製薬業界再編の号砲 ~中医協薬価専門部会
前エントリーで速報したものを改めて詳報する。
部会長だった前田雅英・首都大学東京教授が国会不同意で公益委員の身分を失ったため、部会長を改めて選出。中医協全体の会長でもある遠藤久夫・学習院大教授に。
長野専門委員(第一三共常務)
「我々製薬業界は過去において次年度の薬価改定という際には、薬価を抑制しようとする案にその時々で反対の立場を取ってきた。しかしながら、革新的新薬の創出、あるいは未承認薬への対応といったことが強く求められるようになった。そうした課題を早期に解決すべく下支えとなる制度の提案をさせていただいた。今や受け身ではなく当事者として改革案を提示し、患者・国民のメリットを第一に考えて、新薬の団体、後発薬の団体それぞれトップで議論してきた。本日は、その状況と結果を専門委員として表明できる言葉で説明する。今後も継続して検討を行い、さらにブラッシュアップしたものを関係団体の会長が発表するようにしたい」
ということで下記について禰宜専門委員(武田薬品部長)が説明。
国内製薬企業の意見
その参考資料
「メリットは短期間では目に見えるものにならない。そこを業界を挙げて、短期間にメリットが国民に見えるようにしたい。(中略)2012年に後発医薬品のシェア30%達成に向けて業界として、しっかり対応していく」
遠藤部会長
「何かご意見ご質問があれば」
藤原
「基本的なことだが、企業としてどれだけの利益があれば革新的な新薬開発をできるのか、そのために必要な資金がどの程度の額なのか見えずに議論してきた。一方で、株主配当が高水準だとか、役員・社員の給与が見えないとか、M&Aが盛んに行われるとかいうことがある時に会社としての責任はどうなっているのか、それも含めた話でないと」
長野
「企業の経営そのものに関するご質問で一言でご理解いただけるような言葉が見つからない。日本の国民皆保険や公的社会保障がどうあるべきかということを真剣に考えれば答えが出てくるのかもしれないし、非常に難しいかもしれないし、企業もグローバルに国外に広がっているし...」
遠藤
「はい了解しました」
藤原
「薬価維持特例で先発品の特許がある間は価格を水平にして、後発品が出てきた時には、その分下げるということになると、後発品への切り替えが進まなくなって、後発品との競争でも勝ってしまって、大企業の一人勝ちにならないか」
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