院内患者会世話人連絡協議会・峯直法副会長インタビュー
--田中先生が主治医だったのですか。
いえ、田中先生が主宰する「ももの木」には移植患者が大勢参加しているんです。それで移植後に誘われて「ももの木」に参加したのが、一緒に活動するようになったきっかけです。
――ところで、院内患者会世話人連絡協議会というのは一体何ですか。
院内患者会というのは実にすばらしいものなので、全国の一人でも多くの患者さんがその恩恵に浴して欲しいと思っています。だから全国に輪を広げようと田中先生と意見が一致しまして、そのためには設立マニュアルが必要だということになりました。
マニュアルを作るからには机上の空論を書いても仕方ないわけで、先行事事例を踏まえて実情に即したものにしようということで、全国の患者会の方々に問い合わせをしたんです。そうしたら、それぞれ苦労・悩みはあるもので、皆さんが他の患者会の様子を知りたがるのです。だったら情報交換のための団体を作ってしまえばいいじゃないか、と。世の中に広めていくために、まとまっていた方が都合がよいというのもあります。
――なぜマニュアルが必要だ、と?
院内患者会がまだ少ない理由は、病院側の協力を得るのが難しいからです。というのも、きちんと説明しないと、圧力団体になるのでないかと警戒されて聞く耳を持ってもらえなくなってしまうのです。説明すると言っても、医療者は忙しいし、事務方は基本的に文書ベースで仕事している人たちですから、どちらも口頭では全然ラチがあかない。きちんと文書を作って読んでもらう必要があります。でも、そうなると普通の患者さんにはハードルが高くなってしまいますよね。
だから患者さんが実際に患者会を立ち上げようと思った時、必要になりそうな文書の雛形も全部載せたマニュアルが必要だと考えたのです。先行事例を踏まえた痒いところに手の届くようなものになっているはずなので、きっと役に立つと思います。
――なるほど、今後の課題は何ですか。
患者(家族)サイドはもちろん医療者側にも、とにかくマニュアルの存在を広く知っていただいて院内患者会の必要性や重要性などをよく理解していただくことと、活用していただくことに尽きると思います。このためマスコミを含めて色々なチャンネルを活用して周知啓発していきたいと思いますのでご協力のほどよろしくお願いします。