と少し時期が違います。次に日本のデータですが、基礎疾患なしとありにわけているところまでは良いとして、その先の年齢階級別人口比で見ているところが良くわかりません。おそらく有病率は患者調査をもとにしていると思います。そしてこれをもとに年齢階級別人口の母数として有病者の重症化率を出したのでしょう。ただ、この計算の問題点は患者調査が主に病院に通院している人を調査していることにあり、やや重症に偏った実数よりは少ない患者数を使っていると思われることです。分母が小さくなるので有病者の重症化率は実際よりも高く計算されます。ご用心ください。