DPCの高額薬剤、出来高にせず ─ DPC評価分科会(7月6日)
■ 人工腎臓について
[小山信彌委員(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
一番問題になるのは、メーンの疾患の中に透析患者さんが入ってきてしまうことなど。(高額医療)材料(の費用が)が取れないことが一番問題。
副傷病名の中に腎不全が入ったとき、(透析費用を)材料として認めてもらうことはできないのだろうか? 人工腎臓のみの治療の場合はそれがメーンの病名でいいが、入院のきっかけとなった病名が腎不全ではない場合の考え方。 副傷病名の腎不全に対する考慮はできないか。
[西岡分科会長]
私が答えたらいかんのだが、かなり広範囲の疾患に腎不全を付けていかなくてはならないことになる。
これまでのヒアリングでも、すべてが腎不全で請求されて、実際には簡単な骨折だったかもしれないような患者さんも全部腎不全で請求されていたという実態があった。日本の医療統計が全くお粗末になってしまうという意見も頂いていた。
これについて、いかがだろうか。その(ヒアリングの)時の議論では、透析の部分は外に出してしまってはどうかと。腎不全を伴っている方がいろいろな疾患にわたって出てきているので、そういったことを考えることはできないか。
[松田晋哉委員(産業医科大医学部公衆衛生学教授)]
人工腎臓は外に出した方がいいと個人的には持っている。分析していても、そこですごくばらついてしまう。慢性腎不全で引っかけてしまうといろいろな問題が起きてしまうので、それに伴う医療行為が行われているかということで判断して、それを外に出すということはいいと思う。
大きな問題は、どのぐらいの期間使われるか、患者さんの病態によってばらついてしまう場合が多いので、事後の検証をきちんとするという条件で出来高にしてもいいと思う。
[西岡分科会長]
ありがとうございます。もし可能であれば、人工腎臓に関しては外出し(出来高)にするという形でどうか......。
[長谷川補佐]
私どもも人工腎臓についていろいろ考えたのだが、急性期と慢性期の性格が異なるだろうと思う。慢性期の患者さんは1週間に何回という形で定期的に来るので、いかなる病態であろうと関係なく(透析が)行われるので、その部分は外出しにした方がいいと思う。
一方、急性腎不全に関しては、いきなり透析が必要な状態になれば必ず主病名の中で「急性腎不全」など、それに近い病名が必ず立つと考えるので、それは現在のDPC分類で十分に対応可能だと思う。
そういう意味で、急性腎不全と慢性腎不全を切り分けて整理した方が適切ではないかと考えて、ご提案した次第。
[西岡分科会長]
たぶん、そういうつもりでディスカッションしていたと思うが、急性の腎不全と慢性の腎不全を分けて、慢性の人工腎臓はこういった形(出来高)でやってはどうかということで、ご了解いただくということでよろしいだろうか。急性の腎不全は今までのDPCをそのまま使う。
(反対意見なく、了承)
ありがとうございます。(以下略)