医療事故調検討会2
次の二川雅之さんは、父親を心臓手術で亡くし、病院との間で民事訴訟を闘っている現在進行中の当事者だという。二川さん側の主張する経過が本当だとすれば(アップ後に本人の提出資料を是非ご覧いただきたい)、確かに病院側の対応は不誠実極まりないのだが、まだ民事・刑事とも結果が出ていないので確定的に言及するのは控えたい。特徴的なのは、事故発生から司法解剖結果が出るまで4年かかり、しかもその結果開示を求めたところ拒絶されたという経験を持つこと。
前田座長
「専門機関は医師が中心になると思うが、医師以外のメンバーで構成した方がよいと思うか」
二川
「私の場合、手術室の中で起きたことは内部告発がなければ分からなかったので、その病院は信用できない。専門機関の委員は医者どうしでも結構だが、ビデオなどの証拠を残すということと、遺族もそこに入りたい」
鮎澤純子・九大大学院准教授
「市民を入れるのか、遺族を入れるのか」
二川
「市民を入れるのは大賛成。でも遺族も必ず入らなければならない」
鮎澤
「海外の例では、遺族が検討の場に入ることで、議論にスピード感がなくなり必ずしも真相究明につながらないという指摘がされている」
二川
「海外のことは存じ上げないが、遺族が望む限り参加するべき」
男性委員
「パブコメの中に一件だけ、医師を完全に除外すべきという意見があったが、それとは立場が違う?」
二川
「はい」
辻本
「ご遺族がいたら話すことが憚られるような内容が委員会には出てくると思う。リスクマネジャーなど中立的な人間が立ち会って、後で正確に内容を伝えられるとしたら、それでも構わないか」
二川
「生々しいのがイヤな遺族は無理に入る必要はないが、すべての目標は真相解明だから遺族がいようがいまいが、議論の内容を変えてはいけない」
この短時間のやりとりでも「真実を知りたいのに、きちんと知る手段が担保されていない」ことへの憤りが、魂の叫びのように噴き出している。現在の制度が、患者家族の慰謝につながっていないことがよく分かる。
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