医療事故調検討会1
厚生労働省の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」の第一回会議が開かれたので傍聴してきた。
この検討会が、昨日、現場からの医療改革推進協議会が出した意見書の受け取り先にあたる。
こういう検討会は普通かなり退屈としたものだが、なかなか面白かったのでご報告する。
厚生労働省9Fの省議室。写真でもお分かりのように、かなり広い。ただし、100余りの傍聴席が設けられたのに、傍聴しているのは記者も含めて60人ほど。少ない。世の中の関心は高くないのだろうか。
冒頭、松谷有希雄・医政局長が「スピード感を持って議論していただきたい」と挨拶。これだけのテーマで結論を急がせるということは出来レースか? と身構えてしまったが、今日の各委員の発言を見る限り、かなり利害に差がありそうで、今後きっと激しいやりとりになるに違いない。
座長には、事務局(佐原康之・医療安全推進室長)の指名で前田雅英・首都大学東京法科大学院教授が就いた。写真で中央の席が空いているのは、まだ座長が指名される前だったから。根回し済みなんだったら最初から座っておけばいいのに、というのは民間の発想で、手続きが大事なんだろうね、きっと。
その前田座長、声が小さいのかマイクが遠いのか、ゴニョゴニョと何を言っているのか、よく聞き取れない。ヤジを飛ばすわけにもいかず我慢する。どうやら座長は、議事録を公開することで良いかも委員に諮っているようだ。公開しないなんて許されるはずもないし、事前に通告しておけば良いことなので、これも時間の無駄だ。
不明瞭ながら分かったのは、どうやら前田座長に本日与えられたミッションは「診療関連死の死因究明を行う中立・公正な組織を作る」方向でコンセンサスを得ることらしい。検討会を立ち上げている時点で組織を作ると決めているんだろうと思う。その後で前田座長が折々に繰り出した発言を辿ると、要するに厚生労働省は、スピード感を持って、第三者機関を作りたいらしい。役所が組織を作りたがる時にはロクでもない狙いが隠れていることが多いので、この点に関しては、ちょっと注目する必要がありそうだ。
とはいえ、こんなに漠然とした話を、こんなペースで、どうやって「スピード感」を持たせるのかなと思っていたら樋口範雄・東京大学大学院教授が素晴らしい論点整理をしてくれて、一気に話が分かりやすくなった。
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