舛添要一厚生労働大臣インタビュー
――患者・国民がビジョンに対して協力できることは何でしょう。
たとえば柏原病院の例のように、コンビニ診療をやめてください、ということですね。『柏原病院の小児科を守る会』のパンフレットを見て、ウチにも小さな子がいるから、いいなと思って家に置いているんです。この子の顔色がこうだったらすぐ救急車呼びなさい、こうだったら熱冷ましてから呼びなさい、こうだったらこの薬を飲ませなさいとフローチャートで書いてある。あれは、小児科を守る会が自らトリアージの仕方を住民に教えたんですね。それからもう一つは赤ちゃんが調子悪かったら昼間診せなさいと。昼間子供を放ったらかしておいて、夜中にパニくって救急車呼んで、そうするとそんなのが1人で当直しているお医者さんのところへどんどん来る。診ても大したことないのに、その間に本当に緊急の子供が来た時にもう診られない。だからトリアージを国民にもやってもらう。乱診乱療じゃないけど、コンビニ診療をやめる、こういうこと。
つまり、あなた命守りたいんでしょ、お医者さんいなかったら困るでしょ、看護師さんいなかったら困るでしょ、なのに逃げて行ってますよ。くだらない負担をかけるからですよ。無駄な負担をかけないようにしましょう、ということですね。
厚生労働大臣が頑張るとか、お医者が頑張るとか、看護師が頑張るだけで救われる問題ではなくて、あなたが頑張ってくれないとダメ、オールジャパンでやる話なんですよと。やはり患者側の協力がなければ。病気を治すんでもそうですよね。お医者さんの言うこと聴かないで勝手やってたらダメで、やっぱり養生しなさいと言った時にちゃんとやってくれるかどうか、非常に大きいと思いますね。
――予算を取るために患者・国民が協力できることはありませんか。
それは、いかに地域医療が疲弊しているか、最低の安心である、セーフティネットである医療がここまでヒドイ状況になっているとちゃんと訴えることが必要だと思います。最終的には選挙で判断すればいいんでね。いずれにしても、国民がきちんとやるかどうか。やはり大変な状況であることをきちんと知らしめる。それでこっちも協力するから、政府もやってください、と。道路も必要だけれど、目の前で失われかけている命を救うのかどうするのかというのは真剣に考える必要があると思うんですね。
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