「病児保育」と「病後児保育」

投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2017年04月13日 16:42

仕事復帰しょっぱなから息子がロタにかかり(多分)、仕事を休まざるを得なくなった。

目の前で嘔吐や下痢をしている子どもの看病をしながら、予定を変更してあちこちに連絡しなければいけないし、家事もやらなければいけないので、本当に大変だった。

息子は子ども園を3日間休むことになったが、そのうち1日を豊中市の病児保育で過ごした。

箕面市内には病児保育がなかったため、隣の市まで行かざるを得なかったのだ。

箕面市に住むと決めてから、子どもが病気になった時のことを考えて病児保育を調べていたが、箕面市には「病後児保育」はあるが、「病児保育」はないことが分かって困った。

市に尋ねると、「病児」とは病気中の子どものことで、「病後児」とは回復期にある子ども、とのこと。具体的な病児と病後児の境目は、主治医の判断によるという。

息子の場合は、病後児保育について尋ねたわけではないが、「あまり下痢がひどいようだと保育園での集団生活は難しいでしょう」と言われたので、「下痢がひどい」期間は病児に当たるということだったのかもしれない。

病後児があっても病児がないというのは、親にとってはとても困る。病気の真っ最中でも回復期でも仕事があるのに変わりはない。

ほかのお母さんたちは一体どうしているのかと思い、市に尋ねると、市外の病児保育や病児シッターを使ったり、近くに住む親や親せきを頼ったりしているなどと聞いた。

熊田家でも市外の病児保育登録を考えたが、予約がいっぱいで入れないという話も聞くので、豊中市や吹田市にある病児保育3か所に登録した。

病児シッターも探したが少なく、値段も5時間で1万円を超えたりとなかなかお高く(もちろん専門性のある仕事だと分かっているが)、何日も利用するというのは庶民にはちょっと難しそうだ。

今回は豊中市の病児保育に受け入れてもらえたので大丈夫だったが、送迎が遠方になって時間がかかったし、料金もかかる(豊中市内在住だと保育料(給食おやつ代込み)2610円だが、市外だと5830円)。

箕面市に今後病児保育はできていくのかと尋ねたところ、「やっていきたいと考えているが調整中」ということだったのでぜひ期待したい。


◆病児保育の現状

これを機に少し病児保育について調べてみた。
病児保育は大きく3つに分けられ、自治体が運営費を補助し医療機関や保育園などが実施している「病児・病後児対応型」、保育中に具合の悪くなった子ども預かる「体調不良児対応型」、看護師などが自宅を訪問する「非施設型」がある。
全国で「病児・病後児対応型」は1102か所あり、利用者数は49万人(2013年、内閣府)。
国は2019年度に利用者を150万人に増やすことを目標にしている。

様々な記事を見ていると、病児保育の需要は多いものの、施設側からすると当日のキャンセルが多く採算が合わないということもあるようだ。
前日に予約を受けても、当日になったら子どもの体調が回復してキャンセルになることも多いという。
安全に備えて通常の保育所より看護師や保育士の配置基準が厳しい上に、季節によって利用者数が変動するなど、経営が不安定になりやすいようだ。

親の側からすればぜひとも充実させてほしいが、運営側からするとリスクを抱えやすく難しいということも分かる。
そういう部分だからこそ行政サービスでと考えそうになるが、「行政がサービスを提供すると、質は向上せず、費用はかさみ、時にルールが歪められる」という小松俊平氏の言葉を思い出した。
病児保育については様々な民間活動があるが、その意味でも見ていくと面白いかもしれないと思った。

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