診察時間の目安、「必要でない」55.8%
■「外来管理加算は分かりにくい」
外来管理加算の時間の目安について患者に尋ねたところ、「必要でない」(55.8%)との回答が「必要だ」(33.8%)を上回った。
「懇切丁寧な説明」についての要望では、「症状に変化があったときのみ全項目」(15.5%)が最も多く、次いで「通院毎に一部項目」(13.1%)、「通院毎に全項目」(12.4%)、「定期的に全項目」(10.0%)の順だった。
調査結果を受け、牛丸聡委員(早稲田大政治経済学術院教授)は、「患者さんは時間よりも何を欲しているんだろうか。患者さんが求めている『懇切丁寧な説明』についての要望をもっと詳しく記しておいた方がいい」と注文を付けた。
中医協の会長を務める遠藤久夫委員(学習院大経済学部教授)も、「懇切丁寧な説明の内容について詳しく記載することに私も賛成だ」とした上で、「医療側が考えていることと、患者さん側が考えていることとの間にあるギャップみたいなものを議論する必要がある」と指摘。具体例として、「治療方針についての説明」を挙げた。
遠藤委員は、患者の5割が「治療方針についての説明」を望んでいるにもかかわらず、医療側の回答では、「毎回実施するべき」の項目の中で下から3番目に低かったことを示し、「患者さんが必要としているものが何なのか、分かるような記載が望ましい」と求めた。
同日の検証部会の後に開催された中医協・診療報酬基本問題小員会では、外来管理加算を再診料に含めることが支払い側の委員から提案されている。
対馬忠明委員(健保連専務理事)は、「外来管理加算が患者にとって一番分かりにくいということは何度も聞いている。処置をしなければ点数が付くことを分かってもらうのはなかなか難しい。であれば、例えば一つの考え方として、外来管理加算を再診料に含めてしまうということも、いくつかある解決策のうちの一つかもしれない」と述べた。
また、小島茂委員(日本労働組合総連合会総合政策局長)も、「患者の立場からすれば、外来管理加算は必ずしも理解を得られないし、よく分からない」とした上で、次のように述べた。
「外来管理加算を今のまま残しておくのかどうかも含め、初・再診料の中でどう位置付けるかということだと思う。(外来管理加算の5分要件を日医の要望通りに撤廃しないで)残すのであれば、まさに今回の(5分)要件の在り方としてどう考えるかということになる。『5分要件を外せ』というのは、要望としては分かるが、最終的には全体の(初・再診料の)中で外来管理加算をどのように位置付けるかを議論して、その中で要件について議論するという進め方が妥当だ」