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製薬業界再編の号砲 ~中医協薬価専門部会


対馬
「3つある。関連資料の1ページ目を見ると、革新的新薬のイメージがどうも違うような気がする。類似薬がなくて原価算定されたとか、画期性加算されたとか、新たに薬価収載された時の縛りが要らないか。単に全体との乖離率だけでは国民一般が理解しづらい。実際どの程度の対象医薬品が出てくるのか。2点目は8ページ目のシュミレーション。2012年までの3割到達はオールジャパンでやることが決まっているのであって、薬価維持特例があろうがなかろうがやるべきもの。そこから40%にするには色々努力が必要で、そこには要るのかもしれないが2012年までの分まで差し引きしちゃうのがピンと来ない。最後3点目として、意見の2ページ目の3つ目の○。かなり悩みながらお書きいただいたのだと思うが、『既収載品の薬価において、一定程度対応』というのが、特許切れの時の引き下げ幅を特例引き下げでさらに大きくするようなことを言っているのか、それ以前の対象品も一律引き下げでいくようなことなのか、その辺どうイメージしているのか」

長野
「対象範囲に全ての新薬を含めるのはおかしいというご質問からお答えする。その点に関して確かに様々に議論のあった所だが、新薬の薬価算定の際には類似薬参照されたものでも、実際の革新性が上市後に分かってくることも多々ある。なので新薬全体を枠に置いた方がよいのでないかということになった。どの程度が対象になるかというのは最大に見積もっても新薬全体の50%でないか。それは過大過ぎるという意見もある。
先に3点目をお答えしてしまうと、特例引き下げというのは小泉内閣の時の三方一両損で新たに導入されたという経緯がある。しかし、あの時には後発品の数値目標はなかったのだから、特例引き下げの用は済んだのでないか」
禅問答のようだ。たぶん、この位までしか答えられないのだろう。
「最後に2012年までは既にやることが決まっているという件に関しては、2012年まで後発品の促進だけが進んだ場合、日本の市場がいよいよ難しくなってしまう。ぜひ、その前から維持特例をご検討いただきたいという提案だ。これについては安倍内閣の時の骨太の方針で核心的創薬と後発薬使用の推進は車の両輪ということだった。もう方割れも書いたということだ」

対馬
「特例引き下げが役割を終えたということなら、全く別の仕組みを念頭に置いているということか」

長野
「昨年12月17日に整理された論点で財政影響の切り口というのがあった。後発品の使用が着実に進むよう、当事者の1人として、それが進まなかった時にどう考えたらいいのか、滲み出しているということだ」

山本
「中身は変わっていないが、様々なことが進んだと理解して評価したい。ただ、やはりどういうものが維持特例の対象となる新薬なのか定義しておくべきでないか。財政影響を考えながらというのの方策が特例引き下げじゃないなら一体どういうことなのか整理しておく必要はあるだろう。それから今後は後発品に乗り換えにくいような環境を作らないと理解していいのか。というのも、特許切れが近くなると先発品なのか後発品なのか判断しづらいものが出てくることがある。配合剤も出てきて、それで新薬だと言われても納得いかない。業界としても背水の陣とまではいかないまでも、かなり水を背負った提案だと思うので、その辺をもう少し明確にしてほしい」

長野
「先発メーカーがジェネリックに切り替わるのに対して防御することはない。配合剤も世界の認識では後発品潰しとは考えられてない」

山本
「今は国内の議論をしている。私だってグローバルの事情は理解している。では本邦ではどうか。後発薬を阻害していないという言葉はしっかりと記憶に留めさせていただくが、世界では配合剤が後発薬の妨害でないから日本でも違うという主張は理解できない」

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