長男がポリオにかかっていた!?

投稿者: | 投稿日時: 2010年09月03日 01:23

長らく開店休業状態だったこのブログ、ようやくボチボチ再開させていただこうと思います。(私のプライベートは皆様興味の対象ではないものとご報告もせずに失礼しておりました。←スミマセン!が、2月に無事次男を出産し、おかげさまで2男のママとなりました。)子育てしながらなかなかまとまった時間がとれずにいますが、これはと思う出来事に遭遇した際にはアップさせていただく予定です。宜しくお願い申し上げます。


さて、今回の話はタイトルにあるようにポリオのことです。現在3歳8ヶ月の長男が、そういえば0歳11ヶ月のとき。ちょうどポリオの予防接種を受けた2週間ほど後の朝に、突然、彼の体に異変が現れたのです。

その日は土曜日。実家にいて、私と主人と実家家族みんなでさあ朝食を、と準備しているときでした。となりの和室で寝ていた長男が、そろそろ眼を覚ましてヨチヨチ歩いて出てくるころかな、と思っていたところ、案の定、姿を現しました・・・が、それはヨチヨチ歩きではなく、”ずりばい”でした。ずりばいは、はいはいの前段階、もう数ヶ月も前に卒業したはずです。おかしいな、と見ていると、すぐに彼も好んでずりばいしているのではないことがわかりました。かれは何度も立って歩こうとトライしているのです。しかし立つことさえままならないうちに膝から崩れおち、転んでしまうのでした。どうも左足がぜんぜん機能していない様子。右足で一歩踏み込み、そして左足で支えようとするのですが、全く抵抗もなくぐにゃっとしてしまうのです。ただ痛みなどはないらしく、本人は意外とケロっとしています。


しかし私たち親と周りの家族は皆、驚きうろたえました。いったい何が起きたんだろうという感じです。まだまだ歩き始めたばかりで体勢が不安定なため、転ぶことはしょっちゅうでした。でもそれとは異質な倒れ方、というか、立つどころではないといった異常な状態です。実は私はこのとき、すぐに2週間前のポリオ生ワクチンの経口接種のことを頭に思い浮かべました。しかし、2週間も前のことだし、素人判断ではよくわかりません。一方で、ほかに原因はまったく思いつきませんでした。かかりつけの小児科は休診のため、主人が知り合いの小児科医に電話で相談してみましたが、はっきりしたことは分かりませんでした。そしてそのまま2日間、何もできないままに不安な時間をすごすことになったのです。


結局幸い、症状は2日で回復、長男はまた立って歩けるようになりました。そしてそのまま、そんな出来事もすっかり忘れてしまったのでした。忘れていることができたのは、ひとえに今日、長男が元気に走り回っていられるからですね。この出来事ことをふと思い出したのは、次男の接種の時期が近づいてきた最近になってからでした。しかも時を同じくして、ポリオの会が不活化ワクチンへの早急な切り替えを求め、署名活動を始めたことを知りました。そして2年半以上もたった今になって、ロハス・メディカル上でのポリオの会小山会長の対談やインターネットの各サイトから、ポリオの生ワクチンがもたらす被害をきちんと把握することになったのです。


知れば知るほど、長男のあのときの症状はポリオの予防接種によるものだったのではないかと考えずにはいられなくなりました。気になってロハス・メディカルでもたびたびお世話になっているナビタスクリニック院長の久住先生に伺ってみたところ、「軽いポリオにかかっていた可能性はあります」とのこと。それに、そういえば立てなくなる数日前、長男が39度を超える熱を出していたことも思い出しました。ほかには特に症状がなく、とにかく熱だけが高い状態が2日ほど続き、その熱が下がってちょっと安心していた矢先の出来事だったのです。この点も、ほかの患者さんたちの「麻痺が生じる前に発熱」という経過とそっくり。本当に背筋が寒くなりました。


のどもと過ぎれば何とやらで今は笑って過ごしていますが、一歩間違えば長男ももっと危ない状況だったのかもしれません。次男も集団接種の時期が迫っていますが、私は今、個人的に、安全性の高い不活化ワクチンを接種させようか、という方向へ気持ちがかなり傾いています。実は久住先生も不活化ワクチンの接種を勧めてくださいました。ただ、ワクチンは3回(+追加で1回)接種させるものとされていて、1回あたり6500円。とりあえず2万円が飛んでいくことになります。被害のことをそれほどよく知らなければ、あるいは私のようにヒヤッとした経験がないお母さんなら、無料の定期接種を受けさせようと考えるのは当然かもしれません。


でも、なんだかおかしくないですか?予防接種を受けるのにこんな心配をしなければならないなんて、何か変です。予防のために受けるものなんですよね?


もともとポリオは国内では野生株は根絶されたといいます。ですから普通に生活していたらまず罹らないものなのですが、海外ではまだ流行している地域もあるので念のために予防接種を受けている。だったら当然、予防接種で罹患するなんていう事態は、最大限避ける努力をすべきですよね。ところが国は、毎年数人の被害者が出ていることを把握しながら、なおかつ安全な不活化ワクチンの存在と世界的な普及を知りながら、いまだに生ワクチンの経口接種を積極奨励しているのです。ワクチンの危険性をよく知っていてなおかつ金銭的に余裕がある人以外、そのワクチンを接種して当然、という流れで、「ポリオになっちゃうかもしれないけど一応受けてください」なんて平気で言っているということです。


要するにこの「予防のため」「予防接種」というのは、「あなたの子供にとって予防になりますから」ということじゃないんですよね。そう思わせといて実は「国の中に蔓延するのを予防できますから」と言っているに過ぎないのですね。だってよくよく予防接種法を見たら、ちゃんと最初から書いてありました。

第一条 この法律は、伝染のおそれがある疾病の発生及びまん延を予防するために、予防接種を行い、公衆衛生の向上及び増進に寄与するとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする。

そうなんですよね。国のやることですから当然、国民ひとりひとりの健康よりも、大多数の健康=公衆衛生が大事です。そのためには予防接種による健康被害は想定の範囲内で、別段、意外なハプニングでも何でもないのですよね。(もちろん本当に万が一を想定して備えていただく必要はあるのですけれど。)


これまで、先進国で日本だけが不活化ワクチンでなくいまだに生ワクチンだという事実を知って驚いても、それがどうしてなのか、ぜんぜん理解できませんでした。明らかに本末転倒な事態が何件も発生しているのに(報告されていないものも含めたらもっとでしょうね。ウチももしかしたらカウントされて正確な統計が取られるべきなのかもしれません)、なぜ放置されているのか。なぜ厚労省は怠慢なのか。でも、なーんとなくわかりました。結局それは、厚労省のお役人がどこを見ているか、という問題なのですね。


それにしても腹が立ってきます。だって予防接種によるポリオの罹患は、やっぱり明らかに人災。ほんとうにばかげてます。小山さんたちの署名活動が実を結ぶことを心から祈っています。残念ながらそれを待っていられないので、次男には自衛手段として2万円、痛いけれど、払うことになるんだろうなあ。最後に、百聞は一見にしかずですから、ぜひ下記のテレビ報道をご覧ください。

●Voice 憤懣本舗 不活性ポリオワクチン(2010年8月23日)

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コメント

すべておっしゃるとおりだと思います。現行のポリオ生ワクチンは集団接種なので接種自体は保健婦が行っていますが、ワクチン後ポリオ発症はどの児に起こるか予測不可能です。しかし大きな集団に接種する限り必ず発症者が出るのです。厚労省は直ちに医薬品指定を取り消すべきです。
予防接種は公衆衛生であって医療ではないので接種行為も医療行為ではありません。医療対象となるのはワクチン後ポリオという疾患が発症した時からです。医師が責任を持つのは疾患の診断治療という医療行為の結果についてだけです。
ワクチン接種によって健常人が疾病に罹患した場合その賠償責任はすべてそういうワクチンを医薬品として認可して接種するよう行政執行命令(通達)を出した厚労省にあります。ワクチン接種は公衆衛生行政そのものなのです。
ワクチン後ポリオのリスク上絶対安全な不活化ワクチンの緊急輸入が遅れるとしても、野生株ポリオ国内発症の危険性は極めて小さい現在、代替ワクチンを緊急輸入緊急接種する必要性は乏しいですが、かつて厚労省の責任でMMRや日本脳炎ワクチンを公衆衛生上新たな疾患発生を予防する目的で緊急使用停止の行政措置したと同じように、現行のポリオ生ワクチンを厚労省は緊急使用停止する行政責任があります。

ポリオの会です。堀米様の投稿を拝見しました。実はこういうお子さんたちがかなりいるだろうことを危惧しております。被害者として明らかになる方は氷山の一角で、多くのポリオワクチン被害者が、見過ごされていることを恐れます。お子様は、明らかにポリオにかかられて麻痺を発症されたのだと思います。そして、軽かったので見過ごされたポリオ経験者が、ポリオ後症候群を後年発症したときに非常に重度になることがありますので、心配します。
足の場合は、いざりますので分かることが多いのですが、上肢ポリオの場合、この子は不器用だ、で見過ごされる例が多いのでは、とも気がかりです。ポリオワクチンで麻痺を起したということを記録しておいてください。できれば、一度大病院で受診して下さい。

前々期高齢者さま、小山万里子さま、コメントありがとうございます。

予防接種が医療ではないなんて、多くのお母さん達はきっとわかっていないことだろうと思います。現場感覚が薄いもしくは欠如したお役人の方々の判断ひとつで我が子の将来が変わってしまいかねないなんて・・・そういう実態を知ったらどのお母さんも、「自治体から集団接種のお知らせが来たから」と単純に予防接種を受けさせられなくなるはずです。ポリオの生ワクチンのこと、ポストポリオのこと、そして不活化ワクチンのこと、より多くの方々に知っていただき、世論を喚起して、状況の改善を促したいです!

また、とくにポストポリオについては、私もこれまで認識不足でした。なんだか我が子がその爆弾を抱えているなんて、今も目の前で元気に飛び回っている長男を見ていると想像もつきません。驚きと憤りと、そして困惑、それが正直な気持ちです。気がかりなのは、小児科医の方々の中にも、こうしたケースについてあまり想定されていない方がけっこういらっしゃるのではないか、ということ。というのも、長男のときに後日、当時のかかりつけ医(2度ほど引越ししたので今は別の方にお世話になっていますが)などにも聞いてみたのですが、接種から2週間以上あいていたからなのか、「まあ、まず心配ないでしょう。関係ないと思いますよ」程度の回答がかえってきただけでした。よく考えたら明らかに異常な事態だったのだから「なんでもない」はずはないのに、目の前の子供が元気になっていたために「そうか。まあ大丈夫か」と深く考えもせずに流してしまった私も私です。長男、アドバイスいただいたどおり記録し、できたら検査も考えたいと思います。

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