中医協・DPC評価分科会―09年度第3回
中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)が5月14日に開かれ、「平成20年度『DPC導入の影響評価に関する調査及び評価』最終報告概要(案)」、「調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数」などを審議した。(新井裕充)
同日の議題は、▽平成20年度「DPC導入の影響評価に関する調査及び評価」最終報告概要(案) ▽平成20年度・再入院(再転棟)にかかる調査 ▽平成21年度におけるDPCに関する調査(案) ▽調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数等の検討 ▽その他(DPC対象病院及び準備病院における後発医薬品の使用状況)―の5点。
1.平成20年度「DPC導入の影響評価に関する調査及び評価」最終報告概要(案)
同調査の目的は、「診断群分類の妥当性の検証」と「診療内容の変化等を評価するための基礎資料の収集」の2点。2008年7月から12月の退院患者に関する約423万件のデータを分析した。
調査の対象にした病院類型は、▽平成15年度DPC対象病院(82病院) ▽平成16年度DPC対象病院(62病院) ▽平成18年度DPC対象病院(216病院) ▽平成20年度DPC対象病院(358病院) ▽平成18、19年度DPC準備病院(704病院) ▽平成20年度DPC準備病院(137病院)。
調査によると、平均在院日数はすべての病院類型で減少傾向。緊急入院や他の病院からの紹介率は横ばい、または増加傾向だった。「退院時転帰」の状況を見ると、「治癒」と「軽快」を合計した割合はすべての病院類型でほぼ横ばい。平成15年度DPC対象病院は前年度79.22%から78.63%と微増、平成18.19年度DPC準備病院は同80.01%から79.91%とやや減少している。
これらの調査結果から厚労省は、「重症度の高い患者を避けるような患者選別の傾向は見られておらず、診療内容に悪影響は認められない」とした上で、「質の確保はされつつ医療の効率化が進んでいる」とまとめた。同分科会は報告案を了承、5月20日に開かれる中医協・診療報酬基本問題小委員会に示す予定。
※ 5月20日の中医協・基本問題小委員会は、こちらをご覧ください。